中央軍司令官を海空軍に!?

5日付「DODBuzz」がWSJ紙記者の論説を引用し、米中央軍の任務がイラク・アフガンから変化する中で、陸軍と海兵隊大将が長らく務めてきた中央軍司令官ポストに、海軍か空軍の将軍が就任するのでは、との予想記事を掲載しています

予想の当たり外れはともかく、地域情勢の変化を側面から見る良い機会ですのでご紹介します

5日付「DODBuzz」記事は・・・
●WSJ紙のJulian Barnesが、現米中央軍司令官マッテス海兵隊大将の後任者を、米国防戦略の変化と大統領選挙にからめて興味深く分析している
●Barnes氏は、次期中央軍司令官は海軍か空軍大将になるだろうと示唆している。仮にそうなれば、1983年に中央軍が創設されて以来、海軍の場合2回目の、空軍の場合は初の司令官となる

●伝統的に中東地域を担任する米中央軍の指揮は、陸軍と海兵隊が執ってきた。しかしイラクやアフガンからの撤退が本格化し、イラン「変数」の影響力が大きくなる変化が見られる
●米中央軍指揮官ポストは米軍内でも最上のポストの一つであり、仮に同様の地域軍司令官職に現在配属「ゼロ」の空軍大将が就任すれば、クーデター的衝撃となるだろう

●イスラエルがイラン核施設攻撃をチラつかせているが、仮に攻撃が実行され中東地域が不安定になった場合、中東同盟国防衛の米軍任務は海空軍戦力が主体になろう
●このような環境の変化から、複数の軍事専門家が中央軍指揮官に海空軍神就任の可能性を示唆している

●上記Barnes氏は、マッテス大将の後任候補として・・・
--- Mike Hostage空軍大将→現空軍戦闘コマンド司令官で、中央軍の航空アセット指揮官（JFAAC）経験者
--- Bill Gortney海軍大将→現大西洋艦隊司令官で、中東を担当する第5艦隊司令官経験者

陸軍から候補者をあげると・・・
--- Lloyd Austin陸軍大将→現陸軍副参謀総長で、イラク派遣米軍司令官を経験

●オバマ大統領の新国防戦略は海空軍重視がにじみ出ている。しかし、陸軍のAustin大将はイラク撤収を政府の指示通り「不平を言わず」遂行したことでオバマ大統領によく知られており、候補として有力
●ロムニー候補が大統領になった場合、ロムニー氏の安全保障アドバイザーが海軍関係者で占められていることから、Gortney海軍大将が有力との見方もできる
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確かにイランの核施設に対する軍事行動が行われた場合、またその波及的影響が広まった場合、海軍と空軍の果たす役割が大きくなるのでしょう。

それにしても、空軍人の地域軍司令官が「ゼロ」状態にあるとは・・・・。
記事は地域軍司令官ポスト競争で「多軍種に比して、大きく後れを取っている空軍」と表現していますが、空中戦命や戦闘機命だけの人材には限界があるということでしょうか？

オバマ大統領再選の影響はあるのでしょうか？？？

「対イランのAirSea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-26

「脅威の変化を語らせて」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08

タグ：マッテス海兵隊大将 中央軍司令官