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最新空対空ミサイルAMRAAM-D型試験終了 [Joint・統合参謀本部]

AIM-120D-3.jpg9日付Raytheon社発表によれば、最新型の空対空ミサイルAMRAAMであるAIM-120D(デルタ型)が米軍内の主要な一連の試験を終了し、米海軍ではIOC(初期運用能力)を獲得し、米空軍では部隊内での運用試験に入ることになったようです

初期型のA型が1992年からフル生産に入り、誘導装置を改良したB型が1994年に、更にF-22の胴体内兵器格納スペースに収まるように前方のフィンを小型化したC型が1996年に開発され、今日に至っている空対空戦闘用のミサイルです

9日付Raytheon発表によれば
AIM-120D.jpg●Raytheon社のAMRAAM開発部長であるRon Krebs氏は、同ミサイル最新型のD型が2つの大きな節目を迎えたと発表した。一つは米空軍が一連の試験を終えて海外展開を含む部隊配備へ進むこと、更に米海軍でIOC(初期運用能力)を達成したことである
●Krebs氏は「AMRAAMは史上最高の空対空ミサイルで、D型での改良により、空対空戦闘で比類無き能力を米軍に提供できる」と語った

米空軍では、実戦闘環境に沿った複数のシナリオを想定して設計されており、全ての戦闘環境での試験で優れた性能を示した。海外展開の承認も得た
米海軍ではFA-18E/F等で広範な試験が行われ、IOCを獲得した。2015年後半に部隊配備される予定

D型での主要な向上ポイント
---双方向データリンクの装備(目標情報アップリンク可能)
---射程延伸:現状65km⇒目標100km(または165km)
---電子妨害対処機能強化
---GPS/IMU(衛星航法システム/慣性航法ユニット)の装備
---運動エネルギーの強化

日本はAMRAAMを試験用途で購入して実射試験などを行ないましたが、結局本格的に導入しませんでした。そして打ちっ放し可能レーダーミサイルとして国産AAM-4を導入しています。そこで・・

日本製AAM-4との思想の違い
ネット情報(Yahoo知恵袋)によると
組織防衛の後付けのこじつけ理論に聞こえるが)

AIM-120D-2.jpg●端的に言うと、直撃でなくとも近接信管である程度ダメージを与えれば、目標はその場から退避するので十分目的を達成できるというアメリカの運用思想と、専守防衛であるため目標は確実に破壊する必要がある日本の思想の違いがAMRAAMとAAM-4の特性の違いに

米軍の思想ではAAMによるミッションキル(任務阻止)さえ行なえれば十分で、さほどの命中精度や弾頭の攻撃力は求めなかった。そして前世代の空対空ミサイルであるAIM-7より小型・軽量化して多くの機種で運用できる汎用性を求めた
●また、AMRAAMの運用能力付与に際しては機体側への大幅な改修は不要で、基本的にレーダーFCSのOFP書き換えのみで対応可能とした

AAM-4.jpgAAM-4はその真逆の思想の下に開発されている。自衛隊は専守防衛の組織で、特に空自が重視する対巡航ミサイルにおいてはミッションキルは成立しない
●たとえダメージを与えても完全に破壊しない限りは巡航ミサイルは必ずどこかへ着弾します。これは攻撃機や爆撃機など敵の有人航空機においても同様
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米軍のAMRAAM進化への努力はまだ微笑ましい範囲であり、双方ネットワークなど「a family of systems」で戦おうとする姿勢も少しは見えて許容範囲でしょう。
全く新しい新型の空対空ミサイルを新規に開発するような発想を持ち出さないだけ、精神が健全性を残している・・とも言えましょう。

Stop.jpg一方で、ますます高速化・ステルス化・潜水艦発射化・同時発射複数同時攻撃化・・等々が進む巡航ミサイル対処を、空対空ミサイルで行おうとする航空自衛隊の発想に、最大限の「嘲笑」を捧げたいと思います。

26中期防でも、戦闘機への投資を「巡航ミサイ対処能力の向上」で説明していますが、恥ずかしくないのでしょうか???

こんな事を戦闘機操縦者だけで「ちまちま」やっていると、組織が「壊死」しますよ。馬鹿馬鹿しくて、誰も考えなくなりますよ。自分のささやかな幸せ追求に走りますよ。もうそうなってるか・・・

戦闘機はそんなに重要なのか?
「悲劇:国産F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「CSBAの提言に学べ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27

なお本日は「世紀の大バカ事業」1番機の完成式が
防衛省は大震災の津波で被災した松島基地のF-2戦闘機18機のうち12機については修理は困難と判断した。
●残り6機は、購入費よりも高い計約800億円をかけて修理する。なお、防衛省は修理できるかどうか見極めるため、別に136億円の予算を投じて分解調査を進めていた。
●なお、F-2戦闘機は1機約120億円と言われており、1機当たりの修理費約130億円はその額を上回る

松島基地で戦闘機が津波にやられたことを攻めるつもりは毛頭ありません。
しかし、震災半年後のどさくさに紛れ、この修理費・・この分解調査費を予算に押し込む姿勢。この感覚がある限り、戦闘機命派の暴走は止まりません・・・

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コメント 1

F-35

全くを持って世紀の大バカ事業ですなこれは
by F-35 (2015-04-27 17:11) 

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