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CSBA:ヘーゲル長官に習い陸軍にA2AD部隊化を要求 [ヘーゲル国防長官]

米陸軍に前方展開型A2ADを担うミサイル部隊化を要望

CSBA-beyond-coast-artillery.jpg10月29日、シンクタンクCSBAが「沿岸防御火砲を超えて:全ドメイン拒否作戦と米陸軍」(Beyond Coast Artillery: Cross Domain Denial and the Army)とのレポートを発表し、米陸軍の作戦コンセプトを批判しつつ、ミサイル部隊や火砲を増強して敵の行動を阻止し、海空軍を支援せよと訴えています

ヘーゲル国防長官も10月15日に陸軍協会総会で米陸軍は誘導兵器や火砲や防空ミサイルを活用することで、陸上防御任務からイージス艦を解放できる可能性があり、検討する価値があると訴えたところです。
米陸軍より中国の最前線にある陸上自衛隊には、より切実な問題として認識してほしいモノです

レポート原文へのアクセスはこちら
http://www.csbaonline.org/publications/2014/10/beyond-coast-artillery-cross-domain-denial-and-the-army/

29日付Defense-Newsによれば
CSBA Eric Lindsey2.jpg●米陸軍は依然として、展開して陸地を占領する任務に存在価値を見いだしているが、10月中旬にヘーゲル国防長官が促したように、伝統的な沿岸防衛や領土防衛に戻るべきではないかとの声が挙がっている
●29日にCSBAのEric Lindsey研究員が発表したレポートは、ヘーゲル長官の示唆を発展させ、米陸軍の新たな役割「cross-domain denial:全ドメインでの拒否作戦」を提唱している

●ヘーゲル長官が陸軍協会総会で語ったように、CSBAのレポートは、米陸軍に地上から海や空ドメインにおける拒否作戦の遂行を期待している。
●そしてCSBAは、単に沿岸地域を防衛するだけでなく、敵の動きを制約する前方展開A2AD戦力としての役割を陸軍に期待している

●中国陸軍はレーダーや防空装備や対艦ミサイルにより米国や同盟国に対しアクセス拒否を行うが、米陸軍は米国の戦略的海洋通路を見渡す「砦」や砲兵陣地を配備していない
米陸軍は、海洋チョークポイントをなす東シナ海やペルシャ湾やバルチック海で、火砲、防空&ミサイル防衛装備、多連装ロケット等を活用できるだろう

CSBA Eric Lindsey.jpg●地上部隊の本任務における利点は、海空戦力に比し、防御強化が容易、分散や隠すのも容易、弾薬等の補給も容易な点である
●予算縮減の中ではあるが、米陸軍はまず作戦コンセプトを定め、机上演習を行い、同盟国等と既存の装備でまず実験してみる事は出来るだろう

●CSBAのLindsey研究員は、ヘーゲル長官の陸軍協会講演の直前に米陸軍が発表した作戦コンセプトを批判している。同研究員やヘーゲル長官が望む「拒否任務」を、十分に含んでいないからである
●CSBAの研究も更なるアイディアを求めている分野がある。地対地兵器や他の地上からの海空ドメインへの戦力投射手段もその一つだ。


ヘーゲル長官の陸軍協会講演
ワシントンタイムズ紙の報道
First D-News.jpgヘーゲル長官は、米陸軍が真剣に「U.S. coastal defense force」に検討すべきだと講演で述べ、「このような任務は陸軍にとって未知のモノではなく、1812年以降、100年にわたって従事したモノである」と付け加えた
●長官は「米陸軍は誘導兵器や火砲や防空ミサイルを活用することで、陸上防御任務からイージス艦を解放できる可能性があり、検討する価値がある」と訴えた。
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CSBAは以前から米陸軍に対し、攻撃&防御両面でのミサイル等装備を充実させ、前方展開型A2ADを遂行する作戦コンセプトに重点を移せ、と主張してきました

「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

でも喜ばしいのは、ヘーゲル国防長官がその方向性を検討すべきと公式の場で発言したことです。
Rethinking Seminar.jpgしかし残念ながら、同講演を紹介する米国防省web記事http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=123425)は、関係部分の発言を一切紹介していません。国防省側と陸軍側でせめぎ合いがあるのでしょう

日本は、つまり陸上自衛隊は米陸軍よりも先に、A2AD部隊化を進めるべきです
これまでも繰り返し主張してきましたが、9月に米海軍大学のヨシハラ教授もCNASから、自衛隊に同方向の変革を迫るレポートを出した所です

「ヨシハラ教授:対中国軍で日本版A2ADを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

元防衛大臣の森本敏氏も同様のアイディアを
元防衛相が「中途半端に」防衛構想を語るhttp://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
陸上自衛隊による地上発射ミサイル全ての運用案(A2AD部隊化案)も含む

陸上自衛隊は、たぶん依然として、以下の中澤論文のような路線で抵抗するのでしょうが・・・
「中澤1佐がA2AD案を傾聴に値すると」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10

米国防省と米陸軍間での「どろどろ」の争いは続くのでしょうが、外堀は確実に埋まりつつあると思います
早く陸上自衛隊も「Give Up」すべきです。
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