SSブログ

なぜ空母艦載無人機が空中給油機に? [Joint・統合参謀本部]

ucas-bUSH.jpg1日付海軍協会web記事が、母艦載偵察攻撃機UCLASSに対して空中給油機能を期待する背景について複数の関係者の話として紹介しています。

UCLASSの企業向け提案要求書は、「出る出る」と言われながら依然米海軍内で揉めているようですが、無人機の特性を不十分にしか活用しない理解不能な空中給油機案が「なぜ」出現したのかを知る手がかりになるかもしれません

1日付海軍協会web記事によれば
●複数の関係者が海軍協会webに対し、米海軍がUCLASSを空中給油機として活用し、これまで給油機能も担って生きたFA-18E/Fの負担を軽減することを検討していると語ってくれた
●ある関係者は「典型的な(空母艦載機による)航空作戦の場合、5機までのFA-18に給油任務を課さなければならない」と述べている。この場合、ほとんどの給油機は空母に帰還する航空機に対して給油を実施している

X-47B Roosevelt.jpg●また企業関係者や退役海軍人によれば、空母艦載航空団のFA-18は、その飛行の2割を給油に提供している
●過去10年間にわたるイラクやアフガンでの飛行要求増で、FA-18は予想よりも高いレートで飛行時間を積み上げている。特に、機体重要が重くなる給油形態(five-wet)での飛行が、機体寿命を縮める事になっている
●海軍関係者は「機体をローテーションして給油任務を行わせることで、機体毎の寿命の偏りが生じないようしている」と語った

米海軍のFA-18EFとEA-18G計画担当幹部は、「給油形態での負担はカタパルト発信の際に生じるもので、ホーネットにステルスを与えていると認識している。現状を把握しており、今後の機体維持管理を考慮する要因として扱っている」と説明した
●また同幹部は「FA-18の機体寿命は継続して精査中である。同機への改修や延命計画の設計を予定しているが、海軍の要求と機体の状況を踏まえ対応することになる」と語っている
●同幹部は「海軍からは2030~2035年までFA-18を維持するとの要求がある。これにより当初計画の6千時間から9千時間への延命が想定されるが、追加の処置によりそれ以上も考え得る」と語った

●一方、軍需産業関係者は懐疑的でFA-18の引退が始まる2020年代半ばまでに、UCLASSの機数がどの程度揃うか不安を示している。また、空母1隻が搭載可能な6機のUCLASSが、給油任務と並行して、ISR任務等をどこまで出来るのかに疑問が出ている
●また海軍内には、格納保管しているS-3 Vikingsを活用する案も検討されている模様
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

本議論に対する「まんぐーす」的見方
X-47B Roosevelt2.jpg●(これは暗黙の共通認識ですが、)米海軍は問題が多く高価なF-35購入を極力避けたいため、FA-18の活用を前面に押し出している。このためNIFC-CA構想では、F-35を最前線のISRセンサーとしてのみ位置づけている

「米海軍の航空作戦構想NIFC-CA」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

●同時に海軍パイロット族は、無人機に仕事を奪われないため、UCLASSの役割を極端に絞ろうとしている。結果として、当初CSBA等の構想したUCLASS(無人・ステルス・長距離・ISR&突破爆撃等々)っからは、ほど遠いものとなっている

海軍内の予算配分争いの結果、海軍全体としてのバランスの取れた戦略や空軍等との連携が有名無実になっており、艦艇派は次期空母とLCS後継、潜水艦派は次期戦略原潜導入とバージニア級SSNの安定導入、航空派は操縦者の職確保に、「血みどろ」の争いを繰り広げている・・・

ちょっと心がゆがんでるかなぁ・・最近・・

関連の過去記事
「米海軍の航空作戦構想NIFC-CA」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
「なぜ8機EA-18Gが必要か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-13

「FA-18の後継FA-XXを語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-27
「35歳FA-18の将来方向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-15
「母機よりも搭載装備を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-11

「哀愁漂うUCLASS議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-17
「UCLASSで空中戦?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-24
「米海軍のNIFC-CAとは?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26

「脅威の変化を考えよう」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「UCLASSの要求性能復活?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0