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米空軍T-38練習機の後継争い [米空軍]

米空軍T-38練習機の後継機種のお話です。
T-38 two.jpgT-38は優秀な練習機で、1959年の初飛行以来1100機以上が生産され、米軍以外の西独、ポルトガル、トルコ、台湾、韓国でも使用されています。

T-38は安定した飛行性能で高い稼働率、しかも低価格て整備も容易な優等生です。音速突破も可能で、中高速域での運動性能は現代の戦闘機と比較しても遜色ないため、長年にわたり戦闘機操縦者の基礎教育に使用されています。

しかし最近は老朽化による機体の亀裂等が多数見つかっており、後継機(T-X)の選定が米空軍の大きな課題となっています。

「T-38に亀裂やトラブル多発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20-1

候補には事欠きませんが、問題はお金。2012年度予算の関連経費は凍結されており先行き不透明ですが、空軍報道官は、2013年度予算にT-X運用開始を2020年として予算を計上していると説明しています。

T-Xの試験や教育カリキュラム見直し等々に要する時間を考えれば、T-X選定は待ったなしであり、4つの軍需産業グループが提案準備を進めている模様です

28日付Defense-Newsによれば・・・
●提案されるであろう候補機種は4つ
--- Alenia AermacchiとGeneral DynamicsがT-100
--- BAE Systems and NorthropがHawk Advanced Jet
--- Lockheed Martinが韓国KAI製のT-50
--- Boeingは新機種を要望に応じて開発

●専門家のコメント
T-38A_Talon.jpg---選定されるT-Xは、F-35への導入機種でもあり、F-16やF-15に進む操縦者育成用でもある。
---2014年初頭に、各企業に対し空軍から正式な提案要求が出されるものと予想されている
---T-Xが海外の市場をどれほど意識しているかは現時点で不明である。また、軽攻撃機としての市場がどれほどかも明確ではない

---BAEとLockheedは早くから参入を宣言しアピールしていたところ、Alenia-GDが最近参入を宣言して過熱してきた
---LockheedはF-35製造を担当していることが有利だと主張し、物議を醸している
---Boeingは既存技術を活用し、要求にぴったりの新造機を価格・性能両面で用意できると自信満々で注目されている
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T-38 tx.jpg米空軍の機種選定は、KC-46選定が2度仕切り直し、軽攻撃機もやり直しとなっており、信頼が地に落ちている中での大規模な機種選定です。
練習機は候補機が多く、どれも一定の水準にあるため、評価基準の設定「さじ加減」が大きな影響力を持ち、「嵐を呼ぶ」可能性大です。

また、外国企業が絡む場合は外交的な配慮もあり、複雑さが増します。Aleniaは伊、BAEは英、KAIは韓国で、既に国際問題化の匂いプンプンです。お手並み拝見・・・

T-38練習機関連の過去記事
「ボーイングがT-38後継を語る」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-18
「T-38後継は国際協力で!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28
「T-38に亀裂やトラブル多発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20-1

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