中国関係を語る:新太平洋軍司令官 [Joint・統合参謀本部]

本日はそんな中、対中国最前線を担当するロックリア新太平洋軍司令官へのインタビューから、その辺りを観察したいと思います。責任ある軍人ですので国の方針に沿った安全運転な発言ですが、米国の姿勢を確認できるかと・・・
「ロックリア司令官の経歴等」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-03
欧州から着任の新司令官は・・・
●中国との軍事交流はオンとオフを繰り返してきた。台湾への武器供与を理由に2010年1月に中断、2011年1月にゲーツ前長官が訪中してやっと再開した。

●軍事は外交が失敗した時に出て行くモノであり、また軍事は外交を通じて平和が達せられるように事態を引き戻すために懸命に努力しなければならない
●中国は新興パワーであり、米国は成熟したパワーである。ただ両国がそれぞれどのような状態にあろうとも、我々は両国が共にそれぞれにとって重要な鍵であるように働きかけなければならない
●中国は多くの選択に直面しているが、よりよい軍事関係は両国がなぜそのような意志決定をしたのかを理解させる役割も果たしてくれる。他の分野でのわだかまりを、軍事関係で関係を支えることも可能かも知れない
●私は両国が一つの転換点に来ていると考えている。両国がそれぞれ、良い関係を保っていないと世界と両国にとって最良の利益と成らないことに気づいたと思う
●私は北京から戻ったばかりであるが、とても励まされた気持ちで帰国した。このような対話が継続できるとの希望を持っている。勿論、全ての面で合意に達しているわけではないが、この不同意が誤解や誤認に繋がってはならないと考えている

●米国は特定のサイドに付くことはないが、同海域や周辺海峡は米国や同盟国の貿易や石油輸送を担う国益に関わる地域であり、米国は継続して過度な海洋権益主張に反対している
●この問題には関係国が「win-win」に成るような進め方が必要である。我々はどのサイドも力ずくな手段を選択しないよう望んでいる
●(北朝鮮問題やサイバー問題に触れ、地域関係国の協力が重要だと訴えた後に、)米国民は米国が太平洋国家であると理解しなければならない。これが基本として重要である。
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「台湾への武器供与のニュースが報じられる中でも、梁光烈国防部長の米国訪問が実現」との状況は、見方を変えれば、中国が交流継続の姿勢を見せれば裏で中国が何をやっていても、米側から強い姿勢を見せられない状態・・とも言えます。

北朝鮮のロケット打ち上げで日本が大騒ぎだった最中、ロックリア海軍大将はその2m近い巨大な身体で防衛省を初訪問し、PAC-3が市ヶ谷基地内に展開する様子を確認後、防衛省関係者と会談しています。米国の最前線指揮官は、米国の政治と現場の温度差に、その大きな身体で悩むことになるのでしょうか・・・。
「中国の軍事力発表会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「中国を名指し出来ない中で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-16
「米中国防相会談」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-08
「久々に米中軍事協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-09
「バイデン訪中と米中妥協」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12
「ゲーツ長官の中国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1
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