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F-35ソフトとALISは「赤信号」 [亡国のF-35]

F-35 3-type.jpg10日、米国防省F-35計画室長Bogdan中将が記者団をオフィスに招いて懇談し、2017年度予算案発表や国防省試験評価部長のF-35レポート発表を受け、F-35開発の現状について語りました。

今後5年間の米空軍調達機数が削減されることの価格への影響について「1%以内」と語る一方で、ソフト開発と兵站情報システムALISの開発が遅れており、本年8月1日の米空軍初期運用体制確立に関して「赤信号」だが、12月の最終期限については「青信号」だと語りました

いろいろと報道されている件について、きちんと逃げずに説明する姿勢には本当に敬意を表しますし、不具合項目数「419」を公表して正面から立ち向かうBogdan中将の姿勢が、諸外国を含めたF-35購入を支えていると思うのですが、F-35ソフトとALIS問題は未だ深刻な状況です

11日付米空軍協会web記事によれば
Bogdan3.jpg●Bogdan中将は記者団に対し、米空軍が予定している8月1日のIOCは未だ可能だと考えているが、5月になればそれか可能かはっきりすると語った
●国防省試験評価部長のF-35レポートが、今夏の米空軍IOCは厳しいと指摘している点に関し、F-35ソフトとALISは「赤信号」だが、他に指摘されている問題を含め、米空軍IOCに向け確認を要する14項目のうち12項目は「青信号だ」と語った

●同計画室長は更に、米空軍はIOCが予定通りに達成できないと公式に私に言っていないので、8月1日に向けて努力を続けると述べた
米空軍F-35がIOC時点で使用するソフト「3I」の主要問題はその安定性であり、センサー情報融合ソフトの意図しない再起動リセットが発生することであると語った
ソフト「3I」のバージョンアップ版が必要であり、完成版ソフト「3F」の制作や試験への資源投入を犠牲にして、前提となるソフト「3I」への資源投資が重点になることになり喜んでいる

ALIS自動兵站情報システムの問題
(Autonomic Logistics Information System)
Bogdan6.jpg●同中将は「ALISが最初に可動試験を開始した当時の問題の多くが未解決であり、多くの力を投入して対処に当たっている」と述べた。
●同問題対処にため、ALISソフトバージョン2.02を準備しており、更にバージョン3.0を1年半から2年後に投入する計画である

●国防省試験評価部長のF-35レポートはALISに関し、「引き続き、要求性能を満たさず、完成期限を満たしていない状況で、複雑に絡み合った問題解決に多くの人員と時間が必要な状況」、「サイバー対処分野はほとんど手付かずである」と厳しく指摘している

ソフト「3I」の安定性
BogdanF-35-2.jpg各種センサーの情報をタイミング良くmain computersに取り込むソフトに問題があり、システムが予期しない強制再起動を起こす事態が発生している
●現時点では、ソフト「3I」と「3F」の両方で、飛行時間4時間につき1回はソフト強制再起動が発生しており、これを8~9時間に1回の発生頻度まで抑えたい。目標頻度は現有航空機の同程度の頻度である

Reprogramming準備&実施施設の不足
●膨大なソフトを制作し、管理し、諸外国や各軍種の要望を受けてソフト改善を行うのが「reprogramming laboratories」だが、現在は1カ所(US reprogramming lab)だけしか稼働しておらず、膨大な業務に忙殺されている
●同ラボが作成する「mission data files:MDF」によって、レーダーやセンサーが捕らえた目標を「Mig-31」だと判別し、操縦者にクリアな状況を提供するのだ

更に調達機数に関しては
今後5年間で(米空軍は45機調達機数を削減するが、)米軍と海外需要全体では20機削減となる。当初計画893機から873機への削減である
米軍内の需要は、今後5年間で当初計画436機から404機へ減少する

●ただし、昨年秋誕生した新カナダ政権がF-35購入計画(65機)の撤回を宣言しているが、この機数削減はカウントしていない機数見積もりである
●F-35計画室長は、20機の調達削減による価格への影響は1%以下であろうと語った
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F-35A Eglin.jpg最近、米軍事メディアでF-35計画に言及し、「Death Spiral」との言葉が使われるようになってきました

F-35の「Death Spiral」とは、米軍調達機数削減→単価上昇→世界的な調達機数減少→単価高騰→F-35計画崩壊→その後まんぐーす的には・・・西側の戦闘機操縦者が発狂&混乱&使命感崩壊→世界の空軍操縦者が国防を放棄し、民間航空会社へ逃避→世界の空軍が苦労しながらもあるべき方向に再生・・・あれ・・良いことなんでしょうか???

米国防省F-35計画室長Bogdan中将ファンクラブ、自称会員番号「1番」のまんぐーすでした・・・。

「F-35の主要な問題や課題」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
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おまけの愚痴です・・・

でも、本に「亡国のF-35」購入ペースを上げろとか、購入機数を増やせとか、色々な理不尽な要求が来る可能性は十分にあります。
そして、日本の戦闘機命派が外圧利用を図ると、日本の国防は「失敗の本質」が描いた「いつか来た道」を再び歩むことになりかねません・・・

本当に今の自衛隊を描写したような分析です!
記事:書籍「失敗の本質」から今こそ学べ! より抜粋
http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31

同書が指摘した旧日本軍の「失敗の本質」とは
●旧日本軍は、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、学習棄却(知識を捨てての学び直し)による自己革新と軍事的合理性の追求が出来なかった
●戦略志向は短期決戦型で、戦略オプションは狭くかつ統合性が欠如し、戦略策定の方法論は科学的合理主義というよりも独特の主観的微修正の繰り返しで、雰囲気で決定した作戦には柔軟性はなく、敵の出方等による修正無しだった

●本来合理的であるはずの官僚主義に、人的ネットワークを基盤とする集団主義が混在。システムよりも属人的統合が支配的。人情を基本とした独自の官僚主義を昇華
●資源としての技術体系は一点豪華主義で全体のバランス欠如
学習が、既存の枠組み内でのみ強化され、かつ固定的

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