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米軍サイバー機関の問題や対策を議論 [サイバーと宇宙]

CyberspacePolicyRe.jpg12日、サイバー戦問題を議論する会議が「軍事Communications and Electronic Association」の主催で行われ、米軍の関連現役やOBが諸問題と対処策について議論しています。

事柄の性格上、細部や具体的な事例がなく理解が難しいのですが、学際より企業との緊密な連携、組織の増強や効率性改善、装備導入手続きの迅速化・簡素化の必要性、同盟国等(特に極東の国)との連携強化の重要性等々が議論されたようです。

この会議が、米空軍幹部の発言が多くのでイベントの対象者が不明ですが、14日付米空軍協会web記事3本から、米空軍関係者の発言をつまみ食い紹介します、

官民の協力強化が必要不可欠
●米空軍のChief Information Officer(中将)は、今後効果的にサイバー戦を行うには、官民の協力強化が必要不可欠でアリ、「作戦運用者と機材提供企業関係者が相互運用性を持ちつつ共同すること」が作戦サイバー部隊の構築成功の鍵となると語った
CyberPolicy2.jpg●国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)も、あたらな脅威に迅速に対処するため、「産業界、学会、特に小規模なベンチャー企業」との協力関係構築のために努力中だと語り、これが敵に技術面で先んじる鍵だと説明した

●国防情報システム庁の副長官である空軍少将は、産業界との連携の重要性を訴え、良いアイディアがあれば協力相手は選ばない方針だと語る一方で、学会は概念優先で実用面でそれほどでも無いと率直に語った
●また「Hack the Pentagon」に代表されるような、一般社会の力を活用する取り組みも今後重視していくと説明した。更に、年末までに革新を促進する契約のアイディアを募る文書を発出すると説明した

●産業界との関経強化に加え、「non-natural partners」を求めると語り、特に極東の同盟国等との関係強化を進め、学ぶ姿勢で世界中での活動能力を高めたいと述べた

政権引継ぎで「権限」の問題が議論に
cyber army kit.jpg●先述の国防長官サイバー補佐官補(空軍少将)は、政権移行チームとの会議でも、前線指揮官が迅速にサイバー脅威に対処するため、前線に権限をどのように委任し、決断を早くすべきかが最大の問題だとの議論になったと語った

●また、より複雑化するサイバー攻撃に対処するため、如何に迅速に新装備や手法を導入して前線に投入するかが課題で、調達プロセスがトラブルの核心にある
●そして両名は、「前線指揮官の要求に迅速に応えるには、200ページの要求文書で意思疎通するのではなく、短節な文書で迅速に行う必要があるのだ」と訴えた

●サイバー補佐官補は、対ISILでのサイバー戦が効果的かつ効率的に行われておいることを紹介しつつ、サイバーコマンドが6200名体制で133チームからなる「CMF:Cyber Mission Force」を2012年に立ち上げ、10月に初期運用態勢を確立したことを賞賛し、2018年末の完全な態勢確立に大きな期待を寄せた
●一方で、まだまだサイバー部隊の規模が不足していると指摘し、戦前指揮官から急増するサイバー関連要求に十分に対応できない現状を訴え、更なる成長の基礎として中高校生を対象とするサイバー教育プログラムを推進し、有能な若者を育てて行く必要を語った

退役准将は更に辛辣に非効率性を訴え
cyber01.jpg●2012年に退役し、現在はサイバー対策関連企業の副社長であるScott Bethel氏は、国防省は情報活動と通信活動の狭間でサイバー防御に苦しんでいるが、その背景には「リスクを伴う挑戦には冷たく、成功や見せかけの成功だけを讃える傾向があるからだ」と訴えた
●そして「米空軍長官とその側近がリスクやミスに寛容でないため、革新的なアイディアや計画が行き詰まっている。背景には何でも法律家に相談してからとの姿勢があるからだ」と批判的に語った

●また国防省組織全体の効率性を問題視し、現実として「軍人であれ文民であれ、国防省勤務者の1/3は何も仕事をしていない」と語り、官僚機構の機能不全を排除するため、国防省はISR機関に人事管理の権限を移管すべきだと語った
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西側諸国のサイバー戦に関する問題点を復習する内容となりました。何処に国にも当てはまる問題です。ちょっと「international allies from the Far East」がどの国や組織を指すのかが気になりますが・・
企業との協力強化はカーター国防長官が注力してきた分野ですが、時代のニーズでしょう。

cybercrime1-.jpgところで、14日にトランプ氏がトランプタワーで、ハイテク企業(Apple, Facebook, Amazon, Google, Oracle, Microsoft and IBM等々)のトップ級と会合を持ったそうです

概してこれらハイテク企業首脳は、大統領選挙時に「反トランプ」だった人が多く、特にカーター長官が立ち上げた「DIB:国防革新評議会」メンバーにもGoogleのトップ等が入っているのですが、トランプ氏とどのように折り合いを付けて話するのかに注目が集まっています

そして、国防技術革新へのトランプ氏の姿勢も窺い知れるかも・・・と気になっています

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「成果Hack the Pentagon」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20-1

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