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中国が超超音速ミサイルWU-14テストか? [中国要人・軍事]

China-beidou.jpg14日付Defense-Techが、9日中国が超超音速ミサイル(hypersonic missile:音速の5~10倍の速度)の試験を行った事を受け、米議員3名が「米国が中国に軍事技術で後れを取った」と警告の声明を14日発表したと報じています。

議員達は、中国による当該ミサイル試験について非公開の議会軍事委員会で聞いたらしく、一般に情報は公表されていません
従ってその実態が不明なのですが、米軍内の同様の研究が予算不足で頓挫(X-51AやHTV-2)している最中であり、また中国版世界即時攻撃(PGS)システムにも繋がる可能性があり、大いに気になりますのでご紹介します

14日付Defense-Tech記事の事実関係
china-yutu-nuke-stockdetail-1.jpg●14日、下院軍事委員会のメンバーである3議員(Howard P. McKeon, Randy Forbes and Mike Rogers)は声明を発表し、「中国の超超音速ミサイル試験の情報を耳にし、米国防予算の削減により、米軍事技術の優位性維持に関して懸念を持っている」と訴えた
●中国の試験についてほとんど情報が公開されておらず、米国が過去数年間行ってきた試験との比較も困難だが、同議員達は「米国を彼らは追い越したように見える」声明で述べている

超超音速ミサイルはそのスピードによりミサイル防衛システムを突破する事を狙いとしているが、米、露、印、中国が開発に取り組んでいると言われている。
●議員達は14日に行われた非公開の軍事委員会に参加しているが細部は不明である。しかし中国の同ミサイル試験が、昨年5月に米国が行った試験以上の成功を収めたのかもしれない
昨年5月の米軍の試験では、B-52Hから投下されたスクラムジェット推進のX-51Aが、高度6万フィートで速度Mach 5.1を達成したがプロジェクトの予算が底を突き、米空軍は追加予算が承認されるのを待ち望んでいる状況

HTV-2.jpg●伝えられるところによれば、中国は爆撃機から発射されるタイプと、ICBMの先端から切り離されるタイプの超超音速ミサイル計画を進めているらしいが、先週の試験はICBMから切り離されるタイプであった模様。ミサイルが目標に命中したかや、所望の速度を達成したかも不明
●ロケットから切り離すタイプとしては、2011年に陸軍がハワイからAHW(Advanced Hypersonic Weapon)搭載のロケットを打ち上げ、超超音速に達成させている

●同議員達は「度重なる米国防費の削減は、米国の軍事技術優位を損なっている中国や他の競争国は、米国との軍事技術差を埋めるため前進を続けている。状況は太平洋地域でも平和共存をサポートするモノとはほど遠い。我々は未だレーガン時代の老朽装備に頼っているのに」と訴えた

14日付米空軍協会webサイトは・・・
●Webサイト「Washington Free Beacon」によれば9日、中国ICBMの先端に搭載された「WU-14」と呼ばれる「hypersonic glide vehicle」の試験が行われた。ICBMから切り離された「vehicle」が、超超音速でグライドし機動した
米国防省は試験が行われたことを認めたが、細部についてコメントしなかった
●3議員は「米国やその同盟国より戦略的優位に立つために、公益のための自由で解放された交通路を認めないような国を許しておくことは、我々を発火点に近づけることになる」との声明を発した

ご参考記事:海国防衛ジャーナル
「中国が極超音速滑空ミサイル「WU-14」の実験か」
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50719462.html
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中国の超超音速ミサイル(hypersonic missile)が何を目指しているのかは判りませんし、米軍のようなPGSをイメージしているのか不明ですが、模倣している可能性のあるPGS構想について若干復習いたしましょう

でも、中国がhypersonic missileをしっかりやっているとすれば大したものです
旧思考の西側軍高官が中国空母や戦闘機に注目して自国軍の組織防衛に走っているうちに、着々と最新技術を生かし、各種ミサイルや電子戦やサイバーや宇宙を通じてA2ADを完成させていく様子は、悔しいながら賞賛に値します

米軍の消滅した?PGS構想
(まんぐーすの記憶)
X51A3.jpg●2010QDRで表明されたPGSやCPGS(通常兵器による世界的即時攻撃:Prompt Global Strike)構想は、世界中のどの目標でも1時間以内に攻撃可能とするものです。
2013年度予算案では、PGSは潜水艦発射型(トライデントⅢ改良)の研究開発費が盛り込まれていた記憶がありますが、これ以降は、その他のHTV-2やAHW(Advanced Hypersonic Weapon)やX-51Aがどうなっているのか承知していませんF-35の陰で消えていく可能性大と見ています。

米軍の超超音速ミサイル研究
「X-51A:最初で最後のフル試験飛行成」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-07
「HTV-2試験失敗の分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-24

PSG関連過去記事
「PGSに少し明るい話題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
「パネッタ長官はPGSに期待」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-16
「対中国もう一つの柱PGSは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03
「核抑止の代替?PGSのCSM」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25

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