欧州も続々無人攻撃機テスト [安全保障全般]
7日付Defense-Newsは、欧州各国が複数の企業を巻き込んで進める無人作戦機（UCAS：unmanned combat air system）が「続々と」飛行試験を開始している様子を報じています。もちろん正式な開発製造段階ではなく、試作機やデモ機との位置づけですが、タイフーンやラファールの後継機候補も視野に入れ、2030年運用を前提に可能性を確認する試験が行われています
なんでも無人機が良いと叫ぶほど無邪気なまんぐーすではありませんが、欧米が当然のごとく取り組む無人作戦機を「ほぼ完全に無視」し、２番煎じの有人ステルス戦闘機だけに「パブロフの犬的猪突猛進」する日本の姿には「激おこプンプン丸」状態にならざるを得ません
英と仏を中心とした欧州のUCASは
●10月に英国防省が議会に提出した文書の中に、「UCASデモ機のTaranisは2010年から地上試験を開始し、2013年に飛行テストが行われた」との一文があることが明らかになった。英国防省とBAEは試験状況についてコメントしない姿勢で、英国防省は飛行試験終了までノーコメントだとしている●「Taranis」はBAE社を中心とした企業群が取り組む英軍用UCAS試作機の計画機名で、2005年に開発契約がスタートした計画である。企業群にはBAE, GE Aviation Systems, Rolls-RoyceとQinetiQが含まれている
●本年7月、試作機が豪州のWoomera試験場での飛行に先立ち運び込まれた。飛行試験は9月に予定されていたが、実際の初飛行はより速く行われたとの噂もある。
●約8トンの機体の開発は約3年遅れた。技術的問題や要求事項の追加、リスク低減改良等による影響で遅れたといわれている。
●英国防省の文書によれば、同機は既存技術（off-the-shelf technology）で自動化や指令装置やセンサー等をまかない、兵器発射までをデモする計画の模様
DassaultやEADSも試作を
●Bloombergの報道によれば、Dassault, Saab, Finmeccanica等が取り組む「Neuron」は昨年既に2回の飛行試験を行い、今年後半に飛行試験を再開した模様●EADSも「Barracuda」の飛行試験を行っている。ちなみに独はUCAS計画を持っていない
●そんな中、BAEとDassaultが、TyphoonとRafale以降の2030年代の作戦機検討のため、18ヶ月の共同準備作業契約を結んだとのニュースがあった。この検討のオプションのひとつとしてUCASがあるものと考えられる
●英国防省は文書の中で「英国は2015年の将来作戦機に関するStrategic Defence & Security Reviewで、戦力的な能力決定を行わねばならない」としており、デモ機等の試験結果にも注目が集まっている
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既存技術（off-the-shelf technology）で、開発リスクを極言してUCASが可能なら、なぜ日本でも同様の試みが、せめて議論なりとも自然と行われないのでしょうか？なぜ世界の動向から眼を背け、有人ステルス機の開発のみに「日が当たる」のでしょうか？
依然として「ムラ」社会を形成する日本の防衛組織において、UCASのような自然な発想を「排除」したり「育てない」雰囲気があるのでしょう。「ムラ」の掟があるのでしょう。
そして「掟」の死守するのは、UCASのようなシステムが登場してポストを奪われるあの人たちです・・・
「戦闘機の呪縛から離脱せよ！Ver.2」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
ロバート・ゲーツ語録
→皆に気づいて欲しい。空軍の歴史の大部分は空中戦と爆撃機の能力で彩られているが、ベトナム戦争以来、空軍パイロットは空中戦で相手を撃墜していない
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09
岡崎研究所が画期的主張
→「尖閣上空の制空権確保にしても、昔のような戦闘機同士の空中戦はほぼあり得ないでしょう。戦闘機の数のみを比べても、あまり意味のない時代になりました」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-17
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