フォーブス議員:ASB室廃止はアジアに誤解を [Air-Sea Battle Concept]
3日、国防関係の有力議員であるRandy Forbes下院議員(Seapower and Projection Forces小委員長)が記者団に、米国のアジア回帰を懐疑的にみているアジア諸国に対し、エアシーバトル室廃止は負のインパクトを与えており、スローガンだけでない実質的な政策を着実に進める必要があると訴えています
もう一つ「切れのない」会見ですが、ロシアやイスラム国対処に戦力を割かざるを得ない米軍の実情の裏返しでもあり、米軍内のグダグダのエアシーバトル議論を横目で見てきた有力議員として、一言言いたかったのでしょう
3日付DODBuzzによれば
●フォーブス委員長は、世界的な脅威の状況や紛争状況から、ペンタゴンが散々議論し、対外的に訴えてきたアジア太平洋リバランスが遅滞することに懸念を示した
●同議員は「2016年度予算案には、空母GWの定期修理、P-8対潜哨戒機、次期爆撃機LRS-B等々、我々の取り組みを示すのに不可欠な予算が盛り込まれているが、これら案を今後完全な予算にしなければならない」と語った
●また「わが同盟国も競争者も共に、米軍がどのような能力を維持するかを注視している」、「米海軍がWW1以降で最小規模になり、米空軍が史上最小規模になるほどの予算削減の中、行政のスローガンであるリバランスは信頼されない」と述べた
●更に「我々は決して太平洋地域から引いたことはなく、rebalanceやpivotとの言葉は不適切で、増強Enhancementが適当な言葉ではないか。特にロシアやイスラム国への懸念があり、米国の動向に注目が集まっているときには」とも付け加えた。
●エアシーバトルは、A2AD対応の戦略的な道筋を示し、強固な防空網や長距離対艦ミサイル等の米国の戦力投射を妨害する企てに対処する手法を示していた
●フォーブス議員は「だからこそ、エアシーバトルとの言葉から離れることは、アジア太平洋地域の同盟国に誤ったメッセージを発信し、米国が関与するのかしないのかといった疑問を生起する恐れがある」と懸念を表明した
●エアシーバトルを、予算獲得のための国防省による「仕掛け」だと非難する者もいるが、新たに明確化しつつある脅威への対処法として、広くよく分析され認知されたコンセプトであった
●同議員は「そのコンセプトを、もはや脅威対処法として優先的に扱わない。それは水に流してやり直そうと言っているようにも聞こえてしまう」と懸念を示した
●最後に同議員は「米国の国防関係者は、中国の意図や動機を推測して判断すべきでなく、純粋に中国の軍事力を基礎に種々の判断を下すべきである」と語った
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フォーブス議員は慎重に言葉を選んで語っていますし、DODBuzz記事は紹介した以外にも「アジア回帰」の実際の動きも紹介をしています。
しかし、本質部分をピックアップすると上のようなことになりますし、その懸念は懸念ではなく、現実のものとなりつつあります。
最後の発言は、オフショア・コントロール論等への皮肉でしょうか? そんな風に深読みしてしまいました
もう一つ「切れのない」会見ですが、ロシアやイスラム国対処に戦力を割かざるを得ない米軍の実情の裏返しでもあり、米軍内のグダグダのエアシーバトル議論を横目で見てきた有力議員として、一言言いたかったのでしょう
3日付DODBuzzによれば
●フォーブス委員長は、世界的な脅威の状況や紛争状況から、ペンタゴンが散々議論し、対外的に訴えてきたアジア太平洋リバランスが遅滞することに懸念を示した
●同議員は「2016年度予算案には、空母GWの定期修理、P-8対潜哨戒機、次期爆撃機LRS-B等々、我々の取り組みを示すのに不可欠な予算が盛り込まれているが、これら案を今後完全な予算にしなければならない」と語った
●また「わが同盟国も競争者も共に、米軍がどのような能力を維持するかを注視している」、「米海軍がWW1以降で最小規模になり、米空軍が史上最小規模になるほどの予算削減の中、行政のスローガンであるリバランスは信頼されない」と述べた
●更に「我々は決して太平洋地域から引いたことはなく、rebalanceやpivotとの言葉は不適切で、増強Enhancementが適当な言葉ではないか。特にロシアやイスラム国への懸念があり、米国の動向に注目が集まっているときには」とも付け加えた。
●エアシーバトルは、A2AD対応の戦略的な道筋を示し、強固な防空網や長距離対艦ミサイル等の米国の戦力投射を妨害する企てに対処する手法を示していた
●フォーブス議員は「だからこそ、エアシーバトルとの言葉から離れることは、アジア太平洋地域の同盟国に誤ったメッセージを発信し、米国が関与するのかしないのかといった疑問を生起する恐れがある」と懸念を表明した
●エアシーバトルを、予算獲得のための国防省による「仕掛け」だと非難する者もいるが、新たに明確化しつつある脅威への対処法として、広くよく分析され認知されたコンセプトであった
●同議員は「そのコンセプトを、もはや脅威対処法として優先的に扱わない。それは水に流してやり直そうと言っているようにも聞こえてしまう」と懸念を示した
●最後に同議員は「米国の国防関係者は、中国の意図や動機を推測して判断すべきでなく、純粋に中国の軍事力を基礎に種々の判断を下すべきである」と語った
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フォーブス議員は慎重に言葉を選んで語っていますし、DODBuzz記事は紹介した以外にも「アジア回帰」の実際の動きも紹介をしています。
しかし、本質部分をピックアップすると上のようなことになりますし、その懸念は懸念ではなく、現実のものとなりつつあります。
最後の発言は、オフショア・コントロール論等への皮肉でしょうか? そんな風に深読みしてしまいました
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