ハリス次期PACOM司令官候補が上院で質疑 [Joint・統合参謀本部]
2日、次の太平洋軍司令官に推挙されているHarry B. Harris Jr.海軍大将(現太平洋艦隊司令官)が、議会承認を得るための上院軍事委員会での質疑に臨みました
米国防省webサイトは、同大将の発言全体を映像で公開していますが、本日は記事として紹介している北朝鮮、中国、インドに関する部分をご紹介します
大統領の指揮を直接受け、対中国作戦を実行することになるのが太平洋軍(PACOM)司令官です。
日本生まれで日本人の血を引くハリス大将が、あの「真珠湾」を臨むPACOM司令部で司令官の職に就くのはそれ自体が感慨深いので、そのお話ぶり等にご興味のある方は以下の議会映像をどうぞ
→http://www.defense.gov/video/default.aspx?videoid=378438
2日付米国防省web記事は
●太平洋軍司令官候補者のHarris海軍大将は、上院軍事委員会でのヒアリングで、アジア太平洋地域では北朝鮮が最も不安定で危険だと述べた
●金正恩は気まぐれでその行動の予測が難しく、核兵器の獲得や大陸間弾道弾への搭載追求に対し向こう見ずな姿勢で挑んでいる、とも表現した
●もし国防予算の強制削減が2016年予算年度に再び訪れ、太平洋地域の空母が削減に追い込まれたなら、金正恩はこの機に乗じて何かを企むだろう。強制削減はリスクを増すことに繋がり、兵士の生命へのリスクを増すことになる。そしてアジア太平洋リバランスや米軍の態勢に影響を与える
●北朝鮮による地域不安定化の試みは、海洋分野に止まらず、サイバー等にも拡大している。北は非対称分野での優越を追求しており、サイバーはその一分野に過ぎない
中国に関しての発言
●劇的な中国軍事力の向上、その軍事力の活用に関する不透明さ、地域での挑発的な行動は、最も絶え間ない課題である
●強い中国や中国の強力な軍事力自体が悪いのではない。我々は、国際的な舞台に(協調しつつ)参加する強い中国を歓迎する
●東及び南シナ海での挑発的な行動を懸念しているが、他の分野での中国の活動にも注目すべきである。シリアの化学兵器廃棄やアデン湾等での海賊対処を中国は支援ししているのだ。
●また、マレーシア航空機の遭難事案やフィリピンでの台風被害への対応でも、中国は肯定的な動きを見せている
●中国A2ADには注視しなければならない。当地域での米軍のアドバンテージは、その潜水艦能力にある。戦闘機も必要な場所に到達して任務を遂行する鍵を握るが、潜水艦分野における優越性は、見通しうる将来においても「揺るぎない」
インドに関する発言
●当地域におけるインドの重要性を過小評価すべきではない。私はインドが地域における鍵となる国家だと信じており、私の担当地域を「インドアジア太平洋」と意図的に呼ぶことにしている
●インドは極めて重要な国であり、欠く事が出来ない国であり、米国の重要な友人である
任務全般への発言
●我々が国益を海外で守ろうとする時、国務省や他省庁との協力により力を増すことが出来る。数々の課題を前にして、政府機関による集団的な努力により、米国力と地域への関与を維持することが大事だ
●米国のリーダーシップが重要なのだ。リバランスを宣言して以降、日本との作戦を拡大し、豪州への海兵隊ローテーション派遣を開始し、韓国とのBMDや初協力を改善している。またフィリピンとは、重要な安保合意を結んだ
●財政上の見通しに懸念はあるが、リバランスは現実のものである。米国はそれを続けるパワーであり続けると信じている
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オバマ政権の政策方針に沿って任務を果たすに当たり、中国に関しては「シリアの化学兵器廃棄やアデン湾海賊対処」や「災害対処」での活躍を「持ち上げる」必要があるのでしょう
また、発言全体での位置づけが不明ですが、「潜水艦」の能力を具体的に取り上げている点は注目されます。特に、戦闘機等の(脆弱な)航空戦力だけじゃないよ・・とでも言いたげな雰囲気が漂っている部分が気になります。
今後とも「米国のリーダーシップが重要なのだ」との発言を、ワシントンDCで繰り返して頂きたいと思います
ハリス海軍大将の経歴
→http://www.cpf.navy.mil/leaders/harry-harris/
「次期PACOM司令官はP-3搭乗員」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-2
米国防省webサイトは、同大将の発言全体を映像で公開していますが、本日は記事として紹介している北朝鮮、中国、インドに関する部分をご紹介します
大統領の指揮を直接受け、対中国作戦を実行することになるのが太平洋軍(PACOM)司令官です。
日本生まれで日本人の血を引くハリス大将が、あの「真珠湾」を臨むPACOM司令部で司令官の職に就くのはそれ自体が感慨深いので、そのお話ぶり等にご興味のある方は以下の議会映像をどうぞ
→http://www.defense.gov/video/default.aspx?videoid=378438
2日付米国防省web記事は
●太平洋軍司令官候補者のHarris海軍大将は、上院軍事委員会でのヒアリングで、アジア太平洋地域では北朝鮮が最も不安定で危険だと述べた
●金正恩は気まぐれでその行動の予測が難しく、核兵器の獲得や大陸間弾道弾への搭載追求に対し向こう見ずな姿勢で挑んでいる、とも表現した
●もし国防予算の強制削減が2016年予算年度に再び訪れ、太平洋地域の空母が削減に追い込まれたなら、金正恩はこの機に乗じて何かを企むだろう。強制削減はリスクを増すことに繋がり、兵士の生命へのリスクを増すことになる。そしてアジア太平洋リバランスや米軍の態勢に影響を与える
●北朝鮮による地域不安定化の試みは、海洋分野に止まらず、サイバー等にも拡大している。北は非対称分野での優越を追求しており、サイバーはその一分野に過ぎない
中国に関しての発言
●劇的な中国軍事力の向上、その軍事力の活用に関する不透明さ、地域での挑発的な行動は、最も絶え間ない課題である
●強い中国や中国の強力な軍事力自体が悪いのではない。我々は、国際的な舞台に(協調しつつ)参加する強い中国を歓迎する
●東及び南シナ海での挑発的な行動を懸念しているが、他の分野での中国の活動にも注目すべきである。シリアの化学兵器廃棄やアデン湾等での海賊対処を中国は支援ししているのだ。
●また、マレーシア航空機の遭難事案やフィリピンでの台風被害への対応でも、中国は肯定的な動きを見せている
●中国A2ADには注視しなければならない。当地域での米軍のアドバンテージは、その潜水艦能力にある。戦闘機も必要な場所に到達して任務を遂行する鍵を握るが、潜水艦分野における優越性は、見通しうる将来においても「揺るぎない」
インドに関する発言
●当地域におけるインドの重要性を過小評価すべきではない。私はインドが地域における鍵となる国家だと信じており、私の担当地域を「インドアジア太平洋」と意図的に呼ぶことにしている
●インドは極めて重要な国であり、欠く事が出来ない国であり、米国の重要な友人である
任務全般への発言
●我々が国益を海外で守ろうとする時、国務省や他省庁との協力により力を増すことが出来る。数々の課題を前にして、政府機関による集団的な努力により、米国力と地域への関与を維持することが大事だ
●米国のリーダーシップが重要なのだ。リバランスを宣言して以降、日本との作戦を拡大し、豪州への海兵隊ローテーション派遣を開始し、韓国とのBMDや初協力を改善している。またフィリピンとは、重要な安保合意を結んだ
●財政上の見通しに懸念はあるが、リバランスは現実のものである。米国はそれを続けるパワーであり続けると信じている
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オバマ政権の政策方針に沿って任務を果たすに当たり、中国に関しては「シリアの化学兵器廃棄やアデン湾海賊対処」や「災害対処」での活躍を「持ち上げる」必要があるのでしょう
また、発言全体での位置づけが不明ですが、「潜水艦」の能力を具体的に取り上げている点は注目されます。特に、戦闘機等の(脆弱な)航空戦力だけじゃないよ・・とでも言いたげな雰囲気が漂っている部分が気になります。
今後とも「米国のリーダーシップが重要なのだ」との発言を、ワシントンDCで繰り返して頂きたいと思います
ハリス海軍大将の経歴
→http://www.cpf.navy.mil/leaders/harry-harris/
「次期PACOM司令官はP-3搭乗員」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-2
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