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KC-46の給油Boomに問題発生 [米空軍]

KC-46 Boom.jpg1日付Defense-News記事は、最近実施された米空軍と航空自衛隊の次期空中給油機であるKC-46Aの給油試験で、給油用Boomに想定以上の「軸への負荷:axial loads」が発生して給油が十分出来なかったと報じ、米空軍とボーイング社が対策を検討中だが、2017年8月期限の初度納入18機に影響を与える可能性を示唆しています

KC-46は2つの給油方式、「Boom方式」と「hose-and-drogue方式」の両方式を同一飛行内で実施可能な空中給油機で、多様な機首への空中給油が可能な特徴を持っています。
海軍や海兵隊のFA-18には「hose-and-drogue方式」で給油試験に成功しており、「Boom方式」でもF-16への給油試験には問題がありませんでした

しかし今回は、大型のC-17輸送機に対する「Boom方式」給油で問題が発覚しています。想定以上の「軸への負荷:axial loads」がどの程度の深刻さなのか不明です
が、自衛隊への導入が決定している機首なのでフォローします

1日付Defense-News記事によれば
KC-46 Boom2.jpg●1日、米空軍報道官のDaryl Mayer氏は、最近実施したC-17への給油試験で、Boomに想定以上の「軸への負荷:axial loads」により空中給油が妨げられたと語った
●Boomは、燃料をKC-46から給油相手の航空機に送る堅い管で、給油機の機内から操作して相手機の受け口に伸ばして差し込む望遠鏡のようなチューブであり、大部分の米空軍機への給油に使用する装置である

●同報道官は、ボーイング社は問題の所在を良く理解しており、対策を検討中だと述べた。しかし同時に、現時点ではどのようなスケジュールで対処が進み、5月に予定されている新空中給油機の製造正式決定「Milestone C」に影響があるかは不明だとも述べた
●更に報道官は「現時点でスケジュールの延期は予期していない」とも表現した

KC-46 Boom3.jpgボーイング社の報道官は対策に必要な経費については言及を避け、「全力で問題に対処している」、「Boomの反応を改善するため、システム変更対策を評価している」と述べた
●また「数週間の内には、問題の影響についてより詳しく把握できるだろう。今後も継続して飛行試験や機体生産を安定的に進めていく。米空軍との契約履行に向け、着実に前進していると信じている」と語った
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米空軍は全部でKC-46Aを179機導入する計画です。

先日は、既に生じた問題の対処や今後の製造計画の困難性から、2017年8月に初度納入18機の契約履行は困難だろうとの経済メディア情報をご紹介しました。

KC-46 Boom4.jpgその時点でも予備や余裕時間が全くない状態だとの関係者の発言をご紹介しましたが、Boom問題でいよいよ難しくなり、既に1800億円の追加経費を自己負担しているボーイングにとって、更に厳しい局面になりそうです

問題に関する細部説明がありませんが、BoomをC-17のような大型機に接続すると予想以上の「ねじれ」や「曲がり」圧力がかかり、給油に支障が出たり、Boomの延伸や収縮が難しくなるのでは・・・と想像しました。

KC-46A関連の記事
「KC-46は更に遅延?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-27
「初の給油試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26-1
「初飛行試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18

「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21
「韓国はA330に決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-01

タグ:BOOM KC-46A Boeing
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