第5世代機の訓練は実環境とシム融合で [米空軍]
11月16日、米空軍戦闘コマンドのカーライル司令官が国際戦闘機会議で、第5世代機の操縦者は将来、バーチャルに合成された部分のない訓練を行う事はほとんど無くなるだろうと語り、やるべき事は多くあるが、その方向に向かう必要があると語りました
本ブログでも何回か取り上げたことがある視点ですが、脅威や戦場環境が複雑になり、実環境の訓練で実戦に近い状況を準備すること費用対効果上で難しなっていることが一つです。
更にもう一つは、第5世代機のセンサーや情報共有&融合能力が飛躍的に向上し、これらを最大限に活用する環境を準備することが実環境で容易に準備できず、世界各地に展開する部隊の練度維持訓練が難しいと考えられて居るからです
21日付米空軍協会web記事によれば
●カーライル司令官はDefense IQ主催の同会議で、米空軍はライブとバーチャルの融合訓練(LVC:live virtual constructive training)を追求していると語り、実際に飛行している編隊が、シミュレーターで参加する地上の操縦者と訓練可能な環境の構築を目指していると説明した
●背景として同司令官は、「潜在敵国の地対空防空システムやその配備密度を考えると、それだけ厳しい環境での訓練が必要だが、コストの関係もあり、訓練場にその様な環境を準備することはほぼ不可能である」、「従って、我が操縦者が実際に直面する脅威環境を訓練で作為するには、ライブとバーチャルの融合が不可欠である」と説明した
●そして「ライブ環境での訓練は可能で、バーチャル環境の訓練も可能である。しかし、この2つを組み合わせて同じ土俵で訓練することが実現出来ていない。4機の実環境の編隊と、4機のシミュレータ訓練の編隊を組み合わせて8機による訓練が可能になるよう追求している」と語った
●また第5世代機のデータ処理能力を、最大限に発揮する訓練の必要性も指摘されている
●国防省F-35計画室に米空軍から連絡幹部に派遣されているRawls大佐は同会議で、「F-15で飛行していた際は、操縦者が各センサー等の情報を確認して情報融合を行っていたが、F-35ではOODAループで言うobserveとorient過程を機体が行ってくれる」と述べ、
●「F-35はその高度な計算アルゴリズムで、操縦者がdecideとactにより集中できるように設計されている。航空機の世界に初めて人工知能を持ち込んだとも表現できるのではないか」と同大佐は語り、この様な能力発揮を訓練する環境整備の重要性を指摘した
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米軍は、F-35開発当初から「LVC訓練」の重要性を訴えてきていますし、F-22の本格運用開始後、その必要性を痛感しているモノと思います
しかし日本のようなF-35導入国は購入するだけで精一杯で、今も今後も、これまでとは異なる機体や整備体系、更には米国企業との関係に翻弄されつつ、その高価な能力を発揮することに頭が回ら無いでしょう。
購入を決定してから細部の性能等が徐々に明らかになってきたような状況でしょうから、機体性能を生かす関連サポート態勢は予算措置されておらず、とりあえず飛んでくれれば・・程度の受け入れ態勢しかないと想像します。
まぁ・・・戦闘機機数と戦闘機飛行隊数だけを死守し、パイロット数とその勢力だけを維持したいとの思いだけが強い「戦闘機命派」にはそれでいいのかも知れませんが、他の必要な装備導入や人材の育成が犠牲にされておいることを考えると、国賊級の扱いが相応しいのが「亡国のF-35」です。
5世代機とバーチャル訓練
「シム訓練でF-22飛行時間削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
「F-35SIM連接の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-05
「移動簡易F-35用シミュレーター」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-02
「5世代機はバーチャル訓練で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「Red Flag演習と予算不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-07
ロンドンで開催された「International Fighter conference」については、これで取り上げるのが3回目ですが、従来型の戦闘機が将来環境で直面する課題を正面から議論しており、非常に興味深いです。
同会議関連の記事
「AI操作の無人機が有人戦闘機に勝利」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19
「F-35は対ISに必ず投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-17
本ブログでも何回か取り上げたことがある視点ですが、脅威や戦場環境が複雑になり、実環境の訓練で実戦に近い状況を準備すること費用対効果上で難しなっていることが一つです。
更にもう一つは、第5世代機のセンサーや情報共有&融合能力が飛躍的に向上し、これらを最大限に活用する環境を準備することが実環境で容易に準備できず、世界各地に展開する部隊の練度維持訓練が難しいと考えられて居るからです
21日付米空軍協会web記事によれば
●カーライル司令官はDefense IQ主催の同会議で、米空軍はライブとバーチャルの融合訓練(LVC:live virtual constructive training)を追求していると語り、実際に飛行している編隊が、シミュレーターで参加する地上の操縦者と訓練可能な環境の構築を目指していると説明した
●背景として同司令官は、「潜在敵国の地対空防空システムやその配備密度を考えると、それだけ厳しい環境での訓練が必要だが、コストの関係もあり、訓練場にその様な環境を準備することはほぼ不可能である」、「従って、我が操縦者が実際に直面する脅威環境を訓練で作為するには、ライブとバーチャルの融合が不可欠である」と説明した
●そして「ライブ環境での訓練は可能で、バーチャル環境の訓練も可能である。しかし、この2つを組み合わせて同じ土俵で訓練することが実現出来ていない。4機の実環境の編隊と、4機のシミュレータ訓練の編隊を組み合わせて8機による訓練が可能になるよう追求している」と語った
●また第5世代機のデータ処理能力を、最大限に発揮する訓練の必要性も指摘されている
●国防省F-35計画室に米空軍から連絡幹部に派遣されているRawls大佐は同会議で、「F-15で飛行していた際は、操縦者が各センサー等の情報を確認して情報融合を行っていたが、F-35ではOODAループで言うobserveとorient過程を機体が行ってくれる」と述べ、
●「F-35はその高度な計算アルゴリズムで、操縦者がdecideとactにより集中できるように設計されている。航空機の世界に初めて人工知能を持ち込んだとも表現できるのではないか」と同大佐は語り、この様な能力発揮を訓練する環境整備の重要性を指摘した
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米軍は、F-35開発当初から「LVC訓練」の重要性を訴えてきていますし、F-22の本格運用開始後、その必要性を痛感しているモノと思います
しかし日本のようなF-35導入国は購入するだけで精一杯で、今も今後も、これまでとは異なる機体や整備体系、更には米国企業との関係に翻弄されつつ、その高価な能力を発揮することに頭が回ら無いでしょう。
購入を決定してから細部の性能等が徐々に明らかになってきたような状況でしょうから、機体性能を生かす関連サポート態勢は予算措置されておらず、とりあえず飛んでくれれば・・程度の受け入れ態勢しかないと想像します。
まぁ・・・戦闘機機数と戦闘機飛行隊数だけを死守し、パイロット数とその勢力だけを維持したいとの思いだけが強い「戦闘機命派」にはそれでいいのかも知れませんが、他の必要な装備導入や人材の育成が犠牲にされておいることを考えると、国賊級の扱いが相応しいのが「亡国のF-35」です。
5世代機とバーチャル訓練
「シム訓練でF-22飛行時間削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-11-1
「F-35SIM連接の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-05
「移動簡易F-35用シミュレーター」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-02
「5世代機はバーチャル訓練で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
「Red Flag演習と予算不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-07
ロンドンで開催された「International Fighter conference」については、これで取り上げるのが3回目ですが、従来型の戦闘機が将来環境で直面する課題を正面から議論しており、非常に興味深いです。
同会議関連の記事
「AI操作の無人機が有人戦闘機に勝利」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19
「F-35は対ISに必ず投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-17
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