Wilson新空軍長官の議会デビュー戦 [米空軍]

前日の5日月曜日に米空軍協会朝食会で、軍需産業関係者やメディア等との実質仕事始めとなったWilson長官ですが、空軍士官学校卒で初めての空軍長官として、早速、厳しい米空軍の予算状況やその中での取り組みについてアピールしています
議会での発言ややりとりを中心に、参謀総長の説明と併せて概要をご紹介します
7日付米空軍協会web記事によれば

●特に、F-35やKC-46A等を必要数確保して態勢を戻すには、8年連続でこの様な予算増加が必要だと主張した
●参謀総長は「米空軍は第4世代機を2040年代まで維持する事になるので、本予算案では、第5世代機を購入するだけで無く、第4世代機の近代化も行う必要性を盛り込んでいる」「戦闘機戦力全体を語るとき、どの世代の戦闘機にも継続的な能力向上を図り、相互に有効活用できるようしなければならない」と説明した
●細部の情報が公開されない状態で進んでいる次期爆撃機B-21計画に対し、約2200億円もが要求されている件に上院軍事委員会の批判が集まった

●空軍長官は、議会に知らせるべき情報と、敵に知られるても良い情報にバランスが重要だと反論し説明した
●参謀総長はまた、爆撃機の将来態勢として、B-21爆撃機100機を含め、計165機の爆撃機が必要だと米空軍が判断していると説明した
●空軍長官は、KC-46A空中給油機の更なる遅延可能性を示唆した。6日朝の国防省内の会議でKC-46の試験計画のリスクが議論され、その結果を受けて同長官は「公式な情報ではないが、2~3ヶ月の遅れが予期される」と説明した

●また予算を約110億円カットした救難救助ヘリ「HH-60G Pave Hawk」について参謀総長は、予算削減の影響を注意深く見守る必要があると説明したが、委員会からは「同ヘリを必要としている軍人にとって失礼は話だ」と批判した
政治任用ポストの人事について

●議員が、人事が進まないのはホワイトハウスで業務が停滞しているからかとの質問に空軍長官は、6ポストの内、4ポストは好ましいとの評価で、2ポストには面談等実施中であると説明したが、ホワイトハウスから議会に正式ノミネートが行われない理由について、「私には判らない」とのみ答えた
5日の米空軍協会朝食会では
●新政権がまとめつつある、様々な戦略見直し(strategy reviews)の結果を待つ必要もあるが、かつてないほど装備が老朽化し、小規模になっている米空軍を立て直すため、最優先のF-35やKC-46AやB-21取得ペースを上げ、深刻な操縦者不足にも早急な対応が必要である

●操縦者の離職を防止するため、米空軍は継続勤務に応じた者に、特別ボーナスや様々な特典を与える制度を検討している
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自分が編制に関わっていない予算案を説明するのは辛いでしょう・・・。しかしそれがお仕事ですから・・・
それにしても、第4世代機を2040年代までとは、なかなかしびれますねぇ・・・・
加えて、政治任用ポストの手続き状況について、ホワイトハウス内の状況が「わからない」発言は困った状態ですねぇ・・・・
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「Wilson長官のご経歴など」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-24
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