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異色の芥川賞作家に聞く [ふと考えること]

nishimura3.jpg「苦役列車」で第144回芥川賞を獲得し、異色の芥川賞作家として名が知られるようになってきた西村賢太さん(43歳)は、その日暮らしの中卒フリーター作家。親子2代で逮捕歴もあるという経歴の持ち主です。
最終学校歴が中学卒業の芥川賞受賞は、1998年の第119回、花村萬月さん以来。西村さんは東京都出身で11歳のとき、運送業の父が事件を起こして逮捕。中学を出てから港湾作業員、警備員などで生計を立てていたとのこと。

20歳過ぎに藤沢清造の小説に出会い心酔。西村さんが暴行で留置場に入った29歳の時、藤沢が貧困のなかで凍死したことを思い出し、藤沢の全集の編集を目指し小説の世界にも。
nishimura2.jpg07年「暗渠の宿」で野間文芸新人賞、一昨年「小銭をかぞえる」で芥川同賞の候補にもなった実力派でもあり、下馬評は高かったようです。受賞作の8割は体験談と話し、「屈辱的な所を書かないと」と自虐的な私小説にこだわっているそうです

芥川賞会見では賞の知らせを受ける直前、「風俗に行こうかなと考えていた」と語って爆笑を誘う飾りのない人物で、普段はアルバイトを中心にそれがないときは「昼過ぎに起きてサウナに行くか、一杯やってます」と話して授賞式の会場を沸かせ人でもあります。

そんなに西村さんがプレジデント7月4日号に一文を寄せられています。
ちなみにプレジデントの特集は「お金に困らない生き方」・・・西村さんは・・・

●もちろん僕が負け犬だったことは間違いありません。中学しか出ていませんし、日雇いで暮らしていたことも事実です。
●しかし6年くらい前から文芸誌に小説を載せてもらえるようになりましたから、その意味でだけは既に負け組を卒業しています。昨年の年収は僕にしては上出来の480万円でしたが・・。
逆に東大を出ても一向に芽が出ない作家志望者は沢山いますから、その人達は一種負け組だといえるかもしれません。

nishimura.jpgではその人が負け組であるのは誰のせいでしょうか。僕は本人のせいだと思います。得意分野に進み、それでもモノにならないというのは珍しいことではありません。それでもなお、やりたいならやればいいんです
●ところがインテリの人は、途中で「社会が悪い」とか言いだします。負けを認めたくないから、そういう大きな話に救いを求めるのです。
●今多くの人が学歴とか勝ち負けの価値観にがんじがらめにされています。それではサマにならないと思うのですが。
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ここまで達観できるようになるまでが大変です。でも、ここまで見えていれば、力の入れどころが自ずと明らかになってくるのでしょう。

「川渕三郎51歳の左遷から」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-22
「双葉山「未だ木鶏たりえず」」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-27
「リーダーは:最後の卒業式」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28

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