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韓国戦闘機KF-Xのレーダー&エンジンはどこへ? [Joint・統合参謀本部]

Korea Pre2.jpg韓国史上最大の兵器開発計画となる予定の国産戦闘機KF-X計画は最新F-16レベルの戦闘機をF-4とF-5戦闘機後継として約120機国産するもので、2025年から製造開始をもくろむ約2兆円のプロジェクトです。

しかし、KF-Xの4つの中核部位について米国が技術提供を拒否し、15日に韓国大統領がカーター国防長官を訪問して再度要請しましたが、ここでも「あっさりキッパリ拒絶」され、KF-X計画は「糸の切れた凧」状態になっています。

Korea KF-X2.jpg4つの中核技術とは、「AESAレーダー」「光学目標照準POD」「赤外線捜索救助システム」「無線通信妨害」ですが、首を振らずにビームの高度な電子走査で広範囲を索敵監視する「AESAレーダー」について、多数の企業が「名乗り」を上げているようです

またKF-Xエンジンの選定も既に提案要求書RFPが発出され、11月4日が提案締切りになっているようで、来年2月に結果発表が予定されているようです

25日付Defense-News記事で高みの見物
10月20日~25日にソウル近郊で開催された航空宇宙所ショー&展示会で、米国から最新のAESAレーダー技術の提供を拒否された韓国に対し、欧州を中心とした軍需産業が同種レーダーの売り込みを盛んに行った

Korea Pre.jpg●韓国国防省は大統領府の了解も得て、外国産レーダーのKF-Xへの搭載と、外国等企業の知恵を借りつつレーダー独自開発の2つの道を当面同時追求する方向で、外国産レーダーの搭載だと5年で可能で、自国開発でも10年あれば実現出来るとしており、KF-X製造開始時期に間に合うとの見方を示している
●ただし、この「two-track approach」米国の技術提供拒否に関する国民の怒りを和らげるための策であることは明らかである。韓国国防省はまた、AESAレーダーの独自研究を2006年から開始しており、技術の蓄積があるとも主張している

●Defense-Newsは、Saab、Finmeccanica(英伊企業グループ)、イスラエルIAI、Northrop Grummanが韓国国防省に対し、売り込みを行った様子を確認した
Saabの電子機器分野の営業責任者は、「既に基礎となるレーダーとアンテナ試験を実施済みで、韓国側の機体が準備出来れば、機体との適合段階に進むことが出来る」、「契約がまとまれば、2年で最初のシステムを提供可能」との姿勢を示した

KF-X5.jpgFinmeccanica(英伊企業グループ)は、ユーロファイターのCaptor-Eレーダー技術を元にした「Selex radar」を提案している。まず「Captor-Eレーダー」を韓国がライセンス生産し、その過程で技術移転を行い、韓国国産レーダー開発に繋げる提案をしている模様
イスラエルのIAIは、韓国の軽攻撃機FA-50に「EL/M-2032 pulse Doppler radar」を提供した実績があり、今回KF-Xには「EL/M-2052 AESA」を提案している。同社は、同レーダーが独自技術で製造されており、韓国が気にする輸出規制の心配がない点を主張している

米国企業は欧州企業に比べ慎重な姿勢である。例えばレイセオンは、「言えるのは、我が社にはKF-Xレーダーに協力するに必要なライセンスを保持していない事である」と述べるに止まった
Northrop Grummanはやや前向きで、担当副社長は「非常に興味を持っている。韓国との協力の歴史も長く、長期的視点で考えていきたい」と述べている

KF-Xエンジン選定は既に開始
Korea KF-X3.jpg●KF-Xエンジン選定は、米国と欧州企業の対決が既に始まっている。欧州のEurojet Turboと米国のGeneral Electricが争っている
欧州側は「EJ200 engine」が最新で性能等が証明済みのエンジンで、維持整備性が優れていることを強調している。また韓国が同エンジンを搭載した機体を輸出する事になっても、何ら問題なく、米国の輸出規制を心配する必要がない点も強調している

米GE社は、FA-18で実績のある「F414 engine」を提案し、またこれまでの韓国T-50共同開発におけるエンジンライセンス生産契約や、Saabグリペン共同開発の実績をアピールしている
●GE幹部は「KF-Xは韓国史上最大の兵器開発計画であり、技術、コスト、ライフサイクルコスト等の面で低リスクが求められる。我が社のこれまでの多様な国際協力実績から、低リスクに貢献出来る」と訴えている
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Korea Pre3.jpgパク・クネ大統領訪米関連では、THAAD配備問題も話題でしたが、この点に関しては今後フォローが必要です。その必要性が良く理解出来ていませんので・・・

韓国側は、AESAレーダーに関し「two-track approach」とか強気の姿勢ですが、それが可能ならパク・クネ大統領が米国防長官に頭を下げる必要などなかったわけで、韓国内の混乱ぶりが想像出来ます

脅威の変化が叫ばれ、経済情勢も不透明さが増すこのタイミングで、「韓国史上最大の兵器開発計画」ですか・・・。ご愁傷様と申し上げるしかないのですが、「亡国のF-35」と並び、「亡国のKF-X」にならないことを「生暖かく」見守りたいと思います

韓国KF-X関連の記事
「米が技術提供拒否で大混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25

「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

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コメント 1

ある傍観者

韓国の軍事なんて、扱うのは不快だ。
お笑い韓国軍と同列ににゃっちゃうよ。

そもそも、予算も現代政治に合わない。まして、整備も疎かな韓国。
記事にすることも、おかしいと言える。
予算が有りながら北朝鮮より、弱いとは、いかに。
by ある傍観者 (2015-10-28 15:50) 

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