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米空軍が次年度F-35要求機数を削減へ [亡国のF-35]

F-35 Gilmore.jpg3日付Defense-News記事は、予算関係筋からの情報として、2017年度のF-35予算要求において米空軍は、当初計画の48機から5機削減して43機に下方修正すると報じています。
同記事は削減理由を、F-35全体の調達機数見直しとは関連付けず、予算枠から致し方ない選択だと表現し、一方で次期爆撃機LRS-Bや空中給油機KC-46Aは計画通りの要求になっていると説明しています

同じ記事は、米海軍がF-35C購入機数を10機増加させ、海兵隊もF-35Bを3機増加させるとも報じており、一方で先日ご紹介したようにUCLASS構想をCBARSとの空中給油機に格下げするとも報道があるところ、米軍全体としてF-35計画を守りつつ、やりくりを画策する様子とも見ることが出来ましょう

2日のカーター長官による予算案アピール講演では、プラス面が強調され、マイナス面に言及がありませんでしたが、このような形で9日の提出までいろいろ「漏れ聞こえて」来るのでしょう

3日付Defense-News記事によれば
F-35 Sun-Set.jpg関係筋はDefense-Newsに対し、純粋に予算枠の制約から生じた致し方ない削減だと語った。そして米空軍の総調達予定機数1763機に関しては、何も語らなかった
●なお米空軍の当初のF-35購入計画では、2016年度に44機、2017年度に48機、そして2018年度には60機に増加させることになっていたところである

この5機削減は決してサプライズではない。例えば昨年12月、ケンドール調達担当国防次官は2017年度に装備近代化を聖域なく削減見直する可能性に言及し、「すべてを守ることは難しい。(F-35は)戦闘能力を強化してくれるが、他にもやるべきことは多くある」と語っていた

●1月にCSBAのTodd Harrision上席研究員は、米空軍では機種更新計画が目白押しで、F-35やLRS-BやKC-46A等が計画通りなら2023年度には2015年度から関連調達予算を73%増加させる必要があると(実行可能性が無い)現計画を表現している
●AEIのMackenzie Eaglen女史(美人です!)はF-35が米空軍予算における「収まりきらない巨像」と表現し、議会調査局のGertler氏は年間調達機数を60機から48機にすることで毎年約1200億円を事業に分配可能と主張していた
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F-35canada.jpg他の報道では、「米海軍がF-35C購入機数を10機増加させ、海兵隊もF-35Bを3機増加」は、2017年度単年ではなく、今後5年間の計画(FYDP:Future Years Defense Program)に含まれる追加機数だと紹介されています。

いずれにしても、米軍のF-35需要やりくりが厳しいとなれば、海外需要に大きな期待がかかります。そんな「外圧」と、日本国内の「戦闘機命派」が「暗黙の結束」を図れば、日本の国防投資は歪んだまま、無責任なまま暴走します。F-35決定時点ですでに暴走を始めていますが・・・


特に、F-35組立てや先進技術実証機「心神」を受け負う三菱重工の顧問(航空自衛隊OB)の動きには、注意が必要でしょう
軍事の専門家のような振る舞いで、一般国民に解説するような形をとりつつ、米国を中心とした国際軍事情勢に「触れているようで実態は全く触れていない」純粋無垢&無知蒙昧な自衛官やOBまで誤解させてしまうような主張です

例えば、RANDの「尖閣シナリオ」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45849」に対する発信
(注:まんぐーすはRAND研究が提示したシナリオが正しいとは言いませんが、これを批評する形を執りながら、戦闘機命思想を巧みなサブリミナル効果のように読者に刷り込む手法が気に入らないのです)

具体的には
JASDF60.jpg中国マネーの米シンクタンクへの流入をちらつかせ、日米分断を図る研究だと「尖閣シナリオ」を警戒する姿勢を表面で装いながら、RAND研究シナリオの重箱の隅をつつき、
●弾道ミサイルや巡航ミサイル脅威を過小評価し、「ハイエンド紛争」の可能性を第1次世界大戦前夜のように否定し、さも中国内の意思決定機構が正常に機能する冷静沈着なものだとして事態エスカレーションを否定し、

●日本政府の防衛努力を訴える締めで「自衛隊内とOB右派」の受けを狙い、旧態然とした「航空優勢」などを持ち出し、日本における戦闘機システムの脆弱性には触れず、日本の民間空港も含めて60か所も飛行場が利用可能だとの白昼夢を前提におき、
平時からクレーゾーンの対領空侵犯措置だけで過去60年間のように「内弁慶」で生き残りたい戦闘機命派の願望をオブラートで包み、「戦闘機だけに投資」を正当化する意図が透けて見えるような戦闘機製造企業・三菱重工顧問のJBpressエッセイには注意したいものです

日本の戦闘機にまつわる悲劇と次世代思考
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「NG社6世代機の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17 
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