欧州はF-35戦術核搭載型を強く要望 [米空軍]
欧州各国は戦術核の継続配備を切望か!?
7月21日、米空軍の戦略抑止＆核兵器部長のWeinstein中将が米空軍協会朝食会で講演し、F-35戦術核搭載型への欧州諸国の期待、及び戦略核3本柱を維持するための予算について語りました。
欧州への米軍戦術核配備は冷戦時代から続いており、現在でも自国保有の英国（ハリアー戦闘機に搭載可能）以外に、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリー、トルコに150から250の核兵器を有するとNYT紙が2010年に報道しています
またトルコを除く上記4カ国の戦闘爆撃機（F-16か？）が、米国のB61戦術核爆弾を搭載可能と言われています。
しかし2010年当時は、冷戦後の緊張緩和ムードから、トルコや旧ソ連圏諸国は撤去に消極的でしたが、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、ノルウェーはNATOの場で戦術核撤去を議題にするように求めていました。
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか？」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
一方、戦術核兵器が搭載可能なアセットはF-15EとF-16ですが、老朽化が進む中、F-35に約300億円をかけて戦術核搭載用に追加改修を行う必要か議論されてきました。
現時点では、これまた老朽化が進む戦術核爆弾B61の近代化改修を待って本格的な機体適合試験などを行う方向で、2015年9月にBogdan計画室長は、2020年代半ばまで戦術核搭載型F-35は待つ必要があると語っていました
Weinstein中将はF-35と戦術核について
●数ヶ月前に欧州を訪れたが、NATO諸国はかつてと同様に、通常型と戦術核搭載型の両方を保有するとのコミットメントを維持している事を確認した
●4月に国防省F-35計画室長のBogdan中将は議会で、近代化改修後の戦術核爆弾「B61 Mod 12」との（模擬弾を使用した）搭載確認を開始すると証言している。
●なお、改修後の最初の「B61 Mod 12」戦術核爆弾は、弾頭を改修し、精密誘導用の尾部キットも装着して2020年までに提供される計画である
●（聴衆からのステルス機に戦術核兵器を搭載することによる変化を問われ、）核兵器の使用は、戦術核であれ戦略核であれ、米国大統領が決定するものであり、その点で何ら変化は無い。
●従って搭載航空機がステルス機に変化しようと、F-15EやF-16であろうと、その運用思想に変化は無い。ただし、F-35の方がより強い抑止力を発揮してくれるだろうと考える
各種核兵器の維持更新予算をどう考える
●現時点での見積もりでは、2020年代半ばには、米軍が保有する核兵器の近代化＆維持予算が、国防省予算の7％を占めることになるが、この数値は歴史的に見ても理不尽な数値ではない
●60年代には国防省予算の2割を占め、80年代にも10％に達していた。核兵器の近代化予算の総計は、ライフサイクルコストも含めて100兆円以上を見込んでいる
●米政府による現在の予算要求は当面の近代化経費をカバーしているが、2020年代に訪れる必要経費増の波に備え、今後増額が必要である
////////////////////////////////////////////////////
ロシアの活発化や横暴な態度を受け、2010年当時から欧州諸国の戦術核に対する見方も変化したのかも知れません。
今すぐ戦術核搭載可能なF-16が引退するタイミングではありませんが、5年から10年の間に、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリアでは、戦術核搭載アセットをどうするか？ F-16の後継機にF-35搭載可能型を導入するのかが議論されるのでしょう。
その頃までには、英国のEU離脱の影響も明確になり、欧州やNATO諸国の関係も変化し始めているかも知れませんが・・・
戦術核兵器B61-12 の延命計画が最終審査へ
（ICBM後継とLRSOへのRFPが7月29日発出）
→http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2016/08/01/new-us-nuclear-warhead-b61-nnsa-production-engineering/87922672/
F-35と戦術核兵器関連
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか？」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
7月21日、米空軍の戦略抑止＆核兵器部長のWeinstein中将が米空軍協会朝食会で講演し、F-35戦術核搭載型への欧州諸国の期待、及び戦略核3本柱を維持するための予算について語りました。欧州への米軍戦術核配備は冷戦時代から続いており、現在でも自国保有の英国（ハリアー戦闘機に搭載可能）以外に、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリー、トルコに150から250の核兵器を有するとNYT紙が2010年に報道しています
またトルコを除く上記4カ国の戦闘爆撃機（F-16か？）が、米国のB61戦術核爆弾を搭載可能と言われています。
しかし2010年当時は、冷戦後の緊張緩和ムードから、トルコや旧ソ連圏諸国は撤去に消極的でしたが、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、ノルウェーはNATOの場で戦術核撤去を議題にするように求めていました。
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか？」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
一方、戦術核兵器が搭載可能なアセットはF-15EとF-16ですが、老朽化が進む中、F-35に約300億円をかけて戦術核搭載用に追加改修を行う必要か議論されてきました。
現時点では、これまた老朽化が進む戦術核爆弾B61の近代化改修を待って本格的な機体適合試験などを行う方向で、2015年9月にBogdan計画室長は、2020年代半ばまで戦術核搭載型F-35は待つ必要があると語っていました
Weinstein中将はF-35と戦術核について
●数ヶ月前に欧州を訪れたが、NATO諸国はかつてと同様に、通常型と戦術核搭載型の両方を保有するとのコミットメントを維持している事を確認した●4月に国防省F-35計画室長のBogdan中将は議会で、近代化改修後の戦術核爆弾「B61 Mod 12」との（模擬弾を使用した）搭載確認を開始すると証言している。
●なお、改修後の最初の「B61 Mod 12」戦術核爆弾は、弾頭を改修し、精密誘導用の尾部キットも装着して2020年までに提供される計画である
●（聴衆からのステルス機に戦術核兵器を搭載することによる変化を問われ、）核兵器の使用は、戦術核であれ戦略核であれ、米国大統領が決定するものであり、その点で何ら変化は無い。
●従って搭載航空機がステルス機に変化しようと、F-15EやF-16であろうと、その運用思想に変化は無い。ただし、F-35の方がより強い抑止力を発揮してくれるだろうと考える
各種核兵器の維持更新予算をどう考える
●現時点での見積もりでは、2020年代半ばには、米軍が保有する核兵器の近代化＆維持予算が、国防省予算の7％を占めることになるが、この数値は歴史的に見ても理不尽な数値ではない●60年代には国防省予算の2割を占め、80年代にも10％に達していた。核兵器の近代化予算の総計は、ライフサイクルコストも含めて100兆円以上を見込んでいる
●米政府による現在の予算要求は当面の近代化経費をカバーしているが、2020年代に訪れる必要経費増の波に備え、今後増額が必要である
////////////////////////////////////////////////////
ロシアの活発化や横暴な態度を受け、2010年当時から欧州諸国の戦術核に対する見方も変化したのかも知れません。
今すぐ戦術核搭載可能なF-16が引退するタイミングではありませんが、5年から10年の間に、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリアでは、戦術核搭載アセットをどうするか？ F-16の後継機にF-35搭載可能型を導入するのかが議論されるのでしょう。その頃までには、英国のEU離脱の影響も明確になり、欧州やNATO諸国の関係も変化し始めているかも知れませんが・・・
戦術核兵器B61-12 の延命計画が最終審査へ
（ICBM後継とLRSOへのRFPが7月29日発出）
→http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/strike/2016/08/01/new-us-nuclear-warhead-b61-nnsa-production-engineering/87922672/
F-35と戦術核兵器関連
「F-35核搭載は2020年代半ば」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23-1
「F-35は戦術核を搭載するか？」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
コメント 0