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偽部品の識別に植物DNAを活用 [安全保障全般]

counterfet6.jpg11月21日付のWeb版「Popular Mechanics」は、米国防省が偽部品対策として、植物のDNAを活用した特殊なインクを電子チップ等に塗って識別可能にして効果を上げていると報じています。

ここでの偽部品とは、米軍が使用する装備品に使用される正規な製造元でない部品のことを指し、重要な半導体からボルトに至まで、様々なモノが問題となっています。

必ずしも偽部品がスパイ行為や妨害工作用に送り込まれたモノではなく品目番号を偽造して中国や発展途上国で安価に製造されて闇市場を流通して兵器製造企業が使用したモノや、新品しか認めないのに廃棄物の中から改修した中古部品を使用する場合などが含まれます

counterfeit3.jpgいずれにしても、完成した装備品が新品に見えても、その中のパーツが基準を満たしていないならば、重大な事故や機能不全を引き起こしたり、誤動作で人の命に関わる事態が発生しかねない点で大きな問題です

2011年にはワシントンポスト紙が、時の米議会が調査した結果を入手し、国防兵站庁(DLA:Defense Logistics Agency)が管理する400万個の部品のうち、約1/4の100万個が偽部品の可能性があると報じて大きな話題となり、そのあたりから対策の必要性が叫ばれ始めていました。

11月21日付「Popular Mechanics」によれば
Applied DNA Sciences社が開発した手法は、植物DNAを使用したエポキシ樹脂インクを部品に塗布する事で、電子部品やボルトのような小さな部品でも性能に影響を与える事無く、またインク離脱の心配なく、偽部品との識別が可能である
●同インクは部品に塗布された後、ある種の熱処理によってシールドされ、同処理が行われた部品は、必要時にユーザーがスキャンすると部品の履歴が判り、偽物との区分が可能である

counterfet5.jpg同手法は偽造が出来ない手法で、同社はDNAレベルの認証システムは偽部品製造者には判読不可能で、植物DNAに加えて複雑な安全対策を施してあると自信を示している
●また、バーコードのように大きなスペースを必要とせず、小さなドットで必要十分であり、他の部品や製品全体への影響もない。

●この手法は、2014年に国防長官室がApplied DNA Sciences社に対し、「緊急革新基金:Rapid Innovation Fund」を拠出することを決定して実用化が加速したものである
●以来これまでに、国防兵站庁(DLA)は同手法で約15万点の電子回路にマーキングを行っている。DLAはまだまだやるべき事が残されているとしている。
今後は電子回路以外の電子部品、ベアリング、車両部品、エンジン部品、配管やチューブ等々にも適用する方向である
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2つ語らせて頂きます
国防装備品に限らず、この様な「偽部品」は大量に市場に出回っている模様で、最終的な製品を管理する企業のチェック体制や熱意によっては、十分紛れ込んでいる可能性が考えられます

counterfet7.jpgもう一つは、植物DNA手法を迅速に取り入れた、米国防省の素早い対応です。2014年と言えば、現在のカーター国防長官が副長官か調達担当次官だった時代で、「緊急革新基金:Rapid Innovation Fund」もカーター氏の努力で実現したものと考えて間違いないでしょう

対策は難しいだろうとボンヤリ思っていたのですが、知恵を絞って懸命に対処が行われています
この様に、民間に生まれた最新技術を迅速に取り入れることが、第3の相殺戦略を基盤を支える重要要素でアリ、中国やロシアに対し軍事技術的優位を保つ必須要素である事を肝に銘じておく必要がありましょう

偽部品関連の記事
「上院による偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

その他の関連記事
「装備内蔵システムへのサイバー攻撃に備え」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-02
「イージス艦用サーバー企業が中国に身売り」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-06
「F-35センサー中国製造疑惑」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-14-1

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