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ガス田:防衛研究所の告発!? [ちょっとお得な話]

Sirakaba4.jpg防衛研究所webサイトが3月19日付で「強化される中国の海上「維権」活動」との記事を掲載しました。
中身は、海洋資源開発に力を注ぐ中国政策の動向と、それを側面で法執行機関として支える海上保安庁のような組織強化について紹介する内容です。

丁寧に厳密に用語等を紹介しているので勉強になりますが、その最後の部分に「中国の身勝手さ」と「日本政府の無策」を国民に訴えようとする「研究者の叫び」らしき部分がありますので、概要をご紹介します。
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増田雅之主任研究官の「告発」
本年2 月、日本のEEZ内で海洋調査を実施していた海保庁の測量船に、海監66と海監46の2隻の艦艇が接近し、中国の管轄海域であるとして調査の中止を無線で要求するとの事案が発生した(19 日及び28 日)。
sirakaba3.jpg●『法制日報』(2012 年3 月2 日)はこの「維権(権利保護)」活動にかんする同乗ルポを掲載し、いま一つの「事実」を明らかにした。白樺油ガス田の生産活動についてである。
●ちなみに、2008年6月には、白樺油ガス田における開発への日本法人の参加を主な内容とする日中両国間の合意が発表され、日本政府は、合意履行までの期間「中国側に一方的な活動を控えるよう強く求めて」きた
●もちろん、ルポ記事にある「生産作業」が意味する具体的な内容は明らかでない。しかし、記事は白樺の施設から炎が上がる様子も記しており、真実なら中国がガス単独生産をすでに開始している可能性が高い

●このルポに掲載された海監66 と白樺との無線でのやり取りは次の通りである。
海監 66
→→→春暁、春暁。こちらは中国海監66。あなた方に敬意を表します。どのような状況ですか。
白樺(海上ガス採掘施設)
→→→毎日、日本の偵察機がやってきていますが、全て正常です。
海監 66
→→→海洋環境保護法の規定に基づいて「生産作業」を行い、環境汚染を防止してください。何かあればその都度われわれと連絡をとってください。
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増田研究官はこれ以上の詮索は行わず、
「いずれにしても周辺海域における中国の「維権」活動の強化はますます加速しそうであり、その行動様式に注視していく必要がある。」と研究者らしくレポートを締めています。

ところで本文は・・・
●中国の原油の対外依存率は2004 年に40%を超え、2009 年には中国政府が危険水域とみなしていた50%を初めて上回った
●2011年発表の5カ年計画で中国は、具体的に石油や天然ガスを含む海洋資源の開発と利用の促進を目指す方向性を打ち出した。
●海洋はエネルギー資源を供給する「戦略的基地」として重要性が強調されている。なかでも有力な「戦略的基地」とされるのが南シナ海であるが、大陸に近い海域を除いて中国は資源開発に着手できていない現状

Oil981.jpg●そこで新たな装備として、例えば、2011年5月に水深3,000m での作業が可能な半潜水式のオイル・リグ「海洋石油981」が完成
●完成後、2カ月にわたる海上での試験航行を実施し、同年12月には使用が可能な状態に。これを受け2012年1月から2月にかけて、東シナ海で海洋石油981による敷設試験が実施。このオイル・リグは中国が開発に着手できていない南沙海域に投入される予定

●中国は海上法執行機関の能力向上に努めている。中国では国家海洋局が指揮・管理する中国海監総隊(海監)、公安部の指揮下にある公安辺防海警総隊(海警)、交通運輸部の直属部門である中国海事局(海巡)、農業部漁業局(漁政)、海関総署密輸取締警察(海関)という5 つの機関が海上での法執行活動に対応

Kaikan66.jpg●海洋での資源開発にかかる法執行活動を実施しているのは、おもに海監であるが、海監の能力建設の動きが加速化している
2010 年に海監は合計1,303 隻、214 機の外国船舶・航空機への監視活動を実施したが、2008 年の実績(285 隻、43 機)と比べればその増加は約5倍と著しい。その海監のパトロール活動は東シナ海でも強化されている
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ご経歴を拝見すると、30代半ばの血気盛んなお年頃・・。お気持ちはよ・・く分かります。
もしかしたら・・ぎりぎりの「訴え」ではなく、「真実」の意図的かつ組織的リークかも知れませんが・・・

「中国安全保障レポート」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
「米国核兵器の状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1
「中国はNKに介入するか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-28
「あの戦争を何と呼ぶべきか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-26

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