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グアム島の過去と今を学ぶ [安全保障全般]

Guam killer.jpg10日付「military.com」が、北朝鮮と米国トップ同士の「口撃合戦」の対象となっているグアム島について、その歴史にさかのぼって紹介しています。

50代以上の皆様にとって、グアム島はビーチリゾートの入門地であり、気軽な価格の夏休みツアーとか卒業旅行ツアーに仲間同士で参加された思い出を持つ方も多いのでは・・・と思います。

観光地としてのグアムは、今や日本以外のアジア人であふれ、特に中国人の急増に伴い、日本人にとっての魅力は急速に失われています
想像できますよね・・・ビーチでのんびりや、マリンスポーツを楽しみにしていったら、大声で騒ぐ中国人グループに圧倒され・・・

おまけに、中国人には「グアムで出産して米国籍を子供に」ツアーが大人気で、ナマコも真っ青な勢いで中国人妊婦がタモンのブランドショップを闊歩している現状で、中国軍や北朝鮮軍のミサイル攻撃を待たずして、「お前は既に死んでいる」状態かもしれません

グアム島の今と歴史を学ぶ
andersenGM.jpgソウルから2000マイル(3200㎞)、東京から1500マイル(2400㎞)、台北から1700マイル(2700㎞)との距離の位置にあり、米軍の作戦拠点が少ない極東地域にあって極めて重要な位置にある
グアム島の人口は約16万人であるが、その中に海軍と空軍を中心とする約7000名の米軍人が所在しており、今後は沖縄から海兵隊員が数千名移動してくる予定である

●約3㎞の滑走路を持つアンダーセン空軍基地には、2004年から始まったCBP(Continuous Bomber Presence)で大型爆撃機がローテーション派遣されており、中東への戦力派遣で手薄になった西太平洋での戦力プレゼンスを補完している
米海軍は島南部の施設に4隻の攻撃型潜水艦と2隻の潜水艦補給艦を配備し、米軍の数少ない優位点である潜水艦能力を支えている。

●また、2013年に米陸軍が弾道ミサイル迎撃用のTHAADミサイルをグアム島に配備し、終末段階での迎撃態勢を整備した

Guam AF2.jpg1898年、米西戦争に勝利した米国は、スペインからグアム島を獲得し、当時のマッキンリー大統領が米海軍に占領を命じた。米海軍は艦艇への石炭補給基地や通信中継基地としてグアム島を活用した
●しかし1941年12月10日、真珠湾攻撃後の勢いそのままに日本軍がグアム島を占領し、1944年7月21日に米国が奪還するまで日本による統治が続いた

ベトナム戦争間、米軍は155機のB-52爆撃機をグアム島に展開し、東南アジアへの爆撃作戦の拠点とするとともに、ベトナム戦に投入される兵士や物資の中継基地としても活用された
●また、同戦争後の混乱で大量発生したベトナム難民の多くが、グアム島を経由して米本土等へ移住した

過去記事よりグアム米軍基地の抗たん性強化
アンダーセン基地全体で、またグアム島全体で建設工事が目白押しだ。アンダーセン基地北部のランプ地区では、沖縄海兵隊数千人の移転に備え、準備が進んでいる
Cope North 15.jpg2014年度予算で基地の航空燃料供給システムの抗たん性強化が認められ、更に強度が強化され整備性も向上する整備用ハンガー2にも予算が認められた。また、米海軍が今後3年間で配備予定の3機のMQ-4(海洋監視型グローバルホーク)用ハンガーも建設中である。

2016年度予算で「塩害腐食整備施設」や、「強靱性強化装備品の倉庫」や「抗たん性強化指揮所」、基地の地下施設のための支援設備工事が計上されている
●同基地幹部はまた、島外からの展開受け入れセンターを航空機ターミナル近傍に建設し、兵站支援態勢の強化や迅速化を進めたいとしている

2016年12月テニアンをグアムの代替基地に指定
2016年12月7日、米空軍は、グアム島アンダーセン基地の代替地としてテニアン国際空港を正式に指定すると発表。今後、様々な米軍機の受け入れが可能なように関連施設や兵士用の施設整備を公式に開始する模様。
●公式には、米太平洋空軍機等の「目的地変更に備えた取り組み:Divert Activities, Exercise Initiative」と呼ばれ、「Record of Decision」との文書に米空軍が7日署名

●アンダーセン基地や西太平洋地域の拠点がアクセス不能や制約を受けた場合に備え、任務遂行のためのニーズに応えるための代替拠点の指定
●7日の決定により、今後テニアン国際空港には、輸送機、空中給油機等のアセットや関連要員の活動を支えるインフラや施設が整備され、西太平洋地域における代替拠点や演習拠点として利用可能になる
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今回の北朝鮮の威嚇に関する軍事技術面での分析は以下の記事が詳しいです!

「海国防衛ジャーナル」より
北朝鮮の「火星12」をグアム近海へ発射警告の分析
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50794358.html
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Guam china.jpg中国の正月や連休期間になると、中国から観光客が大量に押し寄せ、ホテルの確保が難しくなるそうで、日米共同訓練等の障害になることもあるようです。

小さいながら中華街のような地域も出来始め、米軍基地にも軍属や職員として中国系が入り込んでいるでしょうし、地上からの中国のISR体制は完成の域に達しているのでしょう

中国人の両親からグアム島で生まれ、成人して米軍に入った兵士もいるかもしれませんね・・・。中国の長期戦略おそるべし・・・

グアム島の抗たん化対策
「被害復旧部隊を沖縄から避難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-28-1
「テニアンをグアムの代替に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16-1
「グアム施設強化等の現状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1

「グアムの抗たん性強化策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30-1
「グアムで大量死傷者訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08-1
「グアム基地を強固に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-12

「米と豪が被害想定演習を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02
「在沖縄米軍家族の避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21
「嘉手納基地滑走路の強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-09

「Wake島へ避難訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-04-1
「テニアンで作戦準備」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05
「ブルネイの飛行場を確認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14

沖縄戦闘機部隊の避難訓練
「再度:嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25
「嘉手納米空軍が撤退訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-23-1
「中国脅威:有事は嘉手納から撤退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

CBP関連の記事
「アジアへの空軍戦力派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-14
「グアムに大型B全機種勢揃い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
「B-2がCBPでグアム展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-18
「CBP受入の常設部隊設置へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13-1
「爆撃機による外交」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-04


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