豪空軍C-130輸送機に世界初のデータリンク [ふと考えること]

恐らく米空軍のC-130はとっくの昔からデータリンクを搭載しているのかも知れませんが、今回豪空軍が全12機のC-130に導入したデータリンク「JRE:Joint Range Extension」戦術データリンクシステムの特徴は、操縦席だけでなく、貨物室の搭乗員用にも表示装置が設けられていることです。
正確には、5つの表示装置が、機長と副操縦士、ロードマスターに2つ、予備操縦者席に配備されているそうです

また、とかく戦闘機や攻撃機にばかり注目が集まる世界の空軍に於いて、米空軍に先立ち、貨物室へのデータリンク表示装置導入を実現した豪空軍の柔軟性と積極性に拍手を送りたいと思います。
それに引き替え、戦闘機のことしか考えない我が空軍は・・・
16日付Defense-News記事によれば
●豪空軍最大の航空戦力演習「Pitch Black」に於いて、新たにC-130に装備された「JRE TDL system」の作戦運用試験と評価が始まった。最初に同データリンク装備を使用しての試験が開始されたのは、演習開始から2週間が経過した8日の週の後半からである
●演習で豪空軍C-130は、北部豪州の内陸演習場で低高度飛行の戦術任務を行い、豪軍と米軍特殊部隊の作戦を支援した。

●また同大尉は「これまで我々は、無線と通じて音声で複雑な戦場環境の情報を入手し、頭の中で具体的イメージを組み立てていたが、本装備の導入で状況が一目で分かる」と喜びを語った
●12機の豪空軍C-130への同データリンク装備搭載は、定期的な整備作業期間を利用し、同国でC-130整備を担当している「Airbus Group Australia Pacific」によって行われた
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2016年のPitch Black演習概要
●7月29日から8月19日まで。航空機115機と人員約2500名が参加
●参加国空軍は、豪州と米国の他、カナダ、インドネシア、フランス、ドイツ、オランダ、NZ、シンガポール、タイ
●豪空軍Darwin基地を豪州、フランス、インドネシア、シンガポール、タイ空軍が利用し、Tindal基地を豪州とカナダと米国が利用する
日本の空軍では、この様な装備が日の目を見ることはないでしょう
南西諸島から日本列島の基地が有事被害を受けることは明白で、被害普及や戦力再配分に輸送力が重要であることは明々白々なのに、戦闘機以外の戦力については、外圧による装備購入検討の他は、ほとんどまともな議論がなされていません

豪州との防衛交流や日米豪の関係強化に努力するなら、豪軍や豪空軍内の健全な組織風土をまず学んでは如何でしょうか???
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