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米空軍幹部:次世代戦闘機は海空軍別々で [米空軍]

F-22hardturn.jpg12日米空軍の計画部長が、昨年米海軍と共同で検討を開始した2030年代以降を想定した第6世代戦闘機について、海空軍間で求めるものが異なることから、F-35のように共通な機体にはならないだろうと記者団に語りました

第6世代戦闘機は、海軍にとってはFA-18、空軍にとってはF-22の後継となる戦闘機で、海軍が少し先行して選択肢検討分析(AOA:analysis of alternatives)を進めている状況にあります

12日付Defense-News記事によれば
Holmes 6th Gen.jpg●12日、米空軍司令部の計画部長James Holmes中将は記者団に対し、国防省の第6世代戦闘機はF-35の様な共通の機体ではなくなるだろうと語った
●同中将は「統合作戦にどのような能力を海空軍がそれぞれが提供するかを考えると、海軍と空軍がそれぞれ異なる要求を持つことになるだろう」、「海空軍は共通の技術を使用し、共通の部品を使用することもあろうが、同じ航空機では出来ない十分に異なる任務を担うことになるだろう」と語った

昨年、海軍と空軍は2030年代以降の航空優勢を確保するため、共同で選択肢検討分析(AOA)を開始した。海軍がAOAでは先行し、空軍は結論を急がない決定を行っているが、両軍は引き続き緊密に協力しているとHolmes中将は強調した

●同中将は「より広範な情報を収集するため、1年間意見交換を行ってきた」と述べ、AOAを急ぐ変わりに第6世代戦闘機の可能性を検討するCCT(Capability Collaboration Team)を立ち上げ、軍需産業、他軍種、科学者、政府系研究機関等と共に、オプションを2つに絞り込んでいる
●CCTは今年の春に、空軍首脳部に検討状況を報告する予定となっている

Holmes 6th Gen3.jpg●Holmes中将は「複数ドメインで活動する米空軍は、複数ドメインで課題解決を目指すアプローチを取っている」、「潜在的脅威に対して空対空優位を確実にするため、宇宙、サイバー、空中能力で何が求められるかを、オープンな姿勢で吟味している」と説明した
●更に計画部長は、2017年度予算案の様々な部分に技術検証や実験予算が組み込まれており、第6世代機開発のリスク低減を図っているとも語った

●次世代制空に関する検討予算は、第6世代戦闘機だけに使用するものではないが、2017年度に約25億円、18年度と19年度に16億円が計画されている。また「革新と検証実験」の予算項目にも、2017年度から19年度にかけて、約90億円を要求しており、次世代戦闘機の検討に使用可能である。
●Holmes中将は「短期間で、技術検証や実験が予定されており、family of systemsで考える(制空)能力開発のリスク低減に結びつける」と語った
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SinSin.jpg最近、日本が開発した戦闘機「心神」の初飛行が間もなくだと話題ですが、「心神」が実証しようとしている技術が、米軍内で行われている議論とは全く次元が異なる、ピントが外れたものに見えるのは私だけでしょうか・・・。

以前、「20年前を目指す航空自衛隊」との記事で、湾岸戦争当時の戦いを夢見る日本の「戦闘機命派」を嘆きましたが現時点では「25年前を目指す・・」になってしまいました。

上の記事には、海軍と空軍の「なわばり争い」とか「F-35後遺症」とか色々突っ込みどころが満載で、「ご飯3杯」くらい食べられそうですが、それでもまだ米軍は前進方向にあるので救われるのですが・・・

日本の戦闘機にまつわる悲劇2つ
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16

次期(第6世代)戦闘機を考える記事
「NG社が次世代戦闘機の論点を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「kill chain全体で考えよ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-27
「Air Dominance 2030検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-09

「海空共同で次期戦闘機検討へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-30
「将来制空機は大型機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「海長官:F-35は最後の有人戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-17

「空軍参謀総長当面有人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-23
「女性将軍が次世代制空を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23

「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22

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コメント 1

名無しA

正式名称X-2(ATD-X,心神)は「日本でステルス機が作れるのか?」
「ステルス性と機動性を両立した設計ができるのか?」
「設計理論は正しいのか?実際との誤差はどれくらいか?」
を検証するためのものです
米空軍の検討は日本で言えばi3Fighterコンセプトのそれで、
X-2(心神)との比較は不適切です

極論すればX-2(心神)は「アメリカが今まで作ってたような機体を日本も作れること」
を確認するための飛行機なので、それだけ比較しても古臭くなります
次世代に向けた研究は同時並行で別途実施中なので、そちらで比べないと空自が可哀想です
by 名無しA (2016-02-16 09:08) 

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