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無人海洋ISR機MQ-4C飛行隊が編制完結 [Joint・統合参謀本部]

機体はなく、2018年運用開始だけど・・

MQ-4C 1.jpg10月25日付米海軍協会web記事は、28日に米海軍の無人海洋ISR機MQ-4C(Triton)部隊がフロリダ州のJacksonville海軍航空基地に編制されると報じています。

残念ながらまだ機体は同基地に到着しておらず、約130名の兵士も同基地を離れて訓練を行っているようですが、2017年末に最初の機体を受領し、2018年に初期運用態勢を確立してアジア太平洋で活用する計画があるようです。

また、同基地に所在するP-8対潜哨戒機との連携運用がMQ-4Cの鍵であることから、このような立地になったようです

ちなみにMQ-4Cは、米空軍の高々度無人偵察機RQ-4グローバルホークを海面監視用に改良した機体で、空軍用と異なり低高度を長時間連続飛行することから、他機との衝突防止装備や着氷防止装備などを備え、かつ海上や潜水艦捜索のためのセンサーを搭載しているようです

10月25日付米海軍協会web記事によれば
MQ-4C 2.jpg28日、最初のMQ-4C飛行隊である「Unmanned Patrol Squadron (VUP) 19」が、フロリダ州のJacksonville海軍航空基地に編制される。
●同飛行隊は、P-8対潜哨戒機の飛行隊も所属する「Patrol and Reconnaissance Wing 11」の配下に編制され、P-8との連携運用が円滑に進むよう準備が進められる

●MQ-4Cの操縦者はPatuxent River海軍航空基地で、同機の試験飛行操縦者から訓練を交代で受けており、整備員達は加州のPoint Mugu海軍航空基地で訓練を行っている
来年1月には、MQ-4Cの訓練装置がJacksonville基地に提供され、要員の訓練に活用される予定

●同飛行隊のメンバーはMQ-4C自体の運用の他に、P-8対潜哨戒機の運用者達と共に、2つの海洋監視偵察機を如何に組み合わせて作戦するかの戦術、技術、手順(TTP)を練り上げる任務を付与されている
●担当幹部は「対潜水艦作戦で、どのように協力し、人と機材を組み合わせるか。長時間在空可能なMQ-4の多様なセンサーから提供される情報を、如何に入手して活用するか等々を検討する」と述べている

MQ-4C5.jpg●また同幹部は、OODAループの「observing, orienting, deciding and acting against a problem」の中で、連続長時間作戦可能なMQ-4は最初の2つ「observingとorienting」の状況認識で大きな貢献が可能で、P-8は後半の2つに集中できるのではと考えている
●MQ-4C飛行隊は、無人ヘリMQ-8が有人ヘリMH-60と共に運用された教訓を参考にすることが出来るが、この2種類のヘリは同一飛行隊で運用された点が異なっている

●またMQ-4Cは、その前進であるBAMS-D(Broad Area Maritime Surveillance Demonstrator)の試験運用の教訓も活用することが出来る。BAMS-Dは第5艦隊エリア(中東)で、海洋パトロールを数年間試験実施した実績がある
米海軍はMQ-4C導入に、段階的な「learn, grow, learn, grow」姿勢を取っており、初期の訓練や戦術開発を米本土周辺で行い、2018年頃の初期運用態勢が近づく頃にはグアム島周辺でも運用経験を積む方向である

●そして初期運用態勢宣言後は、ニーズの高い第7艦隊エリア(アジア太平洋地域)で使用したいと考えている。その際、機体はJacksonville基地から遠隔操作され、整備員は機体の展開先で作業を行うことになる。しかし、任務展開していない時に機体をどこに置くかは定まっていない
MQ-4Cの2番目の飛行隊(VUP-11)はワシントン州のWhidbey Island海軍航空基地に設置される予定である。機体は更なるセンサーを搭載予定で、2020年代にEP-3Eの後継機に育てる方向である
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MQ-4C4.jpgMQ-4の運用が安定したら、RQ-4の様に日本が買わされる可能性極めて大です。海上自衛隊の皆様、特にP-1部隊の皆様はご注意アレ!

2013年当時は、グアム島配備が2016年後半との予定が示されていましたが、既に2年遅れています。予算が厳しいことも大きな理由だと思いますし、技術的な問題もあるのでしょう。

また段階的な「learn, grow」の姿勢もあるのでしょうが、別の背景には、無人機導入で職を奪われる有人機操縦者への「たっぷり配慮」も必要だからでしょう。定年による自然損耗や機種転換のペースにあわせての無人機体制の確立でしょう

また、米空軍で無人機を急増した結果、無人機操縦者の経歴管理や処遇が疎かになり、離職者が大量に出て任務をまかなえず、RQ-4には下士官操縦者を採用せざるを得ない状況に追い込まれており、この辺りも米海軍を慎重にさせている要因の一つでしょう

海軍無人機関連の記事
「誰が海軍無人機を操縦するか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14-1
「映像:MQ-4初飛行」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23
「グアム配備MQ-4トライトンは今」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05

米空軍は無人機操縦者に苦しみ中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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