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韓国戦闘機F-35とKF-Xを巡る韓国無責任大混乱 [亡国のF-35]

F-35 Korea3.jpg4日付韓国ハンギョレ新聞が、キム・ジョンデ「ディフェンス21プラス」編集長(E-mail:japan@hani.co.kr )による、「韓国型戦闘機開発事業KF-X破綻の内幕」との上中下3本記事を掲載し、韓国におけるF-35選定やKF-Xへの技術移転交渉が、如何に「いい加減」で「不透明」で「米国圧力が影響」していたかかを訴えています

この手の記事は記者の意図が強く反映され注意が必要ですが、F-15SEに決定していた韓国F-Xに関し、米国を上げての猛烈なF-35売り込みに韓国大統領府が「ひるみ」、米圧力を韓国国防省に丸投げし、韓国空軍OBの横やりもあり、後先考えずにF-35に土壇場「ちゃぶ台替えし決定」した模様です

先日ご紹介した韓国国産戦闘機KF-Xへの技術移転米国拒絶話も、F-15SEでは「あり得た話」だったのですが、「土壇場ちゃぶ台返しF-35決定」で見込みが無くなったにもかかわらず、KF-Xへの技術移転可能で押し切った事が背景にあるようです

日本は韓国ほど「でたらめ」ではないでしょうが、以下の記事は、韓国がF-35導入を決定した2014年9月時点でも、F-35の価格や性能や導入可能時期が不確だったことを指摘しており、その遙か昔に導入決定したいた日本の「いい加減さ」を間接的に示唆しています

ハンギョレ新聞webの上中下3本記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00022104-hankyoreh-kr
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00022105-hankyoreh-kr
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00022106-hankyoreh-kr

ハンギョレ新聞webの「上」は・・・
F-35 Korea2.jpg2013年8月28日、ASEAN国防相会議でヘーゲル米国防長官は韓国国防長官と会談した。プレスは「戦時作戦統制権委譲」が議題だと報じていたが、予定を1日繰り上げて急遽帰国した韓国国防相は、3軍参謀総長等と緊急会議を行った
●その緊急会議に国防部戦力資源管理室長を招集してあったことから、ボーイングのF-15SEに決定していた次期戦闘機計画に関連する緊急会議だとの憶測も流れた

8月28日に歴代空軍参謀総長15名が、F-X選定やり直しを要求する文書を大統領府に出していた。文書は「F-X予算を約8300億円に制限せず約1兆円以上に増額できる道を開くべき」と訴えていた
朴大統領は歴代空軍総長の動きに不快感を露わにし、「絶対受け入れられない」と主張した。F-15SEが覆る可能性はほとんどなかった

KF-X5.jpg2013年9月、事態は複雑化米国防長官は韓国国防相に圧力をかけ、コーエン元米国防長官もがロッキード顧問として介入。カート・キャンベル元国務省次官補まで加勢し、戦闘機事業は濃い霧の中に
●9月13日朴大統領は、国防相に対し「国家安保を総合的に考慮して防衛事業推進委員会で決めるように」と命じ、大統領府は予算だけ握り、機種決定にこれ以上関与しないとの意向を示唆した

最終機種決定の前日の9月23日夕、ソウルハイアットホテルでボーイング本社と韓国支社の関係者が酒席を設け、翌日予定のF-15SE決定の前祝いを行ったが、彼らは翌日に起きる予想もしない反転を予期しなかった。
翌24日午後2時に開かれた国防長官主催の会議で「絶対無い」と思われていたことが起き、F-15SE否決案だけが僅か2時間で審議され、4時30分に報道官が記者室で発表文を読み上げた際、記者団は大騒ぎになった

ハンギョレ新聞webの「中」は・・・
KF-X3.jpg●9月24日の会議でF-15SE否決案に署名しなかったメンバーは、F-X計画の遅れを懸念しただけでなく、米国の技術移転を前提としたKF-X計画への支障を恐れていた。開発が完了していないF-35は、価格、性能、KF-Xへの技術移転条件がすべて不確かだったからだ。
●しかし2013年12月、韓国国防部はF-X要求性能にステルス性を付け加え、事実上F-35Aを単独候補として選定するよう政策を変更した。KF-X関連の技術移転の困難性は議論さえされなかった

2014年5月のKF-X対策会議では、「核心技術移転および開発費分担交渉で難航が予想される」と指摘する意見もあったが、それ以上誰も技術移転問題を語ろうとしせず、意見が割れたまま会議は何の成果も出せずに終わった。
Korea KF-X.jpg●何らかの「見えない手」がF-35導入の障害物を一つずつ除去し、F-35問題点に対し共謀の沈黙が形成されていった。

2014年夏、韓国交渉団が訪米し、米国防省や米空軍関係者に協議した。韓国側が強力に米政府の輸出承認品目の技術移転を要求すると、米国側は「戦闘機を作るのか?」と技術移転議論を拒否した。
●さらに米側は、「核心技術移転は交渉の対象にならない。技術が必要なら購入すべき。購入しても韓国戦闘機のシステムは米国業者が作るべき」と韓国側要望を全面否定した。

ハンギョレ新聞webの「下」は・・・
KF-Xへの技術提供交渉が全く成立しない中、韓国は米国とF-35の40機購入意向書を2014年秋に締結し、米国に追加要求し得る交渉の余地まで放棄
一方で韓国国防省は、「購入意向書に米国は360人の技術人材とF-16最新技術資料を支援し、21種の核心技術移転を支援」と保障したので「技術移転には問題なし」と報道機関と国会でくり返した

KF-X6.jpg韓国国防省と空軍は、米国の技術移転が困難と知りつつ、2014年9月に、F-35の40機購入契約を米国と締結。だが価格、導入時期、技術移転義務条項に対する拘束力ある規範ではなく、一種の仮契約に過ぎない。
本契約は、F-35開発が遅れ締結さえ不可能な状況だ。KF-X事業の危険な今の状況は、空軍創設以来最大の危機と言っても過言ではない。

●F-XとKF-X計画が揺らぎ、2020年代中盤に空軍の戦闘機保有数は現在430機から半分の水準に落ちる可能性もある。
●既存の戦闘機事業を全面的に再検討し、代案事業を出しても不十分なのに、既存事業の既得権にこだわり共倒れとなる死の行進を続けている。
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激情型で「volatile」な韓国内報道ですので、読み方には注意が必要でしょう・・・。しかし・・・

KoreaNC2.jpg米国からの強烈な圧力、韓国空軍OBの圧力、韓国大統領府の責任放棄&丸投げ、KF-Xを巡る韓国の「無責任皮算用」と冷淡な米国側姿勢・・・。
全てが「そうだろうな・・」と思わせ、納得できるストーリーです。そして日本でも、多かれ少なかれ、このような「どろどろ」があったんだろうな・・・と思わせる記事です

ただ一つ異なるのは韓国にあって日本にない、軍事問題を扱うそれなりなプレスの存在です!

KF-X関連の記事
米が韓への技術提供拒否」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31

韓国F-35決定のごたごた過程
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19

「経費クリアの1機種で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-03
「F-15Eの方向に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-20
「おまけ競争?韓国F-X選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-14

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