米軍機がフィリピン南部で対IS戦に [Joint・統合参謀本部]

現地報道を受けDefense-Newsが確認したところ、フィリピン軍も米軍の特殊作戦群も米軍の支援を認めていますが、あくまでも偵察ISR活動支援だけで、戦闘行動には関与してと説明しています。
フィリピンは以前から、対テロ作戦面で米国から支援を受けていた実績がありますが、ドゥテルテ大統領就任以来、両国の関係がギクシャクする中、フィリピン側が支援を要請して米軍アセットが投入されているようでもアリ、今後の両国関係を考える材料ですので、とりあえず事象をご紹介します
10日付Defense-News記事によれば

●5月末、フィリピン軍が当地ISIS指導者である「Isnilon Hapilon」捕獲作戦をマラウィ市で実行したが失敗し、逆に混乱に乗じた過激派がマラウィ市全体を支配することとなった
●それ以来、マラウィ市をイスラム過激派から奪還すべく、フィリピン軍は懸命の作戦を続け、同市の中心部を除く周辺部の奪還に成功したが、9日にフィリピン海兵隊兵士13名が死亡し40名が負傷するなど、フィリピン軍兵士の死者は既に58名に上っている

●そんな戦況の中で地元ディアは、欧米人に操縦され戦闘地域上空を飛行する小型無人偵察機「RQ-20 Puma」や、同市上空を継続的に飛行するP-3Cの写真を報じ、P-3Cは米海軍機と識別可能だと報じている
●P-3Cはイラクやアフガンでも、装備する強力な光電センサー等を活用し、地上部隊のために長時間に亘るISR任務を行っており、RQ-20はより戦術的な偵察任務を遂行可能な小型無人偵察機である

●フィリピン陸軍第1師団の報道官(中佐)は、米軍はフィリピン軍に技術的支援を行っているが、米軍は戦闘には加わっていないと強調した
ウィキペディア情報「マラウィ市」
●正式名称マラウィ・イスラム市(The Islamic City of Marawi)で、面積22.6平方kmに人口約13万人。イスラム教徒が9割を占めることから1980年に市名に「イスラム」を付加した

●コメ、コーンミール、穴あきブロック製造、金細工、製材などが主産業である。また織物や木工品の制作、錫細工や鍛冶を行う小工場があちこちにある
●この地方には多くの民族舞踊があり、王妃の姿をした女性が足元で打ち鳴らされる二本の竹をまたぎながら踊るスィンキル(シンキル、Singkil)は、マラナオを代表するダンスである。
●2017年、ISILに賛同するイスラム系武装組織アブ・サヤフが台頭。同年5月23日には軍治安部隊と衝突し戦闘が発生し、軍は武装組織が立てこもる住宅地域に向け、攻撃ヘリコプターによる攻撃を実施した
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米国とフィリピンのギクシャク関係につけ込み、またトランプ政権が中東や欧州で多忙なことを把握した上で、アジアのISIS分派が動き出したと言う事でしょうか。

いずれにしても、米国とフィリピンは仲良くして対中国路線で団結して頂きたいものです。
米国とフィリピンの関係
「アジア安全保障会議での発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-3
「比の主要閣僚3名が米空母へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06
「米軍兵器の保管は認めない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31
「米と比が細々とHA/DR訓練を開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-18
「航行の自由作戦に比基地は使用させない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
「ハリス大将:選挙後初の訪比へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-16
「米比演習の中止に言及」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-08
「C-130が2機だけ展開」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
「比大統領南シナ海共同を拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15-1
「比空軍と米空軍が3日間会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03
日本とドゥテルテ大統領
「なぜ10月25日に比大統領来日」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06
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