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北極圏での通信確保に向けてMUOSを [Joint・統合参謀本部]

21日付米海軍協会web記事が、温暖化で各国が先陣争いを繰り広げる北極圏での活動に関し、その最大のネックの一つである「通信確保」についての米政府や企業の取り組みを紹介しています。

専門的な知識が不足しており、正確にご紹介する自信がありませんが、これまで「忘れられた地域」であったため、対応はそう簡単ではなさそうです

21日付米海軍協会web記事によれば
MUOS1.jpg●北極圏での海洋活動は容易ではないが、その困難さは単に「寒さ」からくるモノだけではない。人類がこれまでほとんど利用しなかったことから、インフラが極めて限定的なのだ
基本的な通信でさえも、北極圏(北緯66度33分以北)では極めて困難である

●そこでLockheed Martin社は、当初海軍用に開発が始まった、新たな「five-satellite Mobile User Objective System:MUOS」衛星通信網に取り組んでいる
●20日に同社のPaul Scearce宇宙軍事計画部長が海軍協会の質問に答え、「伝統的な軍事通信システムでは、信頼できる通信確保は不可能だ」と語った

●一方「MUOS」は、当初北緯65度以上での使用を想定していなかったが、求められれば北極点でのニーズを満たす潜在能力を組み込んであると同部長は語った
●実際、2013年に同社が独自にC-130をチャーターして3タイプの無線機でテストし、北緯89.5度まで(完全ではないが)通信可能なことを確認した。
●同社の試験を見て、関心を有するモノが複数名乗りを上げ、今や政府の取り組みを企業が支援している



●最近では、5月に海軍を中心とした「2014 ICEEX」が行われた。また現在も沿岸警備隊の砕氷艦「Healy:WAGB-20」が、衛星2基のみが軌道上にある「MUOS」の有効性を試験している
●今後予定の米軍北米コマンド主催試験では、北緯65度から北上して通信域を確認する計画で、同試験に参加するLockheed社は、カナダ北部の基地やサンディエゴ等との通信確認を予定している

●同社のScearce宇宙軍事計画部長は「現状では常時通信を確保する事は出ない。どの程度可能なのかを北極圏での活動者は知りたがっている」と各種試験での通信状況確認の重要性を述べた
●現時点での推測では、カナダと北極圏の間の「Northwest Passage」では24時間カバーが可能で有るが、北極に近づくにつれ1日8時間程度になる。

MUOS2.jpg●現在国防省が使用中の「UFO:Ultra High Frequency Follow-On」通信網を「MUOS」に置き換えるのに、7300億円必要だが、これによりデータ伝送速度は10倍になる
●またMUOS運用には、ハワイ、イタリア、豪州西部、米国バージニア州に地上施設が必要だが、イタリアのSicilyでは反対運動で設置が遅れている
●更にMUOSを利用できる無線機が、「JTRS:Joint Tactical Radio System」計画が2011年に中止されたため、General Dynamics社の「AN/PRC-155 manpack radio」しかない点も注意点である
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理解が難しい記事ですが、5基必要な衛星が、現時点では2基しか無いようです
また地上施設も建設途上で、無線機も1種類しかないようです。更に、通信可能時間やエリアが実際に確認してみないとよく分からない点もありそうです

ご興味のある方は「MUOS」をググってみて下さい
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