機密の固まりNROとは [サイバーと宇宙]

NROは、衛星を用いて情報収集(画像映像と電磁波も)し、多様なフィルターを用いて処理し、多次元多要素の情報として軍に提供することが任務の様ですが、組織内ではデータの分析は行わないとのことです。また衛星の設計、製造や技術開発も担当しているようです。

とは言っても、写真も含め3ページの記事で、明確な説明は差し控えられているため、想像力をたくましくしてご覧頂く必要がありそうです。
NRO局長のCarlson氏(退役大将:元米空軍物資コマンド司令官)いわく
どのように仕事を進めるの?
●あらゆる関連する会議に私や部下が出席し、我々に出来そうなことがあったら手を挙げて「何かできるかも知れない」と助けを申し出る。例えばアフガンには常時60名のスタッフを配置して前線部隊を支援している。
●また軍の主要幹部を訪問し、こんなことができる、こんな組織でやっている等々の説明をし、部下がフォローを行う。
例えば、こんなことが可能に

●路肩の仕掛け爆弾の位置評定にも参画している。「RED Dot」と呼ばれるシステムは、装甲車両内の兵士が見る画面に、赤いドットで爆弾が仕掛けられている可能性が高い地点やエリアを表示する
●CEGS(Communications intelligence External Geofusion System)と呼ばれるシステムは、我々が耳を傾ける情報と画像を融合することが出来る。
●これらは全て、膨大な画像と電磁波情報の融合により可能となるもので、日進月歩で進歩する我々の技術の一端である。
●またNRO自身の衛星センサーだけでなく、NSA(National Security Agency)の航空や地上センサーの情報との組み合わせプロジェクトも進めている。
●古くなった衛星の信号を、他システムと組み合わせて活用することで、衛星の寿命を延ばしている。
変化する要求や要望に応えるため

●米空軍は、戦闘機や輸送機中心から、無人機重視に移行しているが、この変化に対応するため、我々も組織変更を迅速に行っている。
●グアムにはグローバルホークが配備され活動が始まるが、この活動をより効果的にする事前情報が重要で、空軍との関係を強化している。
●衛星の設計、製造、運用と並び、困難な任務を支援することが重要な任務である。
技術革新に向けて
●打ち上げの効率化も重要な課題。一つのロケットで、多数の衛星を打ち上げられればより効率的。また打ち上げに必要人数の半減にも取り組んでいる
●衛星の小型化は一つの方向であるが、小型衛星は低高度に配置するため問題も多く寿命も短い。また小型化によりアンテナ利得が減り、また小型化で機材の発熱により回路が影響を受けやすいなどトレードオフもある。

●太陽電池の効率性向上と製造の容易化に強い関心を持っている。この技術は衛星に大きな変化をもたらしうる技術である。
●ペンタゴン主要幹部が、情報がありすぎてその一部しか生かされていない、と批判的であることは承知しており、NROとしてデータに適切なフィルターを架け、ユーザーの手に渡るように努力したい。
宇宙関連(参考記事)
「前半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10
「後半宇宙優勢5つの鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10-1
「国家安全保障宇宙戦略:NSSS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-05
「宇宙態勢見直し作成中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15-1
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「PGSのHTV-2試験失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-27
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20
「警告677回:中国宇宙ゴミ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-14-1
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