非伝統分野に焦点「中国安全保障レポート2014」 [中国要人・軍事]

でもwebサイト上では、「コピペ」が一切出来ないPDFファイルになっています
昨年は春節休暇期間の2月1日(土)に発表され、緊張する日中関係の中、極力話題になるのを避けた発表日の選択でしたが、今年は「日中間の空気感」を反映してか、金曜日の午後遅くの発表とは言え、昨年ほどの「こそこそ感」はありません
第2回目からテーマを絞ったレポートになり、「中国海軍」、「軍は党の統制下か?」、そして昨年は「中国の危機管理」をテーマにしてきましたが、5回目の今回は「多様化するPLA(解放軍)と武装警察の役割」とのサブタイトルをつけ、非伝統的軍事分野に焦点を当てています。
レポートの構成
●中央国家安全委員会の設置と背景
●人民武装警察部隊の歴史と将来像
●PLAによる災害派遣活動、PKO活動、海賊対処活動
約70ページを「つまみ食い」紹介

●人民武装警察部隊(武警)は、鄧小平により1983年にPLAから切り離された。PLAには軍事的任務に集中させようとの意図であったが、宇宙やサイバーを含む複雑な戦いが予想され、非伝統的軍事分野への要求も高まる中、任務を軽減したいとの現実もある。

●PLA陸軍の大幅削減が噂される中、陸軍が地方行政組織と協力して行う災害救援活動は、軍の存在感と必要性を国内に誇示する機会となっている。PLAと地方政府間の協力は深化しており、迅速な事態対応が可能となりつつある。
●一方で、PLAは具体的な活動面で指揮系統で指揮権の独立を主張しているが、行政部門が徐々にその優位性を高めつつある
●PLAは軍が主体となる平時の国際活動を「軍事外交」と称して活発に推進している。軍事外交には、人的交流、安保対話、安保協力、教育訓練、情報発信の5分野がある

●海賊対処への参加は、海洋権益擁護の考え方に沿うものであり、また「中国脅威論」を沈める狙いも持っている。また中国海軍は同活動で、ヘリ、小型船舶、特殊部隊を用いるなど様々な形式の護衛を採用しており、これを機に遠洋での部隊運用能力向上を意図していることが明白。
●その成果として、インド洋や南シナ海での各種訓練が実施され、日本周辺海域での「機動5号」などのでもその能力が活用されている
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以上は、当該レポートの「要約」部分の概要です。

防衛研究所は同時期に「東アジア戦略概観」を発表し、その中でも中国は重要な「概観」対象分野ですので、筆者の皆さんは「中国安全保障レポート」との棲み分けに苦心されているでしょう。
高見澤氏が所長を務めていた頃をピークに、防衛研究所の対外発信(少なくともwebサイト経由)は激減していますが、「戦略概観」と「中国安保レポート」では気を吐いています
過去の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回目:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回目:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回目:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回目:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
4月10日発表の「東アジア戦略概観2015」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15
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