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陸軍の将来に知恵を出せ [パネッタ国防長官]

「予算削減を理由に辺境な組織防衛や装備品擁護に走ることを許さない。私と共に全軍にとってベストな行動を期待する」

panettaarmy.jpg12日、パネッタ国防長官は陸軍協会の総会に出席し、その奮闘を「史上最強」と讃えると共に、特に戦場で鍛え上げられた若い世代に対し、将来のあるべき陸軍作りに柔軟で創造力に富んだ能力を貸して欲しいと訴えました。また、陸軍の削減や人件費の削減を視野に入れつつも、前線兵士とのfaithを守ると述べています。

パネッタ長官が各軍種の団体で講演するのは初めてで、今後も順次他の軍種で語るモノと思いますが、「アメリカンドリームを守れるような陸軍と米軍を確保するため戦おう」との締めのメッセージは、恐らく今後も全ての場で使われるモノと思います
A4で4枚の本格的なスピーチですので、いつものようにつまみ食いでご紹介します。

イタリア移民の息子である私だが、同じくイタリア移民の孫に当たるオディエルノ大将が陸軍参謀総長であることを嬉しく思っている。また、同じく10年間の戦いで鍛え上げられた陸軍出身のデンプシー大将が統合参謀本部議長として私を支えていてくれることを頼もしく感じている。

一時は15ヶ月にまで達した前線派遣期間が、9ヶ月にまで短縮できる様になってきた。これを生かし、家族との時間を増やし、将来の飛躍のために軍学校や一般著名大で学ぶ期間が増えるだろうと期待している。
●現在の予算削減議論が、軍隊の規模に影響を及ぼすことに疑問の余地はない。一部の能力や関与を犠牲にする必要があるが、これまでに培った緊要な能力を犠牲にすることは出来ない。

panettaarmy2.jpgまた同時に私は、予算削減を理由に辺境な組織防衛や装備品擁護に走ることを許さない。今後前進するに当たり各軍種のリーダーには、私と共に各軍種のための行動ではなく、全軍にとってベストな行動を執るよう期待する。
一部のためにではなく、全体のニーズのために、チームを組んで嵐に立ち向かう必要がある。他に手段はないのだ。危機は大きく、共に取り組まねば世界一の軍隊であり続ける道が開けない。

●10から30年後に何が起こるか誰にも分からない。しかし一つ確かなことは、我が国民や世界の人々は、米国のリーダシップを求め、米軍事力とのパートナー関係を期待している事である。
私は皆さんに助けを必要としている。将来どのような陸軍が必要とされているかを考える時、またいかなる敵に対しても、統合戦力が有効に役割を果たすために陸軍が以下にあるべきかを考えるために。

●私は過去これほどまで情報機関と陸軍が緊密に連携した例を知らない。米陸軍は最高のCOIN(対反乱行動対処)部隊であることを求められ、これに答えた。そして今はパトナー国の軍を訓練することを求められ取り組んでいる。
●同時にCOIN任務だけでなく、先進兵器を備えた敵との通常戦争を戦う力を維持して欲しいとも思う。しかしまた、湾岸戦争のような戦いが再び行われるとは考えにくい
●私は戦闘で鍛えられた皆さんに、より狡猾で非対称の有利さを追求する敵と如何に対峙するかを考えて欲しいと思う。特に過去10年間のCOIN戦闘を戦い抜いた若い士官に、このハイブリッドな脅威への洗練された対処を捻出して欲しい。

PanettaMOD.jpg6年連続で上昇を続ける自殺率は米国家の悲劇である。この改善に国家として取り組まなければならない。
●最後に、陸軍の規模を縮小しようとも、責任ある過程を踏む必要があると考えており、兵士とその家族へのケアをおろそかにしてはならないと考えている。我々は兵士とその家族との間にある信頼感を損なわないようにすべきだと考えている。
●私が出会う負傷兵や命を落とした兵士の家族は皆私に告げる。私の愛する者が命をかけたこの任務を最後まで諦めずにやり遂げて欲しいと。

皆さんが約束されたモノを与えることが私の戦いであり、私の義務である。皆さんの側面を支え、あなた方を保護し、あなた方が国を守るに必要な全てを準備することが私の戦いである
●皆さんの戦いは明らかである。そして我々は子孫により良い生活を与えるため、アメリカンドリームを守るため、人民の人民による人民のための政府を確保するために戦うのである。
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panettaSASC.jpgこのスピーチの最後のフレーズは、「But most of all fight to ensure that we have a government of, by, and for the people. Thank you very much.」でした。
機能不全に陥っている米議会と政府に対する怒りを最後にぶつけてきたのでしょうか・・・。

イタリアの貧しい村から移民としてやってきた父親から、「チャンスを与えてくれた米国に、何らかの形で恩返しをしなさい」と幼い頃から言われてきたパネッタ長官の最後の戦いに注目致しましょう。
ちなみにその際、緊張感高まる西太平洋地域の重要同盟国である日本には、より一層の国防努力と役割分担を要求することになるのでしょうが・・・。

パネッタ長官の発言
「運命の傍観者たることを拒む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-13-1
「パネッタ長官が使命感と信条を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-07
「議会承認のために、私は・・」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26

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