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対リビア米空軍爆撃作戦 [米空軍]

libb-2.jpgAirForce Magazine7月号が「Bombers Over Libya」と題した記事を掲載し、日本が東日本大震災に呆然としていた3月中旬に実施された米空軍による対リビア爆撃作戦(Operation Odyssey Dawn)の様子をレポートしています。

3機のB-2爆撃機と2機のB-1B爆撃機によって行われた本作戦は、リビアの防空能力や参加機数からすれば小規模な作戦といえましょうが、米アフリカ軍が初めて指揮を執った実動作戦であり、改編された米空軍Global Strike Commandとしての初ミッションであった点など、何かと「初物」が多かった意義深い作戦だったようです。

作戦概要を伝える記事は・・・
libb-1.jpgB-2爆撃機は米中部のモンタナ州のホワイトマン空軍基地から、B-1爆撃機は米北中部のサウスダコタ州エルスワース空軍基地から長距離飛行で直接リビアの攻撃を行った。
B-2はリビア飛行場の45個の目標を攻撃し、B-1は弾薬庫、航空機等修理施設、指揮統制施設など100個余りの目標を爆撃した。
米アフリカ軍は自身で戦力を全く持たないため、米戦略軍の第608航空宇宙作戦センター(バークスデール基地)のイニシアチブで作戦計画立案が開始され、欧州軍やアフリカ軍と連絡調整を鳥ながら進められた。

●爆撃機は中央軍隷下の作戦やその他の任務で多忙であり、リビア近傍のアセットの使用が困難と判明し、米本土から空中給油を重ねてリビアを攻撃することとなった
●リビアの防空網は強力でないため、B-2が選択されたのはステルス性よりも空中給油の回数が少なくて済むからであった。

●それでも米本土から運用するには4回の空中給油が必要で、合計で15--20機のタンカーが必要な作戦だった。B-2は1機で2000ポンド爆弾16発を搭載でき、その点でも効率的。
●また、B-2が出撃する場合でも、最近は海軍の電子戦攻撃機EA-6B Prowler又はEA-18G Growlerの支援を受けることになっている。今回どこの基地から参加したかは明らかにされなかったが、実際に電子妨害を必要かどうかは別にして、参加したようだ。

libjdam.jpg米海軍と英海軍艦艇から発射されるトマホーク巡航ミサイルの目標到達時刻との調整は、米アフリカ軍の第617航空宇宙作戦センターが行った。B-2が攻撃する目標の近くの目標をトマホークに割り当てられたからである。
●初回の計5機による攻撃後、作戦の指揮を執るアフリカ軍から更なるB-2出撃要請があったが、費用対効果や必要性が精査され、本国に戻らなかったB-1爆撃機がクルーの休養後の2日後に再度攻撃を行った。

攻撃結果を示す画像は、ほとんど直ちに全ての作戦指揮所で確認可能だった。そしてそれは教科書に載せて良いぐらいのほぼ完全な成果であった。
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libkc135.jpg戦果の確認がほぼリアルタイムに可能とは・・・無人偵察機が既に辺りを飛んでいたんでしょうね・・・。記事の中では、B-2が他の訓練や部隊が能力評価を受験するため、2回目の攻撃任務から外れたような書きぶりになっています。

その他、アフリカでの空爆作戦など予期していなかったため、それなりにいろいろな部署が慌てながら作戦立案した様子が伺えます。「予期せぬ事態に備えよ・・・」ゲーツ前長官の言葉が響きます。

「警告する、NATOの2極化を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-12
「対リビア作戦を議会で語る」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-02
「初代アフリカ軍司令官の回想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-24

「対リビア作戦への参加国」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-27
「対リビアにサイバー攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-02-1
「なぜF-22はリビアで飛ばない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05-1

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