台湾に米海軍F-18着陸で中国が抗議

1日、台湾の東を南下飛行中の2機の米海軍FA-18が、「緊急事態」を宣言して台湾空軍基地に着陸し、これに対して中国外務省報道官が2日に激しく抗議しています。

約30年ぶりといわれる米軍機の台湾着陸に関し、中国軍が前日まで台湾東方で「前例のない」航空演習を行っていたことから、緊急事態ではなくワザと米軍が台湾に着陸した等の報道が飛び交い、改めて台湾の微妙な位置づけと西太平洋における米中の軍事的緊張が明らかになっています

2日付Defense-Newsによれば
●1日、2機の米海軍FA-18が台湾南部の空軍基地に緊急着陸した。米軍当局は、2機のうちの1機にトラブルが発生したため緊急着陸したと説明している
●これに対し2日、中国外務省のHua Chunying報道官は「我が国は米国に強く抗議する。中国は米国が「一つの中国政策」に従い、台湾に関する問題には慎重に対応するとした過去3つの合意文書を尊重するよう要求する」と抗議し、「北京政府が中国唯一の政府であるとの米中合意」に言及した

●台湾メディアは、米軍機の台湾着陸が1980年代半ば以来30年ぶりだと報じ、米軍の「緊急着陸」は史上初の中国軍機による台湾東方の西太平洋での演習への反応だと報じている
●実は3月30日、新華社通信によれば、数機の中国軍機が初めてバシー海峡（台湾とフィリピン間の海峡）を通過し、台湾東で演習を行っていた

●AIT（台湾米国協会：事実上の在台湾米国大使館）の報道官は、「定期的な飛行」を行っていた米軍機の１機がトラブルに見舞われたまでだ、と述べている
●軍事専門家である台湾議会の軍事外交委員会議員は、2機のFA-18は電子戦機EA-6Bを援護しながらフィリピンに向かう途中でであったと語っている

●米シンクタンクの専門家は、緊急着陸が意図的であったかどうかにかかわらず、中国は米国が台湾と相当な軍事的関係を保っていることを再認識したであろうとコメントしている
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このタイミングで、米国が意図的に「緊急着陸」を行うとは考えにくいですが、中国軍機がかなりの規模の演習を台湾東で行っていることには注目です
中国がこれ以上の反応を示すとも考えにくいのですが、これを機に更なる「踏み絵」を突きつけるのかもしれません

重要ながら、ちまちまと集団的自衛権やガイドライン検討の報道がある中で、台湾情勢について安全保障の観点から日本で議論や報道がないのはさみしい限りです

日本も考えるべき！
CSBA提言の台湾新軍事戦略に学ぶシリーズ
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タグ：FA-18 台湾 緊急着陸 中国軍機