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米空軍が初のNCCT活用をレッドフラッグで [米空軍]

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NCCT4.jpg27日付米空軍協会web記事は、2月10日までの約3週間行われた「Red Flag 17-1」が米空軍が目指すより高度にネットワーク化された次世代の戦いを支えるNCCTを、本格的に活用すると明示した初めての機会になったと報じています

NCCTとは「Network Centric Collaborative Targeting」の略称で、具体的なことは短い記事からは不明ですが、複数の航空機やプラットフォーム、更には地上の作戦センターをより双方向的に結びつけ、目標情報や脅威情報を迅速に共有可能にしたネットワークのようです

このネットワークについては、昨年11月に米空軍参謀総長が「Data to Decision」ネットワークと呼称し、各アセットやセンサーが収集した情報を、迅速に共有して機敏で柔軟な意志決定に結びつけることを狙いとし、単一アセットによる戦いからシステム融合の戦いへの変革を目指すもののようです

またこのネットワーク高度化により、迅速さだけでなく、「重複性と強靱性」を強化してネットワークの一部被害への対処力も向上させる狙いとなっています

27日付米空軍協会web記事によれば
Red Flag 17-1.jpg●米空軍は2月10日に終了した「Red Flag 17-1」で、情報収集とターゲティングの複数の新しい手順を披露し、戦場における新たなネットワークへの転換を前進させた
●ネリス空軍基地を根拠に行われた演習では、NCCTの使用が初めて主要目標に加えられ、NCCT参加者が航空作戦センターと融合(integrated)して演習を行った

●コントローラーはまた、初めて「cooperative geolocation」を使用した。これは2つ以上のセンサーやアセットからのデータを活用し、より迅速に目標位置を得て追尾する「machine-to-machine process」である

●この演習での取り組みは、空軍リーダー達が発信してきた、将来の空での戦いの中核は、個々のシステムの能力ではなくネットワークだとのメッセージへのコミットを示すモノ
●ACCの将来計画課長は「本演習では、搭乗員は自身の航空機だけを考えるのではなく、他機との関係を重視してプランを練った」と訓練の特徴を説明した

昨年11月に空軍参謀総長は
Goldfein1-2.jpg●将来の米空軍は、個々のアセットの能力よりも、ネットワーク化をより重視する。
●どうしたら、敵が今まで直面したことの無いような迅速さで、収集した全ての情報を「意志決定に資するレベル」の情報に分析処理できるかを我々は考え続けている

●また、その情報処理伝達の改革効果を、如何に全ドメインに生かし、作戦運用の敏捷性につなげ、意志決定スピードの向上とあわせ、誰も対応できないレベルにすることで敵の抑止につなげたい
●また統合戦力が共通の作戦システムで連接され、(AIなど)machineを生かし、現状の人間による分析判断から脱却したい

NCCT3.jpg●米空軍は「Data to Decision」との新システムを試験しており、将来の統合戦闘を担うものだ。個々のシステムだけでは戦えず、ネットワークの一員として戦う事になる現実を前に、個々のアセット中心の考え方を越える必要がある
●例えば、F-35は統合戦闘に置いて「クォーターバック」の役割を担い、他アセットやシステムからの情報をリアルタイムで処理して提供し、戦場での意志決定をリードするだろう

●更に究極的には、十分に迅速で多層化され「重複性と強靱性」をネットワークが備えることで、一部が被害を受けても継続運用が可能な態勢を生み出すことになる
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米海軍のNIFC-CAとの関係が気になります
また、ネットワークが持つ電子戦や妨害への脆弱性をどう克服するかが気になります。

Aust-UK.jpg更にこの「Red Flag 17-1」演習には、英空軍タイフーン戦闘機や豪空軍のE-7早期警戒管制機も参加しており、同盟国との相互運用性がどこまで検証されたのかも気になります

日本は、戦闘機飛行隊数と戦闘機機数の維持だけしか考えていませんし、(共同開発国でないことから)F-35能力も購入決定した後に徐々に情報を得たような状況でしょうから、ネットワークに関して実質何もしていない状況でしょう。むなしいですね・・

「道遠し?NIFC-CAの現状は・・・」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

将来の空を制するために
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「5世代機の訓練は実環境とシム融合で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24-1
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1

「現実的で低価格なF-15能力向上案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

「意味不明な日英戦闘機訓練」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18

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