米空軍トップ:F-35地上火災の原因は未解明 [亡国のF-35]
火災事故から2週間、未だ原因不明
4日、米陸軍協会総会で講演したGoldfein空軍参謀総長は、ここ2週間あまりの間に発覚したF-35関連の問題やエンジン始動時の火災発生について言及し、9月23日発生の火災については未だ原因不明だと明らかにしました
また、最近耳にすることが急増している「multi-domain融合」について、Work副長官やハリス太平洋軍司令官の発言と「共鳴」「共振」するように、そして同参謀総長の持論である「迅速な情報共有」も絡め、更に「垂直統合」や「自立判断ソフト」とのアイディアも加えて力説しています
F-35の連続トラブルについて
●9月16日に発覚し、15機のF-35A型機を飛行停止にする事になった冷却系統の絶縁不備問題については、製造過程にある機体も含めると計42機が同問題を抱えていると判明した
●本件に関しGoldfein大将は、国防省F-35計画室が対策を立案しており、翼を一部切り取って内部の配管の不具合箇所を交換や修復する手順の説明を受けたと語り、専門家が適切に対処してくれていると安心していると表現した
●一方で、9月23日に発生したエンジン始動時の尾部からの火災については、「現時点では根本原因に言及するのはまだ早い」との述べ、「通常我々はこの様な事案に際しては、調査チームを派遣し、全ての事象を精査し、発生事象の根っこに立ち返り、原因が判明したら全てに対策を講じるが、そのプロセスの最中にあると言うことだ」と表現するに止めた
日本用1番機のロールアウト式典当日に発生
「9月23日の火災」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
「multi-domain」と迅速な情報共有&判断を語る
●Goldfein大将は、各ドメインを司る作戦センター間で、将来の戦いの様相に追随するため、情報をより迅速に伝達する必要があると語った。
●同大将は、中央軍での空軍司令官当時を回想し、同司令官としての主任務は最適な航空アセットを作戦地域に投入する事だと信じているが、実際に大半の時間を費やしたのは、地域をまたぐ戦いで全ドメインと調整して任務を遂行するため、必要な各ドメインの能力を集めて最適化し、その指揮統制を行う事だったと語った
●同参謀総長は、当時のCAOC(連合航空作戦センター:combined air operations center)が、宇宙や救難救助や米国政府関係機関やコアリション参加国代表等が協力して任務を遂行する様子を「魔法のようだった」と表現したが、同時に将来の戦いを考えるとあまりにも業務速度が遅いと語った
●そこで同大将は、機能の垂直統合や自立判断ソフト(autonomous soft)の活用により、各ドメイン間のやりとりを迅速化する手法を提示した
●そして、各軍種は既に基礎的な「multi-domain融合」を理解しているが、今必要なのは「次のレベルへの発展である」と表現した
//////////////////////////////////////////////////////
F-35の火災は、今頃になって試験飛行の負荷強度が上がり始め、やっと本来早期に潰しておかねばならない問題が表面化してきたと捕らえるべきでしょう。
今現在、F-35の飛行試験が継続されているのか、中断されているのかも不明ですが、決して根の浅い問題ではないと思います。航空機がエンジン始動段階で火災を起こすなど、完成機ではほとんど発生しない事態だからです。
先日、曖昧な「A2AD」との用語を使用中止にする米海軍トップの話をご紹介しましたが、この「multi-domain融合」も各軍種が都合のいいように解釈し、統合の場で議論が食い違いそうな気配を感じます。
これに議会が絡み、同盟国まで巻き込むとなると想像に難くないでしょう・・・。
まぁ・・・そのうち、「multi-domain」とか「Cross-domain」とか言い始める日本人も出てくるでしょうが・・・。まんぐーすのことか?
関連の記事
「Work副長官が空軍に迫る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「ハリス司令官はCrossドメインと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「空軍トップ:ピクチャー共有」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21
日本用1番機のロールアウト式典当日に発生
「9月23日の火災」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
2014年6月のF-35エンジン火災
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
4日、米陸軍協会総会で講演したGoldfein空軍参謀総長は、ここ2週間あまりの間に発覚したF-35関連の問題やエンジン始動時の火災発生について言及し、9月23日発生の火災については未だ原因不明だと明らかにしました
また、最近耳にすることが急増している「multi-domain融合」について、Work副長官やハリス太平洋軍司令官の発言と「共鳴」「共振」するように、そして同参謀総長の持論である「迅速な情報共有」も絡め、更に「垂直統合」や「自立判断ソフト」とのアイディアも加えて力説しています
F-35の連続トラブルについて
●9月16日に発覚し、15機のF-35A型機を飛行停止にする事になった冷却系統の絶縁不備問題については、製造過程にある機体も含めると計42機が同問題を抱えていると判明した
●本件に関しGoldfein大将は、国防省F-35計画室が対策を立案しており、翼を一部切り取って内部の配管の不具合箇所を交換や修復する手順の説明を受けたと語り、専門家が適切に対処してくれていると安心していると表現した
●一方で、9月23日に発生したエンジン始動時の尾部からの火災については、「現時点では根本原因に言及するのはまだ早い」との述べ、「通常我々はこの様な事案に際しては、調査チームを派遣し、全ての事象を精査し、発生事象の根っこに立ち返り、原因が判明したら全てに対策を講じるが、そのプロセスの最中にあると言うことだ」と表現するに止めた
日本用1番機のロールアウト式典当日に発生
「9月23日の火災」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
「multi-domain」と迅速な情報共有&判断を語る
●Goldfein大将は、各ドメインを司る作戦センター間で、将来の戦いの様相に追随するため、情報をより迅速に伝達する必要があると語った。
●同大将は、中央軍での空軍司令官当時を回想し、同司令官としての主任務は最適な航空アセットを作戦地域に投入する事だと信じているが、実際に大半の時間を費やしたのは、地域をまたぐ戦いで全ドメインと調整して任務を遂行するため、必要な各ドメインの能力を集めて最適化し、その指揮統制を行う事だったと語った
●同参謀総長は、当時のCAOC(連合航空作戦センター:combined air operations center)が、宇宙や救難救助や米国政府関係機関やコアリション参加国代表等が協力して任務を遂行する様子を「魔法のようだった」と表現したが、同時に将来の戦いを考えるとあまりにも業務速度が遅いと語った
●そこで同大将は、機能の垂直統合や自立判断ソフト(autonomous soft)の活用により、各ドメイン間のやりとりを迅速化する手法を提示した
●そして、各軍種は既に基礎的な「multi-domain融合」を理解しているが、今必要なのは「次のレベルへの発展である」と表現した
//////////////////////////////////////////////////////
F-35の火災は、今頃になって試験飛行の負荷強度が上がり始め、やっと本来早期に潰しておかねばならない問題が表面化してきたと捕らえるべきでしょう。
今現在、F-35の飛行試験が継続されているのか、中断されているのかも不明ですが、決して根の浅い問題ではないと思います。航空機がエンジン始動段階で火災を起こすなど、完成機ではほとんど発生しない事態だからです。
先日、曖昧な「A2AD」との用語を使用中止にする米海軍トップの話をご紹介しましたが、この「multi-domain融合」も各軍種が都合のいいように解釈し、統合の場で議論が食い違いそうな気配を感じます。
これに議会が絡み、同盟国まで巻き込むとなると想像に難くないでしょう・・・。
まぁ・・・そのうち、「multi-domain」とか「Cross-domain」とか言い始める日本人も出てくるでしょうが・・・。まんぐーすのことか?
関連の記事
「Work副長官が空軍に迫る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
「ハリス司令官はCrossドメインと」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
「空軍トップ:ピクチャー共有」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21
日本用1番機のロールアウト式典当日に発生
「9月23日の火災」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
2014年6月のF-35エンジン火災
「火災メカニズム」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-04
「当面の対処と設計変更」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-29
「問題は軽易ではない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
コメント 0