いやいや中国は普通の大国へ [経済情勢]

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「予想より早期に中国が派遣国?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-03
しかし同じForeign Affairs9-10月号は、上記の論文と対立する意見を主張する豪シドニー大学のSalavatore Babones教授の論文も同時に掲載し、学術雑誌としてのバランスを図っています。
岡崎久彦氏のブログによるとシドニー大の教授は、中国が米国を凌ぐ大国となるように言われるが、中国の今後の成長には数々の障碍があり、成長したとしても、世界中に同盟国や友好国の広汎なネットワークを持つ米国には対抗出来るはずもなく、結局、規模は大きいが通常の大国になるだろう、と予測しています。
Babones教授は論文で・・・

●しかし、数年間の傾向を10年単位の分析にあてはめるのは無理がある。韓国の場合も、1960年から90年にかけて1人当たりGNPは米国の13分の1から3分の1になったが、2分の1になるにはその後20年かかっている。戦前すでに先進国だった日本の場合は、その復興なので、例として適切かどうかわからない、
●また、中国は1820年には超経済大国だったのであり、それに戻るだけだという議論もあるが、欧州経済は1800年までに既に進展しており、アヘン戦争前の1820年の中国の1人当たりGNPは欧州の半分以下、その後25%に落ち、1970年にはたった7%になっていた。だから、中国の成長といっても、1870年のレベルに戻っただけだ、

●他方、中国の人口が頭打ちで老齢化しているのに対し、米国の人口は移民によって増え続けている。また、米国は広汎な同盟国、友好国に囲まれているが、中国は日本、インド、ロシアなど四面が競争相手だ、
●結局、中国は過去200年の悲劇から立ち直り、大きいが普通の国になりつつあるのであって、それは良いことだ、と言っています。
岡崎久彦氏のコメント

●中国には今も成長余力(端的に言えば、労賃の低さ)がある模様ですが、昨今のインフレ、公害、国内騒擾などのニュースを聞くと、ここ20年間で初めて、中国の高度成長もそろそろ曲がり角に来ているかもしれない、という感がなくもありません。
●今後10年の間に、何らかの形で中国経済に急ブレーキがかかり、世界に経済ショックを与える可能性は、無いよりも有る方が大きく、しかもその可能性は、過去10年に比べて遥かに大きくなっているように思われます。もっとも、日本の例からいって、その後もある程度の成長が続く可能性はあるでしょう。
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今回ご紹介しているBabones教授の説の方が、読んでいてスッキリ治まる気がします。かなり感情的な感想ですが・・・。
前回のSubramanian氏も今回ご紹介のBabones教授も、ともにインド系?の様なお顔立ちです。インドに限らず、南アジアの方々の活躍が世界経済の分野でも
「バイデン訪中と米中妥協」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12
「なぜ中国は最近高圧的か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-12
「中国インフレの混乱と処方箋」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-27
「中国バブル崩壊は秒読み」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-06
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