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下院軍事委員長が今年の重点を語る [安全保障全般]

Thornberry4.jpg13日、共和党のMac Thornberry下院軍事委員長が「National Press Club」で講演し、2016年に取り組む重点事項について所信を語り、具体的には「Third Offset strategy」「サイバー」「核抑止」「特殊作戦能力」「調達改革」に触れた模様です。

また昨年11月に「2年間の妥協」が図られた予算について、妥協後に「パリでのISテロ」があり対IS作戦を強化したことから、枠内に収めるため装備品の購入や開発経費を抑制する必要があるとも語っています

特に目新しい事項があるわけではありませんが、これまで細切れにご紹介してきた国防省や米国防に関する今の課題を、俯瞰する良い機会ですので13日付Defense-News記事から取り上げます

Third Offset strategyについて
●下院軍事委員会は昨年、他のどの課題よりも多くの時間を、失われつつある軍事技術優位を維持するための方策議論に充ててきた
●他国が米国に立ち向かう意欲を失うような技術優位を確かなものにするため、Work副長官が重点的に推進している「Third Offset strategy」への取り組みは称賛に値するが、いくつかの技術革新だけで優位がいつまでも維持できると考えるのは幻想である
●最近の技術進歩は極めて迅速であり、情報の拡散もまた早く、脅威はどんどん多様化複雑化している。従って、より大きな変革が必要である

サイバーに関して
Thornberry3.jpg●新たなドメインであるサイバー分野については、効率的な問題解決の技術が主要な課題ではなく、人や組織の問題が最も核心にある。
●サイバー空間で戦い勝ち抜くため、下院軍事委員会は、実際の脅威と現状の政策との間のギャップを埋めるため、人や組織や交戦規程などに関する問題解決に向け前進を続ける。

核抑止について
核抑止能力を重点に挙げることに驚きがあるかもしれないが、北朝鮮の核実験が技術拡散の現状を明示したように、核抑止は国防の基礎をなすものである
北朝鮮やロシアが核兵器技術の進展努力を継続してきた一方で、残念ながら米国の核弾頭や関連施設は放置されており、全てが老朽化している
国防予算の5%を超えない範囲かも知れないが資源を投入し、同時に集中した努力と継続した意志をもって、将来に渡り核抑止を確実なものとする必要がある。

特殊作戦能力について
Thornberry.jpg●我々の敵を含む全世界が、米軍特殊作戦部隊の持つ大きな力や能力に注目するようになっている。
●疑いなく、今後も我々は特殊作戦部隊に頼ることになるが、どんなことにも特殊部隊を使おうとする誘惑が存在しており、この傾向は他国にもみられる
注:なお、次の中央軍司令官人事に関し、現特殊作戦軍司令官の名前が最近報道されたところ)

●しかし「コンクリートにナイフを振るい続けると、ナイフの鋭さが失われる」ように、特殊部隊の活用にも配慮が必要である
●下院軍事委員会は、米国の安全保障に絶対的に不可欠な特殊作戦部隊も、支援する立場であると同時に、これを守る立場にも立つ。
●我々は、将来その能力をより活用することが明らかであるので、その力を支える方策についても吟味していく

調達改革について
昨年取り組んだ調達改革を、今年もさらに進めるべく、3月後半に法案を提出し、各方面の意見も踏まえたうえで2017年度予算に反映させる
今年の目標は、軍事技術革新成功の核となる実験やプロトタイプ作成を推進することである。これにより生産開始前に技術をより成熟させ、予算執行時における超過経費発生を抑えたい

事業開始後の中止はほとんど不可能になっていることから、予算書に一旦掲載された事業は「聖域」とみられる傾向がある。
●そこで私は、技術開発やその応用検討のため、また成熟した技術のみが本格生産されるようにするため、実験やプロトタイプ試験をより推進する方策を探したい。このため国防省の文化だけでなく、議会の文化のシフトも必要とされている

対IS作戦経費の増加対策
Thornberry2.jpg●強制削減を2年間回避するため、2年間分の暫定国防予算枠が昨年11月に政府と議会間で「妥協」されているが、妥協以降に発生したパリでのテロにより、対IS作戦経費が増加していることを受け、「妥協額」の範囲では予算が不足するのではとの報道があるが、そのようなことにはならない
●行政側は予算の増額を求めてきておらず、軍事能力削減につながる装備品要求や研究開発予算の削減を検討しているのだろう妥協した合意額は重く、その前提で2016年度予算は承認されたのだ
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まんぐーすなりに、なるべく近視眼的な日々の出来事でなく、大局的な視点で重要な事象をブログで取り上げるべく、日々幼稚な頭を使っているわけですが、年末から新年かけて選択して取り上げた話題が、Thornberry下院軍事委員長の問題認識と大きく差がないことが判って嬉しいです

言い換えれば、米国防問題に関するまんぐーすの視点が、必ずしも独りよがりの独善でない事が判って嬉しいです。

同委員長が取り上げた課題を扱った下記の関連記事を参考にご覧ください

「Third Offset strategy関連」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「次の中央軍司令官の噂」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-07
「新年の1番記事は核兵器運用部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-02
「各軍種の調達担当幹部が改革要望」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-08
「第4位が2年間の予算妥協」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-28-1

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