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台湾と英国の防空や防御への投資 [安全保障全般]

安価にかつ高性能な弾道・巡航ミサイルや無人機が世界中に出回り、防御側の対処が益々困難になる左近の状況ですが、台湾と英国から別々にこれら脅威に対応する動きが報道されていますのでご紹介します。

圧倒的に攻撃側が有利な中、何処まで防御兵器に投資するかは悩ましいところですが、一応の動向としてご参考まで

台湾は防空ミサイルに2500億円投資へ
Tien Kung 3.jpg●30日、台湾議会の国防委員会メンバーである有力議員が、2015年から2024年にかけて、ミサイル防衛のため旧式のホークミサイル更新のため2500億円を投資すると語った
●台湾国防省は、国産のTien Kung 3 (天弓-3:Sky Bow 3)地対空ミサイルを購入する計画で、予算案が29日に国会に提出された模様

●同ミサイルは1996年から開発がスタートし、2007年に軍事パレードに登場、2011年にはミサイル演習で試験も行われていたもので、戦術弾道ミサイル対処用として設計されている
●台湾地元紙は元国防大臣のコメントを引用し、Tien Kung 3 (天弓-3)は中国の巡航ミサイルやJ-20ステルス機の脅威に対応するモノだ、と報じている


英国防省がエネルギー兵器の企業選定に
●英国防省報道官は、同省の研究機関(Dstl)がエネルギー兵器(DEW:directed energy weapons)の技術デモを行う企業選定に入ると発表した
●報道官は「この4年間のプロジェクトは、将来の軍事能力に使用可能な高エネルギー技術の潜在能力を見極めるためのものである」、「細部は未定だが、本プロジェクトでは野外試験も行い、関連サブシステムの見極めも目的としている」と説明している

Lase-UK.jpgロッキード、レイセオン、MBDA、Thales、Qinetiq等が候補企業と言われているが、英国防省は約50億円の予算を予期している。
●英国防省のこの分野での取り組みは以前から有り、1960年代から着手され、1972年に項は米国との情報交換も行われている。また1982年のフォークランド紛争時には、アルゼンチン操縦者の目を幻惑するためDEW装置が英艦艇に搭載されていた

また英国防省は、2013年10月から2016年3月までの契約で、RF-DEW兵器(Radio Frequency)のプロジェクト契約をMBDAと結んでいる。同社は1999年に米海軍の施設でデモ試験を実施した実績を持っている
RF-DEW兵器は電子回路を破壊する狙いを持つ兵器で、EMP(電磁パルス)を局所的に発生させるメカニズムを利用する兵器である
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US-Taiwan.jpg台湾国産の「Tien Kung 3 (天弓-3)」の細部能力は不明ですが、ネット情報では射程20kmで、中国の巡航ミサイルやJ-20ステルス機に対処可能との触れ込みです。台湾は米国との共同開発を要請したそうですが、米側から断られて独自開発したようです

1000発以上の弾道ミサイルと同程度の巡航ミサイルに狙われている台湾は、「なすすべ無し」の状態でしょうが、台湾が落ちては大変ですので何とか応援したいモノです

DEW兵器(特にビーム兵器)は、悪天候下では雲や雨の影響を受けて威力が発揮できない欠点があり、これだけで従来の兵器の代替にはなりませんが、中国脅威の最前線にある日本としては何らかの貢献をしたいモノです
英国との共同開発の道も開かれつつあるようですし・・・

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