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空中給油機初号機が強制退役へ [米空軍]

KC135R.jpg2月21日、KC-135R空中給油機の運用初号機が、寿命を残しつつも50年以上にわたる任務を終えて引退しました。引退後は、アリゾナ州にある基地で部品提供用機体として地上で管理されます
単なる老朽機体の引退ニュースですが、予算削減の影響と空中給油機部隊の現状を見る良い機会であり、日本の空中給油機を考えるチャンスでもあるのでご紹介します

まずKC-135R引退の事実関係は・・・
KC135R3.jpg●引退した機番「61-0312」号機は、1962年8月から飛行を開始し、1985年にエンジン換装を行った機体で、これまで22500時間飛行している
●同機は本年1月にも15回飛行を行い、空中給油操作員の教育に使用されており、まだ退役の基準に達したわけではない
2013年予算で16機のKC-135を引退させることが決定しており、(米空軍が保有の計430機の)KC-135を個別に精査した結果、同機を強制的に早期退役させることになった

送り出した維持整備関係者は
●わが基地でのKC-135は、年間1機当たり平均91回飛行し、平均年間計351時間のフライトを行っている。十分な数のKC-135Rを保有しているので、1機が引退しても飛行要求には対応できる
むしろ、1機が退役して他機の飛行時間が増えることで、維持整備上は好ましい影響がある
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以下はコメント

空中給油機確保は米空軍最大の課題
KC135R2.jpg●米空軍の主力空中給油機KC-135(約430機)とKC-10(約60機)は老朽化が進んでおり、飛行時間当たりの維持費が高騰し空軍を圧迫している
●次期給油機のKC-46Aの選定が遅れたこともあり、特に古いKC-135の維持が大きな経費負担となっている。
●KC-46Aは約180機調達予定も2017年に導入開始の見込みで、KC-135も細く長く維持する必要あり。KC-10も導入後25年以上が経過するが、あと30年以上使用する必要があるとの見積り

ところで日本は僅か4機の保有
●遠方攻撃力を増す中国のA2ADに対応するには、我の基地被害も念頭に置き、東日本や北日本からの出撃を考慮した対処計画が必要なはず。そのために戦闘機調達数を削減しても空中給油機の追加配備は必要不可欠な施策だったはずです
しかし、戦闘機の事しか頭にない我が空軍は、中国の攻撃をまともに受ける沖縄に戦闘機を追加配備し、容易な目標として敵の生贄に献上する方向を打ち出しています

KC-767.jpg●その思考論理はまったく理解できませんが、恐らく現在の戦闘機数を維持するため(高価なF-35購入でも機数を削減されないため)、勇ましく前線に展開させる姿勢を見せざるを得なかったのだろうと思います
戦闘機数の維持は不可侵の不文律。触れるとどんな仕打ちを受けるか分からない恐怖心から、数10年も放置されてきた根拠無き&意味無き&思考停止効果抜群の教義です
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「亡国のF-35」購入を推進する背景にはこの「戦闘機数維持」の「教義」があり、その他我が国が無人機やサイバー等々に投資できないのも、全てこの教義維持が背景にあります

機会がある方は聞いてみてください。なぜ現在の戦闘機数が必要なんですか? どうしてその数を限られた予算の中で維持する必要があるのですか?

「新給油機KC-46Aは日本に来ない!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-11
タグ:KC-135R KC-10 KC-46A
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