SSブログ

米空軍幹部が企業に海外売り込み助言 [米空軍]

「空軍というものは戦闘機を欲しがる。だから我々は戦略的視点を提示する必要がある」

Grant3.jpg26日付Defense-Newsが、米空軍省のHeidi Grant国際関係担当次官補へのインタビュー記事を掲載し、米軍需産業が海外への売り込みに関して留意すべき事項等について語っています。

どこの地域が装備品に関心が高いとか、この分野の装備品に注目すべきだとか、米国が望む投資をさせるにはとか、なんの遠慮もなく、産軍一体となった売り込み態勢を前面に打ち出し、突っ込んだ「アドバイス」を語っています

また日常の業務で、どの分野に最も時間を割いているか等についても語っています。
同ポストは陸軍省や海軍省には無いようですが、同次官補は既に4年半以上も同ポストで勤務中なのでしっかり仕事されているのでしょう

Grant女史の回答部分だけ「つまみ食い」で
Grant2.jpg●他軍種には無いポストで、政策担当次官を経て直接空軍長官に報告する立場にある。日々の仕事の多くはウェルシュ空軍参謀総長に関することで、100カ国以上の国の空軍人トップとの交流や協力関係構築を支える仕事である
●日頃頂くご批判で多いのは、仕事の遅さにある。この解決のため、国防長官室や国務省関係部署との連携を密にし、如何に迅速に対応出来る様心がけている

●外国と仕事をする軍需産業に助言を求められたら、まず米企業は沈黙を守るパートナーになるべきだと言いたい。
●例えばある国がある装備品について興味を持って話を聞きに来たとして、その話がいきなりメディアの一面を飾るようではいけない。相手国は国内の様々な手続きを踏む必要があり、メディアから不意打ちされるようなことを望まない

可能性がある市場や分野は
●米国防予算が縮小を続ける中、軍需産業は米軍が忙しい国外地域へシフトを始めている。多くの国があるが、特に湾岸諸国や中東諸国である。同地域では予算が堅調である
複数の国家が協同でコンソーシアムを編制して装備品を購入運用する方式にもトライしている。3機のC-17輸送機を12カ国で共有している欧州の例がある
●本件に関しては、ISRと指揮統制装備が2大分野である空中給油を代表とする輸送分野もこれに続き、KC-46Aによるコンソーシアムの可能性があり、欧州による選定結果を待つことになろう

Grant1.jpg●無人機を話題にすれば、承認を得て、先行している英国、仏、伊は装備面で充実している。
フランスの能力を例に取れば、彼らがマリで行っている作戦は米国に依存していない。フランスは無人機を獲得し、大きな成功を収めている。フランスへの輸出が成果を上げているのだ
先月、無人機のユーザー国会合を行い、互いの情報や教訓を共有し、更なるレベルアップに繋げた

米国の望むような投資を外国させるには
空軍というものは戦闘機を欲しがる。だから我々は戦略的視点を提示する必要がある。
●相手国が自国の資金を用意しているケースで、何の戦略的背景説明もなく、いきなり「貴国はF-16ではなくてISRアセットを導入する必要がある」とは言えない

●例えば「もし貴国が貴国周辺の安保環境を懸念され、価値ある米国のパートナーであることを望まれるのなら、あらゆる観点でISRアセットが最上の選択肢だ」と語らなければ。
●もちろん、彼らは最新の戦闘機が自身の基地に並んでいることを望むが。

宇宙にもこの考えを
宇宙に関する多国籍連合について言えば、予算制約がある中、そのニーズはますます高まっている。広帯域グローバル衛星システムは、必要な9つの衛星の内、2個をパートナー国が投資した
宇宙に関しては、更に協力可能な手法を探している。よりパートナーを取り込めば、より我々は効率的になる。より信頼関係を広げれば、安保の観点からより良いのだ
/////////////////////////////////////////////

F-35two.jpgHeidi Grant次官補を責める気持ちは全くありません。祖国愛に満ちた、立派な米国政府の公僕です。

問題は、自分たちの生き残りのため、つまり戦闘機族の生き残りのみを視野に、投資や事業優先を考える他国の空軍幹部(戦闘機命派)です。

取りあえず関係国との友好を確立するため、相手国の施策を尊重し、例え日本のF-35購入が「ばか施策」でも、何にも言わないのが米空軍です。まぁ、米空軍自身もF-35ばかり購入してますから

タグ:Heidi Grant
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0