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F-35:CBS「60 Minutes」と調達削減 [亡国のF-35]

人気番組CBS「60 Minutes」がF-35計画を紹介。でもその前に・・

F-35-60minutes.jpgBloomberg News(18日付?)によれば、米国防省2015年度予算案で、F-35の調達機数が当初計画の42機から34機に削減されるようです。
予算案の概要は24日にヘーゲル長官が会見して説明し、3月4日にオバマ大統領が正式に公表する予定のようですが、話題になりそうです

報道によれば34機の内訳は、空軍用が26機、海兵隊用が6機、海軍用が2機です。2014年度予算での調達数29機は上回るモノの、ペースダウンによる価格への影響は不明です
邪推ですが、予算削減による影響が理由との説明ながら、ソフトウェア開発の遅れや各種開発トラブルの影響で、この程度で「十分」なのかもしれません

人気TV番組CBS「60 Minutes」がF-35を
F-35-CBS.jpg16日、米CBSテレビの人気番組「60 Minutes」がF-35計画を取り上げました。時の話題に遠慮無く切り込んでいく番組で、1トピックを20分で紹介しますが、今回のタイトルは「Is the F-35 worth it?」です。
担当のDavid Martin 記者が番組内でインタビューしたのは、ケンドール国防次官、Welsh空軍参謀総長、BogdanF-35計画室長、Schmidle海兵隊中将、米空軍と企業F-35テストパイロット等です。

批判精神旺盛に対象に迫る番組ですが、「?」マークを額に浮かべつつ、相手の主張するアピールポイントも紹介しています。アピールになっているかは別として・・・
特段新しい情報があるわけではありませんが、非常に社会的インパクトや波及効果のある番組ですので、「マスコミ受け」しそうな部分を適当に「つまみ食い」紹介いたします

何時もF-35の「悪口」ばかり言っているので番組内に散りばめられたマイナスのエピソード7年の計画遅れ、16兆円の追加経費」、「宣伝通りの性能発揮せず」、「バルブの前後逆取り付け」、「ステルス塗装がいい加減な機体出荷」、「機体の翼ライトが航空局の基準満たさず」、「タイヤが大幅に摩耗」、「ソフト開発の遅れには深く触れません

ケンドール国防次官(調達担当)
Kendall III.jpg●この業界には古くからの格言「購入する前に、飛んで試すべきだ」がある。本格生産に入る前に、設計や組み立てが確かなことを確認するためだ
●(しかし)この機体に関しては、試験飛行を開始する前に購入を開始した。(飛んでみる前に買ったのか?)そうだ・・。(良いことには思えないが?)このような決定は軍需品の調達の悪習だ

BogdanF-35計画室長
●(F-35計画は「もう後には戻れないポイント」を通過したのか?)この計画から後戻りする、如何なるシナリオも私は知らない

welshCUSAF.jpgWelsh空軍参謀総長
航空優勢は誰かが与えてくれるモノではない。もしそれがなければ、我々は地上や海での全ての行動を今まで通りには出来ない
●中国やロシアもそう考えている国であり、我が現有の旧式の戦闘機が厳しい環境下で、新しい(それらの国の)戦闘機と対峙したら、命を失うだろう。それも戦っていると気づく前に。


Schmidle海兵隊中将
空中戦では、先にミサイルを発射した方が勝つ。この点、F-35は優れた情報処理能力で驚くべき優位を米軍操縦者に提供できる。
●具体数字に言及できないが、相手が我を発見する距離の5倍から10倍の距離で、我は相手を探知できる。(相手が他国のステルス機でもか?)自身の機体のレーダーが相手を発見するより遙か遠方で、相手の機体を探知できるとすれば、安全だろう

F-35操縦者:空軍中佐
●F-35は現有の機体とは比較にならない、今を超えた素晴らしさを持っている。最大の特徴は、F-35が収集し、処理し、操縦者に提供する情報にある
●現有の他機に比し、2400万行のソフトウェアに支えられたF-35が、情報処理の点で如何に素晴らしいかを控えめに表現するのは難しい

CBS記者がHMDをF-35操縦席で体験
ロッキードのテストパイロットが解説
F-35HMD2.jpgあなたが装着したヘルメットのバイザー部分に、機体に装着したカメラの映像が投影される。機体の各所に装備されたカメラを通し、全周を視野を得ている
●(操縦席から機体の下の様子も見えるはずだ?)カメラマンのTom Rapierが「one finger up」している様子が確認できる
●(価格はいかほど?との質問に、BogdanF-35計画室長は)関連のコンピュータ装置を含め5千万円以上する
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Welsh空軍参謀総長などのF-35推進派が強調しているのが、F-35のセンサーとしての能力や情報処理能力です。米海軍のNIFC-CAコンセプトもこの流れで、ネットワーク重視の戦いを打ち出しています。
A2ADに対処するため、ネットワークを活用して情報共有を図る手法が間違いだとは言いません

F-35-night-burner.jpgしかし、そのような米側の戦い方の弱点を突くこと重視する中国に、どのような具体的目算があるのでしょう? 
作戦初動で弾道/巡航ミサイルを多用し、同時にサイバーや電子戦を仕掛け、作戦基盤やネットワーク基盤を機能停止に追い込もうとする相手に、何か対処法を考えているのでしょうか?
私の知る限り、米軍には何の対処法もありません。

だから中国軍研究の先端を行く米海軍大学のホルムズ氏やヨシハラ氏は、またエアシーバトル提案のCSBAは数年前から、沖縄や南西諸島の地形を利用した抗たん性強化や、それに各種ミサイル等を組み合わせた日本版ミニA2ADの構築を提案しているのだと思うのですが・・・

F-35 program passed the point of no return?」・・残念ながらそうでしょうねぇ・・・
Welsh空軍参謀総長の「落ち着きのなさ」やBogdanF-35計画室長の懸命さが気になります。自信のなさが、表情や懸命さに現れているようで・・・。 人柄の良さは滲み出ているのですが・・・

番組映像はCBSのサイトで視聴可能です
http://www.cbsnews.com/news/f-35-joint-strike-fighter-60-minutes/

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