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民間宇宙企業の視点も交え宇宙演習 [サイバーと宇宙]

JFCC-Space3.jpg3日付米空軍web記事が、4月23日から28日の間に行われた米戦略コマンドによる宇宙演習「GLOBAL LIGHTNING 2016」を紹介し、特に衛星運用を行う民間企業の関係者が参加したことで、提示された状況の診断や対処がより実戦的に行えたとの関係者コメントを紹介しています

事柄の性格上、演習シナリオの細部は公開されていませんが、今や宇宙を考える場合、諸外国や民間事業者の協力がないと事象の正確な把握が難しくなっている事を象徴する演習といえましょう。

3日付米空軍web記事によれば
●4月28日、米戦略コマンド隷下のJFCC-Space(Joint Functional Component Command for Space)が、宇宙演習「GLOBAL LIGHTNING 2016」を終了した
●同演習は毎年実施されており、米国防省の関連部隊や機関を宇宙シナリオで訓練し、統合での対処能力を確認し、米戦略軍任務エリアへの攻撃対処能力を鍛え確認するものである

JFCC-Space.jpg●演習は1年以上掛けて準備され、多様な脅威やシナリオを織り込んでおり、米軍戦略部隊の強靱性や生存性や重複補完性を検証し、緊急事態時にも地域戦闘コマンドに必要な能力提供が可能なことを確認する

●戦略コマンド司令官のCecil D. Haney海軍大将は、「変化し続ける脅威に直面する我々が、サイバーであれ宇宙であれ核兵器であれ、多様な脅威に対処できることを確認する大規模演習である」と表現している
●JFCC司令官のDavid Buck中将は、「国家宇宙戦略に沿って、攻撃や妨害を抑止し、米国や同盟国アセットの防御に貢献する。必要なら我々の宇宙へのアクセスを拒否、妨害、低下させる敵の試みを粉砕する」と表現している

●今回の演習のハイライトは、CIC(Commercial Integration Cell)の役割増加である。CICは、6つの協力覚書に基づき、民間宇宙アセット運用企業の連絡員で構成される部署で、空軍研究所(AFRL)がサポートしつつ統合宇宙作戦センターでの活動を期待する組織である
インテルサット社から参加した連絡員も、CICが終始演習に参加することにより、宇宙軌道上で発生する不規則事象に関する診断、見極め、対処が迅速化し、米国宇宙アセットの抗たん性を増すことが出来ると語っている

JFCC-Space2.jpg●JFCC司令官も、CICが企業目線での貴重な貢献をしてくれており、全体運用の効率性や強靱性を増強してくれていると評価している
●同司令官は、演習に関与した4軍の兵士、国防省職員、関連企業関係者が、我が国や軍による宇宙へのアクセスを確かなものにしてくれるだろうと演習を評価した
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CICという組織が編成され、役割を増しているとご理解下さい。また統合(連合)宇宙作戦センター(Joint Space Operations Center)で活動していることを覚えて置いてください。

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