オバマの「核先制不使用」宣言準備に懸念 [安全保障全般]
オバマが「核兵器の先制不使用宣言」を検討？
3日付Defense-Newsが、オバマ大統領が来年1月の退任までに「核兵器の先制不使用：no-first-use policy」宣言を行う準備を進めているとの記事を掲載し、James空軍長官らの反対姿勢を紹介しています
オバマ大統領が米大統領として初めて広島を訪問し、被爆地広島への思いと現実を踏まえた上で核兵器廃絶への決意を語り、被爆者と会話し、原爆資料館に「折り鶴」を残す心遣いに、大いに心打たれたまんぐーすですが、「no-first-use policy」宣言の噂には、「立つ鳥跡を濁すなよ！」の思いがよぎります
James空軍長官は、「今後数ヶ月の内にオバマ大統領の考え方を聞くことになるだろう」と表現していますが、「トランプ騒動」で落ち着いた議論が難しい状態のアメリカで、今後どのような形でこの話が進むのかとても気になります
高尚な核抑止理論は語れませんが、もしオバマ大統領が「no-first-use policy」宣言することで、中国やロシアに、また北朝鮮やNon-State-Actorの核使用の敷居を高める狙いを持っているなら、今の時代にどうだかなぁ・・・と思います
特に米国の国力や影響力低下が見られる中、米国の「前のめり」が功を奏するとは考えにくいのですが・・・
3日付Defense-Newsによれば
●3日、Defense-NewsとのインタビューでJames空軍長官は、米国防省として推進しようとしている核兵器の近代化施策、「LRSO：Long Range Standoff」核巡航ミサイルと「GBSD：Ground Based Strategic Deterrent」ミニットマンⅢ-ICBMの後継検討を、懸念を示す議員に説明して予算確保に努力していると語った
●そんな中、先月からオバマ大統領が「核兵器の先制不使用宣言」を検討しているとの報道が広がっている。これは、オバマ大統領が退任前に、米国が核兵器を先制使用しないと約束する宣言である
●予期されるように、核兵器の不拡散を推進する勢力はこのアイディアを強く支持し、民主党の議員団もオバマ大統領に同宣言を促すレターを送ったようだ
●一方で、最近のロシアの核兵器近代化などの状況から、核抑止は依然として米国安全保障政策の鍵だと考える人々は、この動きに懸念を表明している
●本件に関してJames空軍長官は、「個人的には、疑問を持っている。懸念することになろう」と質問に対しインタビューで答えた。そして、「今後数ヶ月の間に、オバマ大統領の考え方をより詳しく聞くことになるだろう」と述べるに止めた
●また、クリントン政権時の国防長官（1997-2001）であったWilliam Cohen氏は、「核兵器の先制不使用宣言」は支持せず、米国核兵器の削減と高く兵器保有国とのより緊密な協力を訴えた
●国防省が進めたい核兵器の近代化に関しては、核搭載巡航ミサイルLRSOへの疑問が議会で強い。議会には同ミサイル計画を中止し、他の更新が必要な兵器予算に振り向けるべきだとの意見が大きい
●一方米空軍は、次期爆撃機であるステルス性のあるB-21は問題ないが、A2AD環境が厳しくなる中で、LRSOがなければB-52爆撃機が2020年代大半ば以降に核任務を果たせなくなると懸念している
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勉強不足で判りませんが、「no-first-use policy」宣言にどんな意味があるというのでしょうか？
「レガシーを残したい」とか、「歴史に名を残したい」とか、そんなことで有れば勘弁して欲しいと思います
なんだかんだ言っても、これだけ兵器技術が拡散し、世界各国が好き勝手に動き始めている「不透明・不確実」＆「不安定・不安一杯」の時代に、思い出作りは止めて欲しいものです
核兵器関連の記事
「欧州は戦術核兵器を要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「米軍：高価な移動式ICBMは想定外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「別枠予算を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-27
「空軍No2に核兵器の専門家を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17-1
「下院軍事委員長の本年重点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
3日付Defense-Newsが、オバマ大統領が来年1月の退任までに「核兵器の先制不使用：no-first-use policy」宣言を行う準備を進めているとの記事を掲載し、James空軍長官らの反対姿勢を紹介していますオバマ大統領が米大統領として初めて広島を訪問し、被爆地広島への思いと現実を踏まえた上で核兵器廃絶への決意を語り、被爆者と会話し、原爆資料館に「折り鶴」を残す心遣いに、大いに心打たれたまんぐーすですが、「no-first-use policy」宣言の噂には、「立つ鳥跡を濁すなよ！」の思いがよぎります
James空軍長官は、「今後数ヶ月の内にオバマ大統領の考え方を聞くことになるだろう」と表現していますが、「トランプ騒動」で落ち着いた議論が難しい状態のアメリカで、今後どのような形でこの話が進むのかとても気になります
高尚な核抑止理論は語れませんが、もしオバマ大統領が「no-first-use policy」宣言することで、中国やロシアに、また北朝鮮やNon-State-Actorの核使用の敷居を高める狙いを持っているなら、今の時代にどうだかなぁ・・・と思います
特に米国の国力や影響力低下が見られる中、米国の「前のめり」が功を奏するとは考えにくいのですが・・・
3日付Defense-Newsによれば
●3日、Defense-NewsとのインタビューでJames空軍長官は、米国防省として推進しようとしている核兵器の近代化施策、「LRSO：Long Range Standoff」核巡航ミサイルと「GBSD：Ground Based Strategic Deterrent」ミニットマンⅢ-ICBMの後継検討を、懸念を示す議員に説明して予算確保に努力していると語った
●そんな中、先月からオバマ大統領が「核兵器の先制不使用宣言」を検討しているとの報道が広がっている。これは、オバマ大統領が退任前に、米国が核兵器を先制使用しないと約束する宣言である
●予期されるように、核兵器の不拡散を推進する勢力はこのアイディアを強く支持し、民主党の議員団もオバマ大統領に同宣言を促すレターを送ったようだ●一方で、最近のロシアの核兵器近代化などの状況から、核抑止は依然として米国安全保障政策の鍵だと考える人々は、この動きに懸念を表明している
●本件に関してJames空軍長官は、「個人的には、疑問を持っている。懸念することになろう」と質問に対しインタビューで答えた。そして、「今後数ヶ月の間に、オバマ大統領の考え方をより詳しく聞くことになるだろう」と述べるに止めた
●また、クリントン政権時の国防長官（1997-2001）であったWilliam Cohen氏は、「核兵器の先制不使用宣言」は支持せず、米国核兵器の削減と高く兵器保有国とのより緊密な協力を訴えた
●国防省が進めたい核兵器の近代化に関しては、核搭載巡航ミサイルLRSOへの疑問が議会で強い。議会には同ミサイル計画を中止し、他の更新が必要な兵器予算に振り向けるべきだとの意見が大きい
●一方米空軍は、次期爆撃機であるステルス性のあるB-21は問題ないが、A2AD環境が厳しくなる中で、LRSOがなければB-52爆撃機が2020年代大半ば以降に核任務を果たせなくなると懸念している
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勉強不足で判りませんが、「no-first-use policy」宣言にどんな意味があるというのでしょうか？「レガシーを残したい」とか、「歴史に名を残したい」とか、そんなことで有れば勘弁して欲しいと思います
なんだかんだ言っても、これだけ兵器技術が拡散し、世界各国が好き勝手に動き始めている「不透明・不確実」＆「不安定・不安一杯」の時代に、思い出作りは止めて欲しいものです
核兵器関連の記事
「欧州は戦術核兵器を要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-22
「米軍：高価な移動式ICBMは想定外」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
「別枠予算を要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-27
「空軍No2に核兵器の専門家を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17-1
「下院軍事委員長の本年重点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-14
「露がINF全廃条約に違反」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27
2016-08-08 05:00
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