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米議会とF-35:なれ合いの構図か [亡国のF-35]

F-35-Netherland.jpg10月号のAF-MagazineがF-35を巡る米議会の状況について「Lightning Rod on the Hill」との記事を掲載しました。同誌を発行する空軍協会は軍需産業が大スポンサーの組織であり、一般的に同誌では、軍需再業界への波及の裾野の広いF-35は「絶対防衛圏」の装備として扱われています。
この記事も当然F-35批判を前面には出していませんが、記者もF-35計画が「too big to fail」な問題児で将来に禍根を残すことは十分承知なので、極めて「陰鬱な」記事に仕上がっています

明確には述べてはいませんが、婉曲表現で、議会でF-35計画に反対する議員はいるけれど最後は丸め込まれていること、反対派議員は大きな勢力にはならず、せいぜい国防省に「しっかり監視して時々報告せよ」と叫ぶ程度だ。予算強制削減の中でもF-35の優先順位は高い・・等々と、去勢されたような議会の状況描写がなされています

日本もこうなんだろうな・・・。つまみ食いでご紹介します

記事「Lightning Rod on the Hill」は・・・
F-35canada.jpg●これまでタカ派の共和党議員が占めてきた上院国防予算小委員会の委員長に、オバマ大統領と近い民主党のRichard J. Durbin議員が就任して以降、F-35計画に厳しい質問を投げかけている
●米軍全体で2443機を今後20年以上にわたって調達するため、今後20年間、毎年機体購入だけに1.3兆円が必要との実行不可能な計画である点。更に30年間の維持費の総額が、当初見積もりの100兆円から現時点で86兆円と若干低下傾向にあるとは言え、依然巨額である点等を指摘してきた
●しかし種々の公聴会や証言と数ヶ月の検討の後、最終的に議会は2014年度にF-35を29機調達する予算案を認めている。ケンドール国防次官も「20年前に戻ったつもりで、更に3兆円も再投資してF-35の代わりを開発するなど意味をなさない」述べている
●ただしその後も会計検査院は、爆撃機や空中給油機や潜水艦等の大型案件がある中で、F-35計画を維持することは難しいと指摘しているところである

●さすがに、2015年度予算でのF-35調達数42機(45%増)にはブレーキをかけ、Durbin議員の委員会は空軍4機と海軍2機削減した36機を案とするようである。それでも22%増である
F-35事業には、直接又は間接的に46の州で計約12.5万人が関わっており、ロッキードマーチン社が議会で根強い支援を受けている事に大きな驚きはない

F-35transonic.jpg●2014年度予算審議時に、F-35が所要の性能を満たすまで予算全体を凍結する法案が提出されたが、僅か10名の賛同しか得られなかった。そしてその10名の一人は、「凍結法案」賛同後に「F-35計画凍結は経済的影響が大きい」と態度を翻している

●マケイン上院議員は、予定経費超過のプロジェクトに辛辣であり、4月にはF-35価格や維持費高騰を厳しく非難している。(しかし)彼がF-35計画について「cautiously optimistic」と語った直後に、彼の選挙区であるアリゾナ州のLuke空軍基地に、追加で約70機のF-35配備が発表された

●F-35計画の精査を訴えている議員は下院にもいる。彼らは「我々は否定的な立場ではなく、肯定的な立場で国防省や企業競技を続けている」と語っており、下院の軍事委員会はF-35予算の削減や凍結でなく、計画全体への監視を強化する法案を6月に採択した。
●来年3月までにソフト開発について報告を求める内容である。同時に会計検査院にも長期の維持費についての検査レポートを求めている

上院は下院よりもF-35計画の進捗に満足しており、2015年度における国防省のF-35増産計画を支持する方向にある。上院はまた、ソフトやHMD、空母着艦用フックや兵站システムALIS、燃料ダンプシステムに関するレビューや報告を求めている

●国防省が行った強制削減対応の検討(SCMR?)では、F-35は優先度の高い計画として位置づけられていた。今後の予算を巡る状況は予想が困難だが、多くの専門家はF-35が強く生き残ると見ている
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ご紹介する力も抜けてしまう中身です。
McCain2.jpg真実の程はわかりませんが、マケイン上院議員と「Luke空軍基地にF-35を追加70機配備」と「cautiously optimistic」の件は読みたくなかった部類のお話です

そのまま解釈すると、米国内で「亡国のF-35」を止める人は誰もいない模様・・・です。
改めて申し上げると、もちろん日本にF-35を止められる人物は思い浮かびません。みんな、所属組織の想いを勝手に背負って小さく身をかがめて・・・。

マケイン議員の選挙区にF-35追加配備
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-05
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コメント 1

F-35

やはりいつの時代も、心から国家を愛し、行動できる人間は限られているのでしょうね。右も左も保守もリベラルも結局根本的には何も変わらないのでしょうね。
by F-35 (2013-10-10 11:17) 

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