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オバマ大統領「シリアにsafe zone設置は考えてない」 [安全保障全般]

Obama G20.jpg16日、オバマ大統領はトルコのG20サミットにおける記者会見で、トルコ国境付近を初めとしたシリア領内に「飛行禁止空域:no-fly zone」や「安全地帯:safe zone」を設置する事は米国として考えていないと、従来の考えを再度強調しました

また、大規模な地上戦力を対ISのためシリア等に派遣することに関しても否定し、「従来の戦略を変更することはない」と語っています

パリでの大規模テロでISISの存在が再び大きな注目を集めていますが、米国として仏等との協力は進めるが、基本方針は変えないとの姿勢を再確認しています

「シリアno-fly zoneは考えてない」
Obama G202.jpg●16日オバマ大統領は、複数の米議員やトルコ政府から上がっているシリア領内に「飛行禁止空域:no-fly zone」や「安全地帯:safe zone」を設置すべきとの案について、その様な考えがあることは耳に入っているが、
●「その案に関心はないし、検討対象にもなっていない」とトルコのアンタルヤで語った

●「安全地帯」の設置や維持については、膨大な計画や議論が必要だが、その様な措置は「負の効果を生む:counterproductive」と判断していると米大統領は語った
●「安全地帯に誰を入域許可し、誰が出るのを許すのか? どのように誰が働いてそれを維持するのか? 同地域がテロリストを呼び寄せることになるのでは? どれくらいの人員が同地域設置に必要か? どの時点で終了するのか?」等々の多くの疑問について、答えがなくてはならない話であると表現した

トルコのエルドアン大統領は先週、「飛行禁止空域の設置」を強く要請し、同盟国の間で検討が進んでいると語っていたが、(対IS空爆を行っている)多国籍軍の報道官は「安全地帯や飛行禁止空域について議論するタイミングではない」とコメントしている

対ISIS戦略に変更はない
16日オバマ大統領は、同じくG20サミットにおける記者会見で、対ISISのためにイラクやシリアに地上部隊を派遣する考えはないし、従来の戦略を変更するつもりもないと語った

Obama G203.jpg●同大統領はその理由を「大規模な地上部隊を派遣すれば、一時的に成果を得るだろう。しかしそれは暴力的過激派を生む背景的な問題のダイナミズムを、除去解決することにはならない」と述べ、
●「米国がシリアに数千への兵を派遣したとして、イエメンやリビアでテロ攻撃が発生したらどうするんだ? それら地域にも同様に兵を送るのか?」と語った

●米国や多国籍軍は、ガバナンスを行う地域国家や国民を支援し、過激思想を持つグループを駆逐する人々を手助けする。たとえその手法が迅速な解決に繋がらなくても、大きな話題にならなくても、我々は、最も機能する可能性の高いこの戦略を引き続き追求する。
●我々は正しい戦略を保持しており、その戦略に沿ってやり遂げると大統領は語った
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共和党政権時代のネオコンに、イラクやアフガンのどろ沼に引き込まれた米国民の意識を代表する意見として、オバマ大統領の主張は十分理解出来ますし、ごもっともです。

Obama G204.jpg一方で、このまま中東が「中東版30年戦争」に突入するのを、オフショアから見つめていて良いのか?
世界が耐えられるのか? どの程度まで? 原油や天然ガスの供給への影響は? IS関連や便乗テロが欧州や米本土や世界に拡散しても? 

少なくとも、日本メディアで無責任発言をしている「自称コメンテイター」の様な態度ではいけないと本能的に感じたいものです

シリア内に「安全地帯」を求める有識者
「ゲーツのシリア対処案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-18
「ペトレイアスのシリア対処案」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23

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