対イラン政策を巡る国際情勢 [安全保障全般]
4月24日には「米国の対イラン政策:求められるトルコの役割」とのコラムが掲載されました。いつも慎重な表現を使用する岡崎氏が、かなり確信度の高い言葉を使って、イランを中心にシリア、トルコ、中国、米国までを分析しています。
分析の当たり外れではなく、どれもが見落とせない視点ですのでご紹介します
ワシントン・ポスト6日付記事紹介

●オバマは「イランは核兵器を持つことは無い。それは罪だ」との2月のハメネイの発言を挙げて、米国の意向伝達をトルコ首相に依頼した。ただ、民生用ウラン濃縮の許可までは言及しなかったようだ。
●イランの核問題は、イランと5+1会議で議論されるだろうが、開催地も決まっていない。イスタンブールが提案されたが、イラン側はイラクや中国を挙げている。イラン側の態度がはっきりしないのは、恐らく指導部の中で交渉方針がまだ決まっていないからだろう。
●西側のイラン制裁は次第に厳しくなっている。やがてイランは石油輸出の3分の1を失うが、7月1日以降、中国とEUがイラン原油輸送タンカーへの保険を止めれば、打撃はさらに拡大する
岡崎久彦氏の分析コメント

●過去パネッタ国防長官は、イスラエルのイラン攻撃を4~6月頃と予想したが、さらに最近イスラエルは、攻撃は「数カ月内で、1年先ではない」と述べ、今年中との可能性を示唆した。
●当面、イランと5+1会議の結果いかんだが、イスラエルのイラン攻撃は長くは抑えられないというのが国際常識となって来た。
●他方、海峡封鎖などでイランが米国と対決するのは非現実的であり、従って、イランはどこかで譲歩するが一般の期待だが、会議の場所さえ未決定の状況では、イラン国内の強硬派と穏健派の間で妥協点無きまま時間切れ、イランがイスラエルに攻撃される可能性も否定できない。
●あるいはイランが、イスラエルの攻撃に対して報復に出ずに敢えて甘受し、それによる愛国心の高まりの下に国民の結束を図るという選択肢を選ぶ可能性もありえる。

●リビア危機の際、トルコによる仲介が噂されたが、噂留まり。シリア問題でも、湾岸諸国等スンニー派諸国と共に反アサド側のトルコが、イランに対して説得力を持っているとは思えません。イスタンブールが交渉の場として拒否されたことは、それを物語っています。
●気になるのは、5+1の場所に中国が上がっている点。イランが本当に妥協するつもりなら、誰かに外交的に花を持たせ、それを妥協の口実とする機会ではある。
●1994年のカーター訪朝のように、クリントン元大統領かオバマ自身のイラン訪問もあり得る。
●他方、イランにとり、中国も理論的にあり得る選択。勿論、中国には国際的威信を高め、イランとの特殊関係を維持するための絶好のチャンス。
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北朝鮮に大騒ぎの間に、まんぐーすがF-35に熱くなっている間に、世界は動いていたようです。

おまけに「イランにとっては、中国というのも理論的にあり得る選択」・・
日本には「ダルビッシュ有」という、米日イランを結ぶ最終兵器があると信じましょう!!
「イラン核施設の完全破壊困難」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-02
「パネッタ長官:イラン攻撃は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-05
「対イラン:イスラエルの動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-12
「シリア情勢の複雑な影響」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-09
「前モサド長官イラン攻撃は馬鹿」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-12
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