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大本営発表:F-35は2014年が鍵!? [亡国のF-35]

F-35 1st.jpg12月号の米空軍協会機関紙が「F-35:上昇の時」との記事を掲載し、性能やコストの面で改善傾向も見られるが、2014年が極めて重要な年になると「人類史上最大の武器プロジェクト」を紹介しています。
生産量の増加と部品調達、ソフト開発、燃料ダンプ機能問題、空対空性能の向上、HMD等々について国防省F-35計画室や企業の視点から説明しています

この機関紙「AirForce Magazine」は、軍需産業の応援を受けた米空軍御用達雑誌なので「F-35命派」ですが、予算の強制削減問題の陰に隠れて「状況不明」な部分が多いF-35ですので、掻い摘んで取り上げます

2014年の二つの鍵は
●BogdanF-35計画室長は、今後12ヶ月間で鍵となるのは2点である。一つは生産機数の増加が順調に進むか、もう一つはソフト開発に進展があるかである
●生産機数増は大きなチャレンジで、今後3年間で生産を倍増させるため、部品供給を支える企業群チェーンが機能するかにかかっている。エンジンと機体は順調に安定して見えるが。

部品の初期トラブルへの対応も頭が痛い点である。試験につれ部品の問題が明らかになるが、その対応に時間が掛かっている。試験と生産の同時進行の問題が顕在化している
●ソフト開発は、実際に兵器を発射投下して機能を発揮するかが大きな確認事項である。第一段階はレーザー誘導爆弾と空対空ミサイルである

F-35-Full-Mission-Sim.jpg飛行試験や教育の進捗状況
●昨年末の段階では1/3の進捗であったが、2013年末には1/2が終了できるだろう
●F-35の全機種が、全てのタイプの空中給油機からの給油試験を終了した。今はきわめて重要な新データリンク「Multifunction Advanced Data Link, or MADL」の試験を実施中
●全軍の操縦者教育を行っているフロリダのエグリン基地で操縦を学んだ67名を含め、計100名の操縦者を育成。計100機以上のF-35が飛行している

生産・運用拠点や数量増加
●現在、運用拠点は6箇所程度だが、今後4年間で更に11箇所増加する。そして2019年までには更に17箇所が増えることになる
●予定外の運用拠点増加や拠点の急速な増加もあり、部品供給体制や不具合対処体制が不十分であることは認めるが企業側も対策を採っている。

HMDの問題
夜間の性能、操縦者が頭を動かした際のずれ、視認性の問題等々が指摘され、「ほどほどの性能の」代替品開発も並行して行われていたが、ソフトやカメラの交換改修等々を経て代替品開発は中止が決定された
●企業側は、9000時間の飛行実績とパイロットの評価を得て、海兵隊F-35の初期運用開始には間に合うと述べている

ソフトウェア開発の状況
F-35 1st Missile.jpg●最初に運用を開始する海兵隊F-35は基礎的な機能を発揮できる「2B」ソフトで運用を開始する。次に最新プロセッサで「2B」と同等の機能が使用可能な「3I」ソフトに進む。
●空軍用F-35が搭載する予定のデータ融合が可能な最終版は「3F」ソフトと呼ばれる。「3F」ソフトでは機体に860万行のプログラムが必要だが、約30万行が未作成である。
●その中身からすれば、この30万行は決して容易な量ではないが、やり遂げなければならない

●(どのソフトか不明だが、)95%のソフトがコード化され、85%が飛行試験に提供されている
●BogdanF-35計画室長は、中間段階のソフト開発にはある程度の自信を示しているが、「3F」ソフトを予定の2016年から17年に仕上げる点に関しては「less confident」と語っている。
●また別の問題として、地上配備装置のソフトにも1000万行のプログラムが必要である

F-22調達数削減でF-35により空戦能力を
●ウェルシュ空軍参謀総長は、F-22調達数が削減されたため、これまでよりもF-35に航空優勢獲得能力を期待すると発言している。F-35計画室長も、F-16の後継として、F-35にF-22の役割を担わせる必要が在ると考えている
F-35の空中戦能力を強化するため、F-35計画には将来の能力拡張を検討する資金と計画が含まれている。F-35計画室長は「センサーと空対空兵器を検討し、今より空対空能力を向上を考えている」と語っている
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この「F-35命派」記事を読む際には注意が必要です。

F-35-canopy.jpgこの記事は米軍が計画通り計2443機のF-35を購入することを前提にしていますが、強制削減断行がほぼ避けられない中、これはありえません
仮に強制削減が無くても、約30年にわたりF-35に巨額投資を継続することは到底無理だと会計検査院も指摘しています。

調達機数が減れば単価が上昇し、「死のスパイラル」に入ること必至で、これは在るなしの問題ではなく「When」の問題です

一方、仮にこの2443機を押し通せば、次期爆撃機や空中給油機、戦略原潜、宇宙アセット、核兵器等々の待ったなし事業に影響がおよび、A2AD対処に「本末転倒」な負の影響が出ます。
なので「亡国のF-35」と名づけてご紹介しているわけです
輸出には「600機以上」を見込んでいるようですが、日本のような「お人よし国」ばかりではないので、輸出側面でも「負のスパイラル」は不可避です

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