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次世代制空を考える米空軍のCCT [米空軍]

CCT.jpgこれまで、2030年代を見据えた「制空」を米空軍が検討することや、軍需産業と早い段階から情報交換を行って先端技術を装備に取り組む米空軍の新たな姿勢をご紹介してきましたが、それを具体化するような米空軍検討チームが立ち上がるようです

米空軍のCCT(Capability Collaboration Team)と呼ばれるチームで、米国防省内の研究機関から空軍スタッフまでの多様なメンバーで構成され、2018年までに「制空や航空優勢」に必要な技術の見極めと具体化の工程表を作成するそうです

よくわからない部分もありますが、企業が「第6世代戦闘機だけ命」に突っ走らないよう、「family of systems」を強調しているようにも感じられます

7日付Defense-Newsによれば
CCT4.jpg●米空軍調達部門のTim Ray少将と作戦計画部門のPaul Johnson少将はDefense-Newsに対し、まもなく2030年代の制空や航空優勢に必要な技術や能力を見定めるための検討チームを立ち上げると語った
●設置されるのはCCT(Capability Collaboration Team)と呼ばれるチームであるが、両少将は検討には次世代戦闘機の検討も含まれるが、「a family of systems」を見定めるアプローチになろうと強調した

●CCTには、作戦遂行者や多様な科学技術の専門家が含まれ、DARPAや米空軍研究所、米空軍の主要コマンドからのメンバーで構成される。
●同チームは制空に関する多様なオプションを深く検討し、まず第1に2030年代の制空に必要な技術リストを作成し、第2に同技術実用化にむけた工程表を作成する

●例えばCCTがエネルギー兵器を鍵となる技術だと指定し、空軍長官と参謀総長に対し、同兵器のどの部分に、どのような優先度を持って投資する必要があり、2030年までの実用化に向けどのような時程で投資が必要かを提言する
●Johnson少将は目的について、限られた研究開発予算を広範な分野に配分するのではなく、絞り込んだ部分に重点投資することだと語った。同時に「具体的などの計画に投資すると決定するのではなく、どの分野をどのように学ぶか、どれくらい急いで学ぶか、一連の技術の中でこの部分を追求する」とも語った

CCT2.jpg●CCTは今後数週間以内に会合を開始し、3年後の2018年に最終報告を提出する計画である。
●米国防省内には同様の検討があるように思われるが、Ray少将は「実行可能性のあるものを見つけることに焦点を絞り、実現のための指針を作成することが他とは異なる」と説明した


軍需産業と米空軍の思惑
●Ray少将は更に、「軍需産業界が重要な役割を果たす。現在は空軍が意思決定をしてから産業界の皆さんに加わってもらっているが、より早い段階で参加してもらい、産業界のアイディアや資源を活用してもらえる様にしたい」と訴えた
●そして「産業界は、プライム企業が開発から生産まで全てを統括するやり方からの転換を図るべきである」と警告した。同少将は技術は急速に発展進歩しており、プライム企業が保有しない技術でも柔軟に取り入れたい意向を強く示唆した

CCT3.jpg●Johnson少将は細部への言及は避けたが、2030年に向けた検討は「全てを搭載した第6世代戦闘機」に限らず、「family of systems」になるだろうし、旧式と新型装備の混合を前提としたものになろうと語った
●更に同少将は、センサー、兵器、その他多くの装備の集合体が結論になるのではないかとの感触を示唆した。また、現有システムのセンサーだけを更新したような「quick wins」も想定されるとも述べた

●米空軍が「family of systems」を強調する一方で、軍需産業側は「第6世代戦闘機」が主要な部分だと考えており、グラマンやボーイングはそれぞれに新戦闘機のイメージをアピールし始めている
●産業界関係者は現在の仕事の延長で研究しているまでと表現しているが、「空軍が将来の脅威や戦術、シナリオや要望事項について色々と話し合いに応じてくれる」と歓迎ムードである

●両少将は航空産業の状況を知るだけに同情を示しつつも、「空軍はまずどのような技術があるのか学ぶことから始めたい。全体を見渡して選択肢をまず見極めたい。我々は選択の前に知らなければならない」と語った

部外専門家の見方
●CCTについて軍事技術シンクタンクのRebecca Grant女史は、「良いアイディアである。前線部隊の演習のように、継続して行くことが重要で、小さな成果を積み重ねることも重要」と評価した
●CSBAのMark Gunzinger研究員は「良い手法だ。ただし、新技術は従来の作戦コンセプトに問題を投げかける。空軍は新技術に応じあたらな視点で作戦コンセプトを見直すべきだ」と注文した
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FA-XX fass.jpg3年間も掛けて検討する時点で、本当にやる気があるのか・・・と思ってしまいますが、それくらい重要だし時間が必要と言われればその通りです
空軍長官の強い意向を受け、仕方なくやっているのか?・・3年もたてば皆忘れる・・との官僚根性があるのかも知れません

軍需産業が「金額の大きい」戦闘機を中心に着目するのは致し方ないのでしょうが、「新旧ミックス」の「a family of systems」でないと予算が無いでしょうし、夢ばかり追わず「quick wins」で妥協もせざるを得ないでしょう

なるべく幅広く検討して欲しいですし、日本のような同盟国にも大きなインパクトを与えて欲しいです

米空軍の新装備への取り組み
「2030年代の制空を検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23
「企業との協議を早期から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17
「戦闘機族のボスが語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

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