次期F-35責任者：企業との関係は最悪 [亡国のF-35]
「ロッキードとF-35計画室との関係は最悪である」
17日、次期F-35計画責任者で現在副責任者であるボグダン空軍少将（中将昇任予定者：Christopher Bogdan）が空軍協会主催の会議で講演し、F-35開発生産に改善が見られないF-35製造企業のロッキードマーチン社を酷評しました。
以前以下の記事でご紹介したように、同少将は数多くの開発プロジェクトに関与してきた「プロ中のプロ」であるだけに、その言葉には重みがあります。如何にF-35開発が「でたらめ」な状況にあるかを如実に物語っています。
「次期F-35責任者は空軍から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09-1
それでも、例えば米空軍長官は「これ以上コストが高騰すれば、調達機数を削減する」、「過去に数度、追加経費を投入したが、その結果の価格固定契約であり、これ以上資金は投入しない」と明言しており、「亡国のF-35」と「底なし沼」に沈みつつある我が国とは異なります。
Bogdan少将はロ社関係者を目の前に・・・
●私は5週間前に副責任者に就任したばかりだが、こう表現できる。ロッキードマーチン社（ロ社）とF-35計画室（program office）の関係は最悪で、本計画の最大の脅威となっている
●第5ロットの契約が1年以上の交渉を経てもまとまらない。11年間も共に仕事をしてきた企業との契約交渉が1年以上かかるなんてありえない
●我々は2011年に価格固定契約を結び、その達成に向けた旅の途中だが、日々の業務を改善すること無しに目標には到達できない。国防省は年初に、ロ社に多額の追加費用と30カ月の追加期間、更に179機の遅延承認という「大きな贈り物」をしたばかりなのに。
●追加経費ねん出のため、他を犠牲にしたのだ。我々は後戻りしないし、もう柔軟性を発揮できない。何も与えない。価格固定契約なんだから
●第5ロット生産に関しては、ロ社は経験値を高めてコストをもっと低下させなければならない。低下程度が不十分である。
●かすかな希望の点滅も見える。コスト削減につながる程の生産の改善ではないが。仮に生産過程を改善できれば、納税者にそれを還元できるのだ。ロ社がその方向にあることを信じ、彼らが生産コスト削減に繋げてくれることを望む
●国防省が修正した現状のF-35計画は「潜在的には達成可能である。僅かではあるがトンネルの向こうに明かりが見える」
●しかし、現状のF-35維持戦略で2443機もの機体を維持するのは間違いである。現状で莫大なトータル維持経費とその背景にある維持戦略の根本的な変更が必要である
●自動化兵站システム（ALIS）のソフト及びヘルメットは、依然計画進捗の大きな障害となっている。
●ALISソフト開発はこれまで常に4か月遅れ状態であったが、今後本格的な「極めて非常に複雑な」Block 3ソフト開発に入る。11月末にソフトが動き出すとしても、海兵隊が基地に航空機を配置するタイミングと同時ぐらいになる。
●国防省はALISの遅れを受け、ロ社の工場から多数の航空機を受け取れないでいるのだ。ソフト開発に大きな懸念を持っている
●ヘルメット（HMD）も大きな問題だ。ヘルメットがないと戦場で戦えないのに、VSI社のヘルメットは全く粗雑な出来である。
●この問題解決のため、専用の試験機を1機充当して対処させているが、現在の対処計画が順調に進んでも、海兵隊が初期運用体制確立を希望している2015年までに不備の是正が終了しない
●VSI社の製品がものにならない場合に備え、BAE社の代替ヘルメットの評価を未だに行っている状況である
ドンリー空軍長官は同会議で・・
●仮に、これ以上開発過程で重要な問題が発覚したら、国防省は調達機数を削減する
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米軍関係者も、ついに「プチッ」と切れました。
同少将の講演の後、ロ社の報道官は「成功のためには全ての関係者が関与することが必要だ、と述べたボグダン少将に同意する」と述べるにとどめたようです。
オスプレイは米軍経費で飛ばすんだし、脱出装置のない機体で米軍操縦者の命がかかっていマス。米軍もそんなにいい加減なことはしません。
しかしF-35は違います・・。一度導入したら最後までしゃぶられますよ・・。厚顔無恥なロッキードマーチン社に。
「F-35の生産開始は早すぎた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08
「米会計検査院のF-35批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-21
「空軍トップ：維持費に確信なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-03
「亡国のF-35」カテゴリーに48本の記事を掲載して２年以上フォローしています。
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1
Twitterもよろしく→https://twitter.com/Mongoose2011
17日、次期F-35計画責任者で現在副責任者であるボグダン空軍少将（中将昇任予定者：Christopher Bogdan）が空軍協会主催の会議で講演し、F-35開発生産に改善が見られないF-35製造企業のロッキードマーチン社を酷評しました。以前以下の記事でご紹介したように、同少将は数多くの開発プロジェクトに関与してきた「プロ中のプロ」であるだけに、その言葉には重みがあります。如何にF-35開発が「でたらめ」な状況にあるかを如実に物語っています。
「次期F-35責任者は空軍から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09-1
それでも、例えば米空軍長官は「これ以上コストが高騰すれば、調達機数を削減する」、「過去に数度、追加経費を投入したが、その結果の価格固定契約であり、これ以上資金は投入しない」と明言しており、「亡国のF-35」と「底なし沼」に沈みつつある我が国とは異なります。
Bogdan少将はロ社関係者を目の前に・・・
●私は5週間前に副責任者に就任したばかりだが、こう表現できる。ロッキードマーチン社（ロ社）とF-35計画室（program office）の関係は最悪で、本計画の最大の脅威となっている●第5ロットの契約が1年以上の交渉を経てもまとまらない。11年間も共に仕事をしてきた企業との契約交渉が1年以上かかるなんてありえない
●我々は2011年に価格固定契約を結び、その達成に向けた旅の途中だが、日々の業務を改善すること無しに目標には到達できない。国防省は年初に、ロ社に多額の追加費用と30カ月の追加期間、更に179機の遅延承認という「大きな贈り物」をしたばかりなのに。
●追加経費ねん出のため、他を犠牲にしたのだ。我々は後戻りしないし、もう柔軟性を発揮できない。何も与えない。価格固定契約なんだから
●第5ロット生産に関しては、ロ社は経験値を高めてコストをもっと低下させなければならない。低下程度が不十分である。
●かすかな希望の点滅も見える。コスト削減につながる程の生産の改善ではないが。仮に生産過程を改善できれば、納税者にそれを還元できるのだ。ロ社がその方向にあることを信じ、彼らが生産コスト削減に繋げてくれることを望む
●国防省が修正した現状のF-35計画は「潜在的には達成可能である。僅かではあるがトンネルの向こうに明かりが見える」●しかし、現状のF-35維持戦略で2443機もの機体を維持するのは間違いである。現状で莫大なトータル維持経費とその背景にある維持戦略の根本的な変更が必要である
●自動化兵站システム（ALIS）のソフト及びヘルメットは、依然計画進捗の大きな障害となっている。
●ALISソフト開発はこれまで常に4か月遅れ状態であったが、今後本格的な「極めて非常に複雑な」Block 3ソフト開発に入る。11月末にソフトが動き出すとしても、海兵隊が基地に航空機を配置するタイミングと同時ぐらいになる。
●国防省はALISの遅れを受け、ロ社の工場から多数の航空機を受け取れないでいるのだ。ソフト開発に大きな懸念を持っている
●ヘルメット（HMD）も大きな問題だ。ヘルメットがないと戦場で戦えないのに、VSI社のヘルメットは全く粗雑な出来である。
●この問題解決のため、専用の試験機を1機充当して対処させているが、現在の対処計画が順調に進んでも、海兵隊が初期運用体制確立を希望している2015年までに不備の是正が終了しない
●VSI社の製品がものにならない場合に備え、BAE社の代替ヘルメットの評価を未だに行っている状況である
ドンリー空軍長官は同会議で・・
●仮に、これ以上開発過程で重要な問題が発覚したら、国防省は調達機数を削減する
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米軍関係者も、ついに「プチッ」と切れました。同少将の講演の後、ロ社の報道官は「成功のためには全ての関係者が関与することが必要だ、と述べたボグダン少将に同意する」と述べるにとどめたようです。
オスプレイは米軍経費で飛ばすんだし、脱出装置のない機体で米軍操縦者の命がかかっていマス。米軍もそんなにいい加減なことはしません。
しかしF-35は違います・・。一度導入したら最後までしゃぶられますよ・・。厚顔無恥なロッキードマーチン社に。
「F-35の生産開始は早すぎた」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-08
「米会計検査院のF-35批判」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-21
「空軍トップ：維持費に確信なし」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-03
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→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1
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