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米は特別チームを:米印軍事交流 [Joint・統合参謀本部]

2歩進んで1歩後退することもあるが、それでも一歩は前進している。これこそ我々がトライするところ

india.jpg14日付米国防省web記事が米太平洋軍による対インド戦略関係強化」と題する記事を掲載し、ロックリア海軍大将が率いる太平洋軍が6名の特別チーム(mini think tanks)を編成し、新国防戦略DSGに示されたインドとの軍事関係強化に取り組む意気込みを紹介しています。あくまで「意気込み」です。ご注意を

新国防戦略には、対インド関係について特に力を入れた記述があり、「米国は(アジア太平洋地域への優先変更に際し)インドへの投資を特に求め、長期的な戦略的パートナーシップを構築し、地域経済のアンカーとして、そして広大なインド洋における安全保障提供者としてインドを支える」との主旨を強調しています。
また、太平洋軍司令官も「インドと戦略的な認識を共有し、共にどのように繁栄と平和と移動の自由と世界の繁栄につなげられるかを考えたい」とインタビューに答えているところです。

更に最近、パネッタ国防長官やカーター副長官も訪印し、両国関係のてこ入れを図っているところです。
「パネッタ長官インド訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-06
「インドでは商売人の副長官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-24

特別チームのAlbaneze陸軍大佐は・・・
軍人と文民職員計6名で構成される太平洋軍司令部内の特別チームは、米印関係を前進するための多様な課題に対する助言を司令官や上級スタッフに行っている。
●インドはアジアと中東をつなぐ位置にあり、最近の経済、外交、情報分野での発展は、インドを地域の影響力あるリーダーにしている

米印関係の進展が遅れていることは否定しない。半世紀にわたり、インドは非同盟諸国のリーダーであり、戦略的自立が公式政策である独立国である。
●一方で、インドが米国との接触を求めているサインを感じている。2010年に初の戦略対話を持って以来、本年6月を含め2回の対話を行っている。協力の歴史はなくても、定期的な協議により成熟したプロセスへ進歩できると考えている
今は成熟の段階にはないが、その方向に進もうとする多くの試みが進行中である。両国関係は深化を続けている

india2.jpg●両国軍間の演習は深化の好例である。多くの演習は部隊レベルのものであるが、人材交流や教育訓練面等を含め、多様な軍事交流を行っている。代表的な演習は以下のとおり。
海軍間では毎年「Exercise Malabar」を行っており、本年4月の同演習にはオブザーバーとして数カ国が参加した
陸軍間では「Yudh Abhyas」演習を行っており、共に人道支援や災害対処等を訓練している
空軍間では「Cope India」を実施し、2008年には米国内での「Red Flag」演習にも参加している
●インドは海兵隊を保有しないが、米海兵隊はインド陸軍と着上陸作戦を中心とした演習「Exercise Shatrujeet」を行っている

両国軍は演習の高度化を望んでおり、更に演習の統合化(複数の軍種が参加)に向けた動きがある。インド海軍は世界最大規模であり、陸軍も平和維持活動に恒常的に参加している。
2歩進んで1歩後退することもあるが、それでも一歩は前進している。これこそ我々がトライするところ

同時に武器輸出面での努力も
IndiaDM.jpg6月、パネッタ国防長官は訪印した際、「インドが自国の軍需産業を育成したいとの希望を持っていることは理解するが、米国はインドに最高の軍事技術を提供する」と述べ、武器売却の障害になっている米国規制と手続きの改正に取り組む意欲を強調した。

7月に訪印したカーター副長官は、インドに米国との関係深化を促し、演習から軍事対話、装備品貿易や研究開発協力にわたる幅広い関係強化を訴えました。曰く「両国関係の深化の障害たる官僚制や障害を除去し、大きな目標を設定したい」と主張した。
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さすが専門家。Albaneze陸軍大佐の視点は冷静です
「半世紀にわたり、インドは非同盟諸国のリーダーであり、戦略的自立が公式政策である独立国」であり、対中国の共同戦線に無理やり巻き込もうとしても難しいことを身にしみて感じているようです。
india3.jpg「米印関係の進展が遅れていることは否定しない」、「2歩進んで1歩後退することもあるが」、「今は成熟の段階にはないが、その方向に進もうとする多くの試みが進行中」等々の言葉の端々に、苦労のあとが伺えます

中国の脅威が近年増大していることは否定できませんが、インドにとっては、ベトナムや台湾のように差し迫った、また、国の存亡に関するような脅威ではないとの感覚があるのでしょう。でも・・日本は間に入って出来ることがあるような気がしますが・・・。

ご紹介した写真は、記事に付随した米印関係強化を示す証拠写真です

「米印軍事交流の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-27
「インド原潜が本格試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-09
「インド空母の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12

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